学習障害(LD:Learning Disability)とは、全般的に知的発達に遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学習上、様々な困難に直面している状態をいいます。
文部科学省サイト「(8)学習障害」より引用
発達障害者支援法をベースに整理すると、「脳機能の障害」には「発達障害」があり、それに「学習障害」が含まれる、となります。
発達障害者支援法第二条
この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
<補足情報>
学習障害(LD)の示す困難のほとんどは、医学的な診断名の世界では「限局性学習症(SLD:Specific Learning Disorder)」へと名称を変えています(※)。ですが本サイトでは文部科学省の取り扱いに準じ、引き続きLDという用語を使用していきます。
(※)「限局性学習症の可能性のある児童生徒の学習困難に影響を与える要因モデルの検証―通常の学級に在籍する小中学生を対象にした評価と構造方程式モデル分析を中心に―」 Jpn. J. Learn. Disabilit., 2019, 28(4), 484-493.
令和4年の文部科学省の調査(下表)では、3.5%という数字が出ています。クラスに1〜2人いる感じですね。
ただし、これは他言語の調査結果と比較すると低い数値である点、調査に回答したのは「学級担任等」である点(子供本人や医師等ではない)には留意が必要だと感じます。また、この数字は「著しい困難」を示す数値であり、「困っている子」だともっと多くなるだろうとも思います。
練馬区社会福祉協議会の「発達性読み書き障害早わかりガイド」では、「発達性読み書き障害の子は8%、1クラスに3人程度」という数字が示されています。
2018年渋谷区で通常学級小3~中2の4184名について行われた調査では、「学年・教科によるが、2.5~10.6%の子が困難を抱えている」との推定がなされたとのこと(渋谷区議会議員・鈴木けんぽう氏の公式Webサイト「学習のつまずきの原因について~渋谷区の調査結果より~」
練馬区の児童数は33240人(令和4年5月1日時点)ですので、これの3.5%となると1163.4人。8%だと2659.2人。
これだけの児童が、困難を抱えています。
経験則に頼らずに、困難さを抱えた子供をどう見つけるのか。客観的なアセスメントに基づいたスクリーニングが重要。見つけないと救えない。
そして当然、見つけただけでは意味がなく、継続的な支援が必要。
ちょっと量が増えたので、別ページを作成しています。
困っている子供を支援するのは、大人の役割。
復数の専門家に見守られ、支援を受けられる体制の構築することが理想です。
現時点でまだまだ保護者が動き回らなくてはこの体制は作れませんので、その一助となればと情報を収集しています。
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