グループリーダー
小川太一
大谷颯
黒滝萌
食事と日本酒グループでは日本酒と料理の相性を分析し、日本酒に合う料理を考案する。日本酒は「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」4つのタイプに分ける。料理は特に、飲酒すると失われるビタミンB1とカリウムを多く摂取することができる料理のレシピを作成する。4つのタイプに分けた日本酒それぞれに合った料理の考案を目指す。普段から日本酒を飲んでいる人が健康のまま日本酒を飲み続けることができるように、また、日本酒に興味があるけどどこから手を付ければ良いのかわからない人への入口になるような研究結果をつくることが目的である。
本グループではお酒は日本酒に、料理はアルコール分解時に身体から消費され失われるビタミンB1とカリウムを多く摂取できる料理に焦点を当てた。日本酒に合い、かつビタミンB1とカリウムを多く摂取できる料理を提案することを目指す。
日本酒は味わいによって、「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」の4タイプに分類される。それぞれのタイプの日本酒とペアリングする料理のレシピデータを解析し、各4種類の日本酒に合う食材や調味料を得た。厚生労働省の日本人の食事摂取基準を参考に栄養素の値を決め、今回焦点を当てたビタミンB1とカリウムは1.5倍にした値で、栄養素の目標値を設定した。これらを使用し、ブレンドマイスターを用いて日本酒に合い、なおかつアルコール摂取時に失われる栄養素を補える料理に必要な食材とその配合量を得る。得られたデータで実際に料理を作り、官能評価を実施することで日本酒に合うか評価をする。
最終到達目標達成に向けて以下の作業を行った。
・テーマの検討
・日本酒にペアリングするレシピデータの収集
・収集したレシピデータの解析
・栄養素の目標値の設定
・レシピ設計
・官能評価
テーマの検討
食事と日本酒班のテーマは日本酒に合い、なおかつ日本酒を飲む際に失われる栄養素であるビタミンB1とカリウムを補える料理のレシピを「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」の各4タイプそれぞれに対して提示することである。
日本酒にペアリングするレシピデータの収集
本やWebページを参考に4タイプそれぞれの日本酒に合うレシピデータを収集した。
収集したレシピデータの解析
収集したレシピデータを可視化ツール[1]でパターン認識することにより、それぞれ4タイプの日本酒に合う食材や調味料を得た。
栄養素の目標値の設定
厚生労働省の日本人の食事摂取基準[2]を参考にエネルギー,炭たんぱく質,脂質,炭水化物,ナトリウム,カリウム,カルシウム,鉄,レチノール,ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンC,飽和脂肪酸,食物繊維総量の栄養素の目標値を設定した。ビタミンB1とカリウムは食事摂取基準から1.5倍し、さらに重みを10にした。
レシピ設計
ブレンドマイスター((株)インテリジェントセンサーテクノロジー)[3]を使用し、上記の収集したレシピデータの解析と栄養素の目標値の設定より得られたデータに基づいて日本酒に合い、なおかつアルコール摂取時に失われる栄養素を補える料理に必要な食材とその配合量を計算中。
官能評価
日本酒の官能評価のトレーニングを実施中。
・薫酒・爽酒・熟酒・醇酒それぞれに合う食材を分析した。
・分析結果の散布図を表示
・上図のようにそれぞれ4種類の日本酒に合う食材を分類できた。
・この結果と栄養素の目標値を用いて日本酒に合い、かつビタミンB1とカリウムを多く摂取できる新しいレシピを作成。
・上図のようにブレンドマイスターに入力すると使う食材と配合量が出力される。
・レシピは別のWebサイトに後日掲載予定
参考文献
[1]佐藤仁樹, 可視化ツール(DataViewer)解析プログラム仕様書, 公立はこだて未来大学 佐藤仁 樹研究室資料, 2020
[2]厚生労働省, 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書,2020
[3]佐藤仁樹, ブレンドシミュレータ v2_11 仕様.pdf, 公立はこだて未来大学佐藤仁樹研 究室資料, 2020