能楽学会
設立の趣意
(能楽学会規約)
(能楽学会規約)
能楽(能・狂言)は、吉田東伍博士による世阿弥能楽論書の発見以来、百年近い研究の歴史があり、この間、主に国文学の分野において、高度な展開を遂げて参りました。しかしながら、ここ30年ほどのうちに、歴史的研究や技法研究、演出史研究などが急激に進展し、従来の正統的な国文学の方法の他に、新しい研究方法が求められる時代となっております。このように研究が多様化した反面、能楽研究という分野において、これを総合的に把握し、客観的に評価するための公的な機関は、いまだに存在しておりません。
そのために、若手研究者が自らの研究業績を発表しようとする場合、能楽にはそれらの受け皿となる、全国レベルでの公的な発表の機会がなく、他分野に比べ、結果的にきわめて不利な状況に置かれていることは、看過できない事実です。
またたとえば、技法・演出史研究が作品研究と不可分の関係で結びついた結果、従来の文学的研究の枠内にとどまらぬ見識が必要となる場合が、しばしば生じております。近年の復曲活動にも明らかなごとく、研究者間のみならず、舞台の現場に立つ役者の人たちとの研究的な交流の必要性が、従来にもまして増大しております。歴史学・演劇学・音楽学をはじめとする他の研究分野との交流については、いうまでもありません。
さらに近年においては、海外における能・狂言に対する評価のいっそうの高まりを受けて、在外の研究者による能楽研究も順調な発展を遂げつつあります。にもかかわらず海外の研究者との交流は、現在のところ私的なものに限られており、公的な場における研究交流の必要性は、いまや世界各国の研究者からも指摘されている状況です。
このような現状に鑑みて、私どもは、学派や所属分野の相違を越えた幅広い人材を結集して、新たに「能楽学会」を結成しようと決意した次第です。初年度(2002年度)の活動内容は、6月29日(土)・30日(日)総会ならびに大会(第一日・総会と講演もしくはシンポジウム、第二日・研究発表 於早稲田大学)、8月8日世阿弥忌研究セミナー(於奈良県経済倶楽部ビル)、3月紀要第1号発行を予定しております。また事務局は、野上記念法政大学能楽研究所内に設置いたします。
(学会事務局は諸般の事情により早稲田大学演劇博物館に置かれ、後に法政大学能楽研究所に移転した)
〈能楽学会設立発起人〉
青木孝夫・*天野文雄・*石井倫子・*伊藤正義・伊藤洋・*稲田秀雄・内山美樹子・江島弘志・エリカ デ ポーター・*大谷節子・小田幸子・*落合博志・*表章・*表きよし・片桐登・カレン ブラゼル・観世清和・喜多六平太・*樹下文隆・久保田淳・*小林健二・後藤淑・小西甚一・小林責・小林保治・金剛永謹・金春信高・*重田みち・島津忠夫・*関屋俊彦・*高桑いづみ・高橋康也・*田口和夫・*竹本幹夫・田代慶一郎・田中允・徳江元正・中村格・*西野春雄・*西村聡・*橋本朝生・*羽田昶・服部幸雄・林和利・檜常正・福島和夫・福田秀一・*藤岡道子・宝生英照・*松岡心平・丸岡圭一・*三宅晶子・毛利三彌・八嶌正治・山崎正和・山崎有一郎・山路興造・山下宏明・*山中玲子・横道萬里雄・リチャード エマート・渡辺守章 (*印は準備委員)
第一条(名称)
本学会は「能楽学会」(The Association for Noh and Kyogen Studies)と称する。
第二条(目的)
本学会は能楽(能と狂言)についての研究を推進し、あわせて他の関連諸団体とも連携しつつ能楽の振興発展をはかる。
第三条(事業)
本学会は第二条に定める目的を遂行するために、次の事業を行う。
(1)研究発表会・研究会・シンポジウム・講演会等の開催。
(2)学会誌の発行。
(3)研究あるいは普及のための能・狂言の上演。
(4)その他、本学会の目的遂行のために必要な事業。
第四条(会員)
