論文に図を投稿するとき、TIFF形式を使うと高解像度の図を扱うことができます。Windowsの場合、有償のAcrobat readerを使うと簡単に変換することができますが、ここでは、CubePDF Utility、GhostscriptあるいはImageMagickを使って変換する方法を紹介します。すべて無償です。
論文に図を投稿するとき、TIFF形式を使うと高解像度の図を扱うことができます。Windowsの場合、有償のAcrobat readerを使うと簡単に変換することができますが、ここでは、CubePDF Utility、GhostscriptあるいはImageMagickを使って変換する方法を紹介します。すべて無償です。
パワーポイント原稿では、あまり高い品質にするとファイルサイズが大きくなるという問題が出てきます。この場合、PDFをPNG形式に変換すると、軽量で見栄えがよい画像となります。例えば、CubePDF Utilityを使うと変換が可能です。抽出>詳細を設定して抽出でファイルタイプをPNGにして、解像度を300 dpi以上にすると、高解像度ながらサイズの小さいPNGファイルとなります。PNGは可逆圧縮形式ですので、Windowsに付属している「ペイント」で読み込めば、可逆圧縮TIFFへの変換が可能です。
最初に出力ファイルを指定し、つぎにファイルタイプをPNGにします。この画面では、300 dpiに設定しています。
自分のライセンスとPC環境に適したGhostscriptを、つぎのURLからダウンロードしてインストールします。
https://www.ghostscript.com/releases/gsdnld.html
まずユーザー(Aroma)のホームディレクトリを開くための操作を行います。
ファイルエクスプローラーを開きます。(Windowsキーを押しながらEを押す。)
アドレスバーに表示されている「クイック アクセス」のところをマウスでクリックして、反転表示させます。
反転しているところに、%userprofile%と入力してエンターキーを押します。コピー&ペーストすると簡単です。
そうしますと、ログインしているユーザー(この場合はAroma)のホームディレクトリに移動できます。ホームディレクトリをクイックアクセスの下にピン留めしておくと便利です。
左下の検索窓にcmdと入力すると、コマンドプロンプトが出てきます。エンターキーを押して、コマンドプロンプトを開きます。
コマンドプロンプトの操作画面
C:\Users\Aroma>gswin64c -o output.tiff -sDEVICE=tiff24nc -r300 input.pdf
GPL Ghostscript 10.01.2 (2023-06-21)
Copyright (C) 2023 Artifex Software, Inc. All rights reserved.
This software is supplied under the GNU AGPLv3 and comes with NO WARRANTY:
see the file COPYING for details.
Processing pages 1 through 1.
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C:\Users\Aroma>
1)変換操作をする前に、ファイル名についての注意事項があります。ファイル名はアルファベットと数字にしてください。そしてそのファイルをホームディレクトリに前もってコピーしておきます。
2)コマンドプロンプトに次のように入力します(Windows 64 bit版の場合)。(操作画面の最上段参照)
gswin64c -o output.tiff -sDEVICE=tiff24nc -r300 input.pdf
ここで、入力ファイル名をinput.pdf、出力ファイル名をoutput.tiffとし、変換条件を、24bit RGBカラー、解像度は300 dpiにしてあります。必要に応じて解像度(dpi)を変更してください。
3)変換されたTIFFファイル(output.tiff)は、ホームディレクトリに作成されます。同じファイル名で出力すると、後から作られたファイルによって上書きされるので、ファイル名の扱いには注意が必要です。
グレースケールに変換する場合には、次のコマンドを実行します。
gswin64c -o output.tiff -sDEVICE=tiffgray -r300 input.pdf
コマンドオプションについての詳しい説明は、次のURLを参照してください。
https://ghostscript.readthedocs.io/en/latest/Devices.html
自分のライセンスとPC環境に適したImageMagickを、つぎのURLからダウンロードしてインストールします。
https://imagemagick.org/script/download.php
作業環境は、GhostScriptと同じであることを前提としています。
コマンドプロンプトの操作画面
C:\Users\Aroma>magick -version
Version: ImageMagick 7.1.1-43 Q16-HDRI x64 a2d96f4:20241222 https://imagemagick.org
Copyright: (C) 1999 ImageMagick Studio LLC
License: https://imagemagick.org/script/license.php
Features: Channel-masks(64-bit) Cipher DPC HDRI Modules OpenCL OpenMP(2.0)
Delegates (built-in): bzlib cairo flif freetype gslib heic jng jp2 jpeg jxl lcms lqr lzma openexr pangocairo png ps raqm raw rsvg tiff webp xml zip zlib
Compiler: Visual Studio 2022 (194234435)
C:\Users\Aroma>magick -density 300 input.pdf output.tiff
C:\Users\Aroma>
1)変換操作をする前に、ファイル名についての注意事項があります。ファイル名はアルファベットと数字にしてください。そしてそのファイルをホームディレクトリに前もってコピーしておきます。
2)インストールが正常に行われたか確認するために、コマンドプロンプトに次のように入力します。(赤色のコマンド)
magick -version
正常にインストールできていれば、Versionから始まる出力が表示されます。
3)変換を実行するためには、つぎのコマンドを入力します。
magick -density 300 input.pdf output.tiff
ここで、入力ファイル名をinput.pdf、出力ファイル名をoutput.tiffとし、変換条件を、解像度は300 dpiにしてあります。必要に応じて解像度(dpi)を変更してください。GhostScriptとは異なり、指定をしなくてもカラーで変換されます。
4)変換されたTIFFファイル(output.tiff)は、ホームディレクトリに作成されます。同じファイル名で出力すると、後から作られたファイルによって上書きされるので、ファイル名の扱いには注意が必要です。