ディレクターからのメッセージ

はじめに

映像ディレクターの久保理茎(くぼ りけい)ともうします。

熊本の被災地・西原村へ、宮崎市から妻の実家の軽トラを借りてトコトコ通い撮影をつづけてきました。

あの日、突然住む家を失い、大切な家族を奪われた方々がいます。

住みなれた土地への愛着と、活断層への恐怖とのはざまで、どうやって地域再生へむかっていくのか、苦悩するみなさんの姿から、多くを学んでおります。

巨大地震がいつどこで起きてもおかしくない、この国。

「わがこと」として胸に刻みながら取材を重ねてきました。


<百年後に語り継ぐために、震災の記録映画を作り、被災地「西原村」に譲渡する>

震災直後「ドローン撮影」をされた広島大学 貞森拓磨氏(救急医療の専門家)は、当時、村に着くやいなや副村長から熱く熱く「百年後に語り継ぐために 撮ってください!」と要望され、エアショットを2週間撮り続けました。

その貴重な記録映像も映画で使わせて頂きました。

再び立ち上がろうとする村のことを、広く知ってもらうために、これから村に生まれてくる子どもたちのために、将来にわたり「自由に」上映会やDVD配布などを行ってもらうことを目的としています。


<西原村ってどんなところ?>

人口およそ7000人。熊本県西原村(にしはらむら)は、熊本空港のすぐ近くにあり、世界的な観光地・阿蘇の入口に位置し、2015年には「日本一競争力のあるまち(市町村)」として日経新聞で紹介されるなど、日本有数の「元気な村」として知られつつありました

ところが、2016年4月の激震におそわれ、村の建物の6割近くが「全半壊」。7000人の村民のうち4000人が避難。5人が直接の被害者となり、1200人を超える方々が住む家を失いました(村民の6人にひとり)。2018年初春の時点でも、1100人を超える村人が仮住まいを余儀なくされています。

熊本の小さな村「西原村」で起きたこと、そして今も日々起きている困難は、決してひとごとではありません。千年に一度といわれる大災害でした。通常経験しようがない重い課題に直面し、もがきながら乗り越えようとする村人の姿を見つめること。きっとそれは、観る人を変える力をもつ!と信じます。

<「鎖のひとつ」に>

そもそも、西原村でカメラを回し始めたのは、2016年の暮れでした。はじめは役場の震災復興推進室(その後「課」に昇格)の職員の方々の協力を得て、撮影を開始しました。

そして、布田(ふた)や大切畑(おおおぎりはた)といった、壊滅的被害をうけた地区のみなさんも撮影に協力していただけるようになりました。

みなさんの、ポツリポツリ語ってくださる言葉や、逆に言葉にできない時のシジマには、とにかく何かを伝えたい、知ってもらいたい、という熱い思いがあふれていました。

私が映像の仕事を始めた1991年の雲仙普賢岳の噴火以来、1995年の阪神・淡路大震災、2004年中越など、各地で長年経験したことのなかった異変が起き、2011年の東北、そして2016年熊本とつづいています。列島にすむ、すべての人が当事者となる可能性があるということを、つくづくおもっております。

彼我の差をこえて、各被災地への支援の輪をつなげていくための、「鎖のひとつ」に、この作品がなればと願っています。

2018/02/27

クラウドファンディング募集期間終了に際して

みなさまの、あたたかいご支援に、心から感謝もうしあげます!

ドキュメンタリー映画『西原村』プロジェクトをご支援くださったみなさん、ありがとうございました!

なんと、165組の方々に、力強い支援をいただきました。キャンプファイアのサイトの内外から、さらに直接・間接の応援も日々いただいておりました!心の底から、御礼もうしあげます。

まったく未知の経験である、クラウドファンドを利用した取り組みで、右も左もわからない所を、たまたま出会った「キャンプファイア×宮崎」を運営されている方からご教授いただき、その前後に、尊敬する先輩たちや、同級生たち、元同僚たち、西原村の方々に背中をおされ、「やってみるしかない」ということで、見切り発車しました。

村のご出身のかた、熊本にゆかりのかた、村の復興計画づくりをされる企業のかた、そして直接復興に携わる建設業界の方々、さらには、熊本にボランティアに来てその後をずっと気遣いつづけておられる方々・・・

全国から、被災地を応援してくださっている方々・・・

九州各地のラジオ・テレビ・新聞さらに、ゲームや映画・娯楽産業にわたり、幅広いメディア関係者のみなさん、そのほか、多岐にわたる方面からも、私以上に熱のある応援をいただきました。

ほんとうにこの気持ち、言葉になりません。

ただただ、『西原村』をできるかぎり、広く長く、知ってもらうためという唯一の目的にむかって、いただいた浄財とあたたかいこころを、大切に使わせていただきます。

みなさまは、同じ志をもった大切な仲間です。

これからも応援おねがいもうしあげます!まずは、御礼まで。

2018/05/19

映画『西原村』まもなく初上映となります

ドキュメンタリー映画『西原村』の初上映が1週間後(7/20金@西原村)となりました。

ただただ、各地で地震・豪雨など災害がつづく昨今、ずっと胸がいたんでおります。

熊本地震の被災地『西原村』を、記録映画をつくって(側面から)支援しよう!というこのプロジェクト。全国の有志200組の資金支援により、本編仕上げがすみ、上映のはこびとなりました。

この小さな作品が、おつらい日々をすごされておられる被災地の方々(復興に向かう方々)にとっても、将来なにかの役に立つことを祈って、日々動いております。

この作品は、著作権ごと西原村に譲渡させていただきます。(広く長く、村のことをしってもらう目的のために)

7/20金(18時半開場)の上映後、日置和彦村長に作品(譲渡)目録をお渡しします。

みなさまの温かいおこころざしに、あらためて心から感謝もうしあげます!そして被災地のみなさまが、一日でもはやく、ご自宅に戻れる日を祈って…

2018/07/13

※2018年6月28日から7月8日頃にかけて、西日本を中心に北海道や中部地方など広い範囲で記録された、台風7号および梅雨前線等の影響による集中豪雨で、全国各地に大きな被害が発生していた。(平成30年7月豪雨)

西原村で初上映できました!感謝!!

