4章C. 消化器症状

消化器症状は頻度の高い症状で、患者のQOLを著しく低下させます。

原因治療は必須ですが、対症療法に用いる薬の選択肢も広いので、上手に使い分けられるようになりましょう。

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4章C-1. 悪心・嘔吐

悪心(吐き気)の原因は多岐にわたりますが、何でも「とりあえずメトクロプラミド(プリンペラン)」で済ませようとしていませんか?
【内容】
・悪心・嘔吐のアセスメント、原因検索
・非薬物療法、薬物療法(消化管蠕動促進薬、抗ヒスタミン薬、抗不安薬、中枢性制吐薬)

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4章C-2. 便秘

「便が出ない」という訴えは見過ごされたり軽んじられてしまいがちですが、放置するとQOLをひどく損ねることもあります。
【内容】
・分類:排便困難(硬便、便排出障害)、排便回数減少(腸管蠕動低下)
・便秘のアセスメント、ブリストルスケール
・下剤:緩下剤、大腸刺激性下剤、直腸刺激性下剤、エロビキシバット、ナルデメジン

4章C3 下痢.pdf

4章C-3. 下痢

便秘に比べると薬剤など対応のバリエーションが少ない下痢ですが、抗がん剤の副作用や偽膜性腸炎などによって、がんの患者さんをはじめとした多くの患者にみられるcommonな症状でもあります。
【内容】
・下痢の定義と原因
・原因治療、非薬物療法、薬物療法(生菌製剤、ロペラミド、オピオイド、抗コリン薬、漢方薬

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4章C-4A. 消化管閉塞

消化管閉塞の中でも、がんによる悪性消化管閉塞(MBO)は難治性かつ進行性で、非常に予後の悪い病態です。少しでも患者の苦痛が軽減できるよう、対応方法を整理しておきましょう。
【内容】
・消化管閉塞のアセスメント、機械的腸閉塞、機能的腸閉塞
・ステロイド、消化管ステント、外科的治療、メトクロプラミド、パントテン酸、ナルデメジン、ブチルスコポラミン、オクトレオチド、経鼻胃管、イレウス管、胃瘻、腸瘻

4章C4b 腹水.pdf

4章C-4B. 腹水

腹水(特に悪性腹水)は薬物療法が奏功しないことも多く、腹腔穿刺などの侵襲的治療を考慮しなければならないことがしばしばあります。
【内容】
・腹水のアセスメント、血清-腹水アルブミン勾配
・非薬物療法、利尿薬、ステロイド、腹腔穿刺(腹水ドレナージ)、腹腔内カテーテル留置(持続腹水ドレナージ)、腹水濾過再静注療法(CART)、腹腔静脈シャント

腹腔内カテーテル留置の手順.pdf

補足:腹腔内カテーテル留置

複数回にわたって腹水を抜く場合は、腹腔内にカテーテルを留置すると何度も穿刺をせずに済むので便利です。

カテーテル留置による感染リスクが気になる場合は、皮下トンネルを作成するとリスクを低減できますので、挿入方法を写真付きで示します。

4章C5 食事摂取量低下.pdf

4章C-5. 食事摂取量低下

食事が摂れず痩せていくというのは、医療の専門家でなくても「死が近付いている」と実感せざるを得ない、とても辛い症状です。安易に輸液で代用するのではなく、病態を把握し、適切な対応を心がけましょう。
【内容】
・食事摂取量低下のアセスメント、マネジメント
・食事の工夫、栄養補助食品、薬物療法、口腔ケア、嚥下リハビリ、栄養投与経路の変更

4章C6 がん悪液質.pdf

4章C-6. 悪液質

食事摂取量低下の中でも改善の難しい「がん悪液質」について改めて学び、対応方法を考えましょう。
【内容】
・がん悪液質の病態・分類
・栄養療法、運動療法、薬物療法(アナモレリン、六君子湯、ステロイド)、コミュニケーション

【確認クイズ:消化器症状】

理解度確認のためのクイズです。全問正解を目指しましょう!(下記リンクを押すとGoogleフォームが開きます)

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