4章D. その他の身体症状
痛み・呼吸器症状・消化器症状の他にも、様々な苦痛となる症状はあります。
全てを網羅することはできませんが、ここでは主にがん患者において比較的高頻度にみられる身体症状について
アセスメント・マネジメントの基本をまとめていきます。
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4章D-1. ステロイド
がん緩和ケアにおいて、オピオイドと並ぶキードラッグが「ステロイド」です。様々な症状に対して有効な可能性がある一方、副作用の種類も多岐にわたる難しい薬なので、是非とも使い方に習熟してほしいと思います。
【内容】
・ステロイドの概要、ステロイドの使い分け、ステロイドの副作用、ステロイドの使い方、漸減法、漸増法、デキサメタゾン、ベタメタゾン
4章D-2. 浮腫
がんに限らず様々な全身疾患によって生じる浮腫ですが、薬物療法だけでは上手くいかないことも多く、多職種での連携が特に重要となります。
【内容】
・浮腫の主な原因と鑑別、利尿薬、ステロイド、アルブミン製剤、スキンケア、物理療法、手術療法、蜂窩織炎、リンパ漏、潰瘍形成、リンパ浮腫
4章D-3. 倦怠感
倦怠感は進行性疾患の終末期の症状として現れることも多いですが、二次的倦怠感と呼ばれる改善しうる場合もあるため、アセスメントが重要になります。
【内容】
・身体的倦怠感、一次的倦怠感、二次的倦怠感、エネルギー温存療法、入浴、有酸素運動、リハビリ、ステロイド、補中益気湯、十全大補湯
4章D-4. 発熱
がんの患者さんや終末期の患者さんに、どこまで検査や治療を行うべきか迷うことはありませんか? 主に感染症や腫瘍熱について、基本的な考え方と対応例をまとめてみました。
【内容】
・発熱の頻度と原因、発熱のアセスメント、抗菌薬投与のメリット・デメリット、Time Limited Trial (TLT)、セフトリアキソン、腫瘍熱
4章D-5. 骨関連事象(SRE)
がんの骨転移や原発性骨腫瘍の患者に生じる、病的骨折、脊髄圧迫、高カルシウム血症などのイベントの総称を「骨関連事象(Skeretal Related Events; 略してSRE)」と呼びます。迅速かつ適切な対応ができないと、患者のQOLは著しく下がってしまうので注意が必要です。
【内容】
・病的骨折、脊髄圧迫、ステロイド、放射線療法、手術、骨吸収抑制薬(ゾレドロン酸・デノスマブ)、ARONJ、高カルシウム血症
4章D-6. 痒み(掻痒感)
痒みは、がん患者だとオピオイド等の薬剤によって生じたり、腫瘍随伴症候群として生じたりしますし、非がん患者でも高齢者の皮膚乾燥、慢性肝不全・腎不全などによって生じうる稀ではない症状です。
【内容】
・痒みのアセスメント、皮膚ケア、局所療法、鎮痒薬(抗ヒスタミン薬・ステロイド・抗うつ薬・ベンゾジアゼピン系・ナルフラフィン)
4章D-7. 吃逆・喉の不快感
「吃逆(しゃっくり)や喉の不快感が緩和ケアの対象になるの?」と意外に思う人もいるかもしれませんが、想像してみてください、しゃっくりが昼夜問わず何日も止まらなかったら…喉の引っかかった感じがず~っと続いたら…。QOLを著しく下げるマイナー症状の対処法をまとめました。
【確認クイズ:その他の身体症状】
理解度確認のためのクイズです。全問正解を目指しましょう!(下記リンクを押すとGoogleフォームが開きます)