本学会の会員は第二条に定める目的に賛同して入会した者とする。会員は普通会員・学生会員・賛助会員の三種とする。普通会員・学生会員は本学会の活動に直接かかわる会員、賛助会員は主として本学会の活動を後援しようとする会員とし、会員はすべて第三条に定める各種の事業に参加することができる。ただし本学会の役員選出にかかわる選挙権および被選挙権は、普通会員・学生会員に付与されるものとする。また、本学会に入会を希望する者は所定の入会申込書に会費をそえて本学会事務局に申し込まなければならない。
第五条(運営組織)
本学会の運営は常任委員会と運営委員会によって行われる。常任委員会は会員中より選出された十五名程度の委員で構成され、諸会務の統括にあたる。運営委員会は、それぞれ複数の常任委員で構成される「総務」「企画」「広報」「編集」の各委員会とし、諸会務の遂行にあたる。常任委員は原則としていずれかの運営委員会の構成員となるものとする。また、各運営委員会は必要があれば会員中より運営実行委員を委嘱することができる。
第六条(役員)
本学会の役員は、代表(一名)、常任委員(十五名程度)、会計監査(二名)、運営実行委員(若干名)とし、任期はいずれも二年とする。ただし、再任は妨げない。また、代表は常任委員の互選により選出することとし、常任委員および会計監査は別に定める「能楽学会役員選出規定」によって選出することとする。
第七条(総会)
本学会の総会は原則として年一回開催し、事業計画・事業報告・予算案・決算報告・役員の任免・規約の変更・規程の変更など、本学会のすべての活動について審議し、これを決定する。総会での議事は出席会員の過半数の賛成をもって決する。
〔付則〕
1 会費はつぎのとおりとする。
(1)普通会員年額 五千円
(2)学生会員年額 三千円
(3)賛助会員年額 三万円(一口)
2 本学会の事業・会計年度は毎年三月一日に始まり二月末日に終わるものとする。
3 本学会の事務局は野上記念法政大学能楽研究所に置く。
4 本規約は二〇〇二年六月二九日より発効する。
・二〇一九年一〇月一九日、一部改正施行。
・二〇二二年三月一二日、一部改正施行。
〔第一条〕
この役員選出規程は能楽学会規約第六条にもとづいて、役員(常任委員・会計監査)選出の方法や手続きについて定めるものである。
〔第二条〕
常任委員のうち、十名は選挙によって選出し、残る若干名は選出された委員の合議によって選出する。
〔第三条〕
常任委員の選挙はすべての普通会員・学生会員を候補者として十名連記投票で行い、得票数の上位十名を当選者とする。また、会計監査の選挙はすべての普通会員・学生会員を候補者として二名連記投票で行い、得票数の上位二名を当選者とする。
〔第四条〕
開票は「総務」担当の常任委員が行い、それに代表が指名する常任委員以外の会員二名が立ち会うこととする。
〔付則〕
この規程は二〇〇二年六月二九日より発効する。
〔第一条〕
この規程は能楽学会規約第四条にいう学生会員の資格について定めるものである。
〔第二条〕
本学会の学生会員となることができる者は以下のとおりとする。
1 大学院の博士前期課程(修士課程)あるいは博士後期課程(博士課程)に在籍中の者。
2 大学院の博士前期課程(修士課程)あるいは博士後期課程(博士課程)を修了して、研究生もしくは研究生に準ずる学生として大学院に在籍している者。
3 大学を卒業して研究生あるいは研究生に準ずる学生として大学に在籍している者。
〔第三条〕
学生会員は第二条に定める身分に変動が生じたときは、その資格を失う。また、学生会員は年度のはじめごとにその資格の有無を学会事務局に報告しなければならない。ただし、年度途中で資格に変動があった場合、その年度中は学生会員としての資格を有するものとする。
〔第四条〕
学生会員の会費は能楽学会規約の付則に定めるとおりとする。
〔付則〕
この規程は二〇〇二年六月二九日より発効する。