映画『西原村』初上映会(7/20-21)無事終了いたしましたこと、報告もうしあげます。

まず、ボランティアで参加くださった運営スタッフのみなさまに心から、感謝もうしあげます。

熊大チーム:新留琢郎さん・萩原浩太郎さん・岡澤祐輝さん・古閑雄貴さん・吉良寛子さん・西田翠さん・新留千晴さん。松本千和さんチーム:井芹美穂さん・杉本幸智世さん・高岡尚代さん・田中文子さん。水流昌彦さんチーム:山本章子さん。シルバー人材センターのいかりさま・えのきださま。役場の堀田隆二さん・山下幸之助さん・宮田基弘さん・佐々木康彦さん・内田安弘さん・村長の日置和彦さん、そのほかいろんな方々に、とっても助けていただきました。

取材も熊日さん、RKKさん、TKUさん、NHK熊本さん、NHKワールド(短波ラジオ)さん、KKTさん、FM熊本さん、たくさん来てくださいました。

バタバタするなか、すべての機材を操ってくださった備瀬雅史さん、舞台を華やがせた、ギター・たつのすけさん、劇伴担当・種子田博邦さん、題字を書かれた松永壮さん、司会の塚原まきこさん。

そして、熱心に鑑賞くださり、熱いメッセージをくださった村民のみなさま、熊本県のみなさま。

九州各地からの方々、中には、東京から日帰り飛行機でかけつけてくださったDさん。(西原は空港にめちゃ近い村です)

全国から当プロジェクトをご支援くださった200組のみなさま。

ありがとうございました!

見切り発車でうごきはじめたプロジェクト、一人ではなにもできないことを痛感しました。その後気づけばふえてゆく、たくさんの人のあたたかい気持ちが、「被災地・西原村のことを、広く長くしってもらう」というプロジェクトの目的を、あとおししてくださっていることを実感します。

駆けつけようとされていた広島大ドローンチームの貞森拓磨さん。広島の水害の影響で、直前に来場を断念されました。度重なる被災に、心をいためております。スタッフ一同、現地の復興を祈っております。

みなさんが、同じ志をもった仲間だとヒシヒシと感じています。

産声をあげたばかりの作品ですが、みなさんで育てていただき、西原村を伝えるツールとして厚みを加えながら使っていただけたら本望です。

◎上映会実施日 :7/20(金) - 21(土)(2日間で5回上映)

◎会場:西原村構造改善センター(元避難所)

◎入場者数:313人(初回122人/2回目35人/3回目36人/4回目49人/最終回71人)

◎村への寄付金:合計¥27,750-

以上報告と御礼まで。

2018/07/25

熊本市「Denkikan」さんで無事上映できました!

このプロジェクトのために共に立ち上がってくれた同志・松本千和氏とも、「10人でも来てくだされば有難い…」とおもっていました。

なんとほぼ2回とも満席で、254名のお客様にめぐまれました(泣)!寄付金総額は16万700円に達しました。かごしまフィルムオフィスさんや、各団体・個人の方から入場料と「別枠」での寄付もいただきました。感謝!

(そして村での上映から、累計567名さまに、届けることができました)

ご支援いただいた全国の皆様、村の皆様、製作・仕上げに携わってくださったスタッフ、劇場スタッフの皆様、劇場に駆けつけてくださった方々、このプロジェクトのことを取り上げてくださったメディアの皆様、本当にありがとうございました!!!

あの熊本地震から2年。「立ち上がる村人たちの姿を、もっと広く長く知っていただきたく」 これからも上映されたいと言ってくださる方々と一緒にがんばります。


デンキカンさんでの上映:手弁当で駆けつけてくれた田平博幸さん(プロダクション オレンジ代表)、新留琢郎くん、木下琴音さん、高岡尚代さん、塚原まきこさん、杉本幸智世さん、麻生純一さん…!

劇場主・窪寺洋一さん、劇場スタッフの皆様に感謝!

そして松本千和さん、誕生日も脇に置いて、心血そそいでくださり、申し訳ないぐらい、ありがとう。

福岡市、大牟田市、山鹿市、水俣市、鹿児島市、遠くは名古屋のかたも観に来てくださいました。

大雨、地震…災害がいまも続いていて、胸がいたみます。

どうか、この作品が、苦しい時こそ、人は孤独ではなく、自分を育んだふるさとや、仲間に、ボランティアの人に、ときに見ず知らずの人にも…

助けられるし助け合うし、いつも気遣われているし気遣う側にもまわるし、というあたたかい循環が、そこにあることを、伝えるツールになるように、各地でバトンをわたしてまいります。

現に、多くの方にこのプロジェクト、助けられています。ありがとうございます!


◎上映会実施日 :8/2(木) - 3(金)(各日1回上映)

◎会場:熊本市新市街 Denkikan スクリーン2(140席)

◎入場者数:254名(初回129人/ 最終回125人)

◎村への寄付金:合計¥160,700-(チケット売上含む)


2018/8/6