パソコン甲子園モバイル部門は、2012年より正式競技となり、少しずつ予選での企画書の応募数が増えてきています。2016年は、32件の応募があり、その中から8件の本選出場チームを選出しました。
割合的には4倍程度なので、そんなに問題がないじゃないか?と思うかもしれませんが、予選を突破するための企画のクオリティが年々上がってきています。特に、工業高校や高等専門学校など、専門に工業などを勉強している学校が中心に予選を突破するようになってきていて、経験やその高校に居られる先生方のスキルに左右されてきているのかなと思うようになってきました。
このページ自体は、スキルが無い人でも、少しずつ勉強しながら、パソコン甲子園を目指せるように作っています。特に、企画レベルでは、企画書の書き方や時間の使い方さえわかれば、普通高校の方々も十分に予選突破が可能なものとなっています。過去の成果を見ても、全くプログラミングの経験もない人がアイディア一発で応募して、予選を通過できた、という事もあります。
また、企画書をしっかり書けば、あとはプログラミングの仕方を勉強して実装するだけとなります。実装の段階では、会津大学でアシスタントを用意して、皆さんの疑問に対してサポートする形をとっていますので、最後まで、開発の楽しさを味わっていただけるのではないかと思います。
大会に参加することに意義がありますので、是非、皆さん、こぞってアイディアを応募していただければと思います。
モバイル部門では、2012年から2016年まで、予選、本選共に6名の審査員によって審査されます。審査の項目については、[初めて応募する人へ]を参照してください。
特に、近年の予選での審査の過程で出てくる、審査員からのコメントは、以下の通りです。
また、予選通過後に、本選前に気を付けることは次の事です。
会津大の矢口です。2011年のプレ大会より、毎年の予選の審査と、本選の世話役を行っています。
基本的には、審査員の方々のコメントに集約されているのですが、私が見る限りで、上位に来る企画書やアイディアの傾向を少しお話ししたいと思います。
予選に際しては、出来るだけ多くの人にアイディアや企画書を見てもらって、評価してもらったものを提出されるといいと思います。部活内の友人とかでもいいです。お互いにアイディアや企画書をチェックし合って、その上で見栄えの良いものを提出するように、よく時間を考えて作業するようにするといいと思います。
また、可能であれば、『ゲーミフィケーション』は避けた方が良いかと思います。『ゲーミフィケーション』とは、ツールなどの用途で使うものを、『ゲーム化』して楽しくしよう、とするものです。これが、主目的に完全に合致して、新しいスポーツや遊び方の提案などにつながるならば話は別ですが、単純に『モチベーションを上げるため』等の理由で『ガチャ』や『RPG』ゲームみたいにするような提案をしてしまうと、その他の商用ゲームと比較されてしまうため、それだけで評価が低くなってしまう印象です。
一方で、ほかのセンサーを組み合わせて動かすことや、ロボットとの通信など、実際のモノとの連携がある場合は、少し好意的に評価点が付くようです。外部からの入力、外部への出力があるという事は、明確にそのモノとの通信という『主目的』がありますので、それが見えやすくなるからだと思います。
しかしながら、物理的に無理のようなアイディアは、『インパクト』が高くても、『実現可能性』が低くなる傾向があります。過去にありましたが、『スマートフォンを川に流してポジションを計測する』アイディア(貸し出したりしたスマートフォンが紛失する恐れがある)や、『ローラースケートに動力を付けてスマートフォンでコントロールする』アイディア(動力部にパワーが必要のため、小型化等を考えると高価になる可能性がある)など、審査員が『無理』と思う場合は、予選で落選する可能性が高くなります。
私個人的に印象的なものは、2013年にグランプリを取りました『鳥羽商船高等専門学校』のアイディアでした。実際に作成するものは、API等を使ったシンプルなものではありましたが、『空にカメラをかざすと、その方向に飛んでいるだろう飛行機を表示する』ことは、使い方はシンプルでも、非常に知的な好奇心や興味をそそるものであり、企画の段階で『あ、これは上位に行くな』と確信のあるものでした。
是非、皆さんも、先のグランプリ等のアイディアに負けない、素晴らしいアイディアを、パソコン甲子園に応募いただければと思います。皆さんのご応募をお待ちしております。