津波を作成するにあたって、CrestOceanSystemという海の再現を行うUnityアセットを使用した。
津波の形を再現する方法として、CrestOceanの機能である海の変形により指定した板状のモデルの形に海を押し出し、津波を表現した。
板状のモデルはBlenderで波の形をしたメッシュを作成した。
波の形状は、実際の波の形を意識して斜めの傾斜にしたものと、イメージの波に合わせたサーフィンの波を作成し、VR視点で危険度を体感できるように組み合わせて使用した。
津波の挙動を表現するうえで、津波の速度や物体に及ぼす力等を数値シミュレーションにより計算した。
津波の速度を求める計算式は下式により算定した。具体的な数値に関しては、g=9.8, h=10 として計算を行った。
V=sqrt(g × h) ※1
V : 津波の伝搬速度(m/s)
g : 重力加速度(m/s2)
h : 水深(m)
※1 sqrt(square root)は括弧内を平方根(√)で計算することを指す。
また、車に対する津波波力を求める計算式は下式により算定した。具体的な数値に関しては、ρ= 1.0, g = 9.8, B = 1.77, = 0, z₁ = 0, z₂ = 1.6 とし、hの値は各地点での浸水深の値であるので、h = 4.5 (赤レンガ倉庫・駅前), h = 10.0 (湯の川)として計算を行った。
Qz = 1/2[ρg B {(6hz₂-z₂²)-(6hz₁-z₁²)}]
Qz : 構造設計用の進行方向の津波波力(kN)
ρ: 水の単位体積質量(t/m³)
g : 重力加速度(m/s²)
B : 当該部分の幅(m)
h : 設計用浸水深(m)
z₁ : 受圧面の最小高さ(m)
z₂ : 受圧面の最大高さ(m)