研究方法の特徴

ピコ秒時間分解蛍光分光

時間相関単一光子計数法(TCSPC)を用いたピコ秒スケールの蛍光寿命測定装置を自前で組み立て、試料の蛍光減衰曲線を測定しています。また、その解析方法についても開発しています。

芳香族ウレア化合物の合成と精製

測定に使っている試料は担当するメンバーが各自合成し、精製しています。蛍光分光法は非常に感度が高い計測法であるため、試料の精製には手間を惜しみません。結晶化する試料もありますが、結晶化しない場合にはデカンテーションによって精製しています。試料の純度については、1H NMR と元素分析だけではなく、さらに高感度な蛍光スペクトルを使って純度を確認しています。蛍光スペクトルおよび蛍光励起スペクトルに、それぞれ励起波長依存性と観測波長依存性がなくなるまで、精製を行います。さらに蛍光寿命を測定し、蛍光種が一つだけであること(蛍光減衰曲線が単一指数関数)を確認しています。

論文の書き方の指導

行った研究を論文として発表して公開することは、さらなる研究の発展につながります。そこで、論文を作成する方法について丁寧に指導し、各メンバーが自分の研究成果をまとめ上げることを通じて、方法を身につけていきます。特に、文章を書くことが苦手な人に対して、地道に指導しています。こちらに論文原稿の書き方ついての解説があります。

共同研究

蛍光寿命測定を必要とする他大学の研究者と共同研究を行っています。過去にも特徴のある試料の蛍光寿命を測定してきましたが、ここ数年では平川先生(静岡大学)、岡本先生(岡山大学)そして安倍先生(広島大学)の試料についての測定を行いました。蛍光寿命に興味や関心がある方は、メールでお問い合わせください。原理の説明から結果の解釈、そして試料の調製方法などの細かいところまで、相談にのります。