公立の小中学校での「1人1台端末」環境の整備は、当初の計画では2023年度が目標でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により20年度に前倒しとなりました。
2021年7月時点で全国の公立の小学校等の96.1%、中学校等の96.5%が、「全学年」または「一部の学年」で端末の利活用を開始。
学習者用端末のOSとしては、Chrome端末が約4割のシェアを占めています。
(出典:文部科学省「GIGAスクール構想に関する各種調査の結果」(2021年8月))
ICT普及状況については、文部科学省サイトの「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」ページにて調査結果が見られる。
令和3年度文部科学省補正予算事業別資料集に示されている課題と対応策
運用に地域差がある、ネットワーク回線が遅い、教師に設定等の負担が集中
学校への支援をワンストップで担う「GIGAスクール運営支援センター」を各都道府県等に緊急整備
指導者用端末などが未整備・古い、遠隔授業実施環境が不十分
教師にも1人1台端末を整備するとともに、高機能なカメラやマイク、大型提示装置など遠隔授業実施環境の高度化の支援
デジタル教科書の導入が不十分
全ての小中学校等でデジタル教科書の活用を可能にする
デジタル教科書や連携するデジタル教材等がよりスムーズに活用できるよう、 実際の使用状況を踏まえた課題解決や配信方法等の検証
事務連絡が出されている。
”非常時にあっても児童生徒等の学びを止めないという観点から、積極的に取り組んでいただくようお願いします”(令和4年1月12日「やむを得ず学校に登校できない児童生徒等への ICT を活用した学習指導等について」)
不登校児童生徒が自宅等においてICT等を活用した学習を行った場合の出席扱いについてはこちらに記載があった。
文部科学省サイト Q&A(学校設置者・学校関係者の皆様へ)
問1 感染不安を理由に休ませたいと相談があった場合の出席停止等の取扱いや、不登校児童生徒が自宅等においてICT等を活用した学習を行った場合の出席扱いについて、どのような点に留意すればよいか。
CBT:Computer Based Testingは採点や集計が楽になり、出題形式も多様になり、特別な配慮への対応が容易となるメリットが有り、LDっ子の保護者として、一刻も早く展開してほしいと思っている技術です。
問題点としては、インフラ整備コスト(GIGAのスクール構想で一気に加速したが、情報環境維持にもコストがかかる点、大規模調査での全員への安定的提供が難しい点に課題が残る)、学力以外の機器操作能力の影響が指摘されています。
文部科学省のサイトに掲載(令和3年7月16日)
”GIGAスクール構想の推進やPISA等の国際学力調査のCBTによる実施の流れなどを踏まえ、全国学力・学習状況調査のCBT化に向け、関係分野の専門家(教育測定学、教育社会学、教科指導、特別支援教育等)により、専門的・技術的観点から検討。”
令和3年度以降、段階的にCBT化
”全国学力・学習状況調査のCBTは、令和6年度予定の経年調査から順次導入。(※)経年調査と同時期を目途に児童生徒質問紙調査はオンラインによる回答方式を全面導入。”
”悉皆調査の教科調査は、令和7年度以降できるだけ速やかに中学校から先行導入し、それ以降、できるだけ速やかに小学校に導入。(※)
(※)PBT:Paper Based Testing紙筆テストと経過的に併用
児童生徒が学校や家庭において、国や地方自治体等の公的機関等が作成した問題を活用し、オンライン上で学習やアセスメントができる公的CBT(Computer Based Testing)プラットフォーム
児童生徒は学習e-ポータルを窓口としてメクビットにアクセス。
学習e-ポータル事業者例:L-Gate(内田洋行)、OPE(日本電気)、学びポケット(NTTコミュニケーション)、Studyplus for School(スタディプラス)
2022年3月には文部科学省から下記のような通知が出されています。
親の会やSNS等では度々、「貸与GIGA端末に使用したいツールの導入が許されなかったが、インストールした自前の機器の持ち込みならOKが出たから、学校では2台持ち」という話を聞くが、この通知を見る限り、本来なら自前の機器の持ち込みのほうがハードルは高そう。
”児童生徒が所有する ICT 端末を学校に持参して利用する場合(BYOD:Bring Your Own Device)には、「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」2を参考にしつつ、自治体が整備する端末の環境と同等のセキュリティ対策を講じる必要があることに留意すること。”(令和4年3月3日文科初第2265号「GIGA スクール構想の下で整備された学校における1人1台端末等の ICT 環境の活用に関する方針」)