湧き出る疑問の数々…
合意形成、過小規模校、改築に課題、子どもの声、声どもたちへの影響、防災、地域の衰退、小中一貫校、自転車通学、コミュニティ・スクール、検討委員会のメンバーなど、たくさんの問題点があります。
合意形成ができていない!
地域関係者を誰一人入れず、説明会もせず、作られた素案です
文部科学省の方針では「学校統廃合にあたっては地域合意を基本とする」となっています。
通常、地域代表、保護者代表、公募委員、学識経験者、保育園・幼稚園代表などで構成し、検討します。さらに、保護者説明会や地域説明会などを開き、合意形成をしてから素案ができるはずです。今回、旭町地域の学校校長やPTA、保護者、町会関係者など誰一人入らず、何の説明会もされず、この素案が作られています。ですので、全く合意形成していないことは非常に問題です。統廃合を進めるための準備会ではなく、統廃合の決定ではない合意形成のための検討する場を設けるべきです。
こじつけにすぎない過小規模校
11学級以下はダメなの?
学校教育法施行規則で12~18学級を「標準」と便宜上定めたものであり、子どもの「教育的効果」と関係ありません。
選定基準の1つとして、適正規模をあげていますが、文部科学省の「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引き」では「単学級以下校(中学校で3学級以下)の統廃合の適否を速やかに検討する」としており、小規模だから適正配置で統廃合しなさいとは言い切っていません。地域事情を配慮しながら、小規模校として残す方法も記載しています。その点においても、検討会議では検討されていません。
適正規模の基準も学校教育法施行規則では、小中学校の「12~18学級」を「標準」と便宜上定めたものであり、子どもの「教育的効果」と関係するものではありません。あくまで「標準」であって、それだけの学級数がなければいけないという数字でもありません。
練馬区は11学級以下を「過小規模校」としていますが、全国の中学校では約6割、練馬区内でも約4割の学校が該当します。
また学級数が問題になるのであれば、令和8年度は、日本の中学校で1学級35人になりますが、今後、OECD加盟国の平均学級数で1学級23人(2024年)に近づければ、学級数は増えます。
※(参考)OECD加盟国の平均は中学校で1学級23人(2024年)
日本の公立学校の学級規模は、中学校は32人で、学級規模は世界最大。スウェーデンとアメリカは22人、デンマークは21人、フィンランドは19人。
改築に課題があるから存続不可能⁉
机上の計算と手計算だけでまさに「机上の空論」
学校統廃合で運動場の面積を選定基準にしている自治体はありません。練馬区独自の基準です。
「運動場面積が確保できない可能性がある」とありますが、3月22日の教育委員会の説明会では「机上の計算と手計算で面積が減る可能性がある」とのことでした。専門家が具体的に調査をし、工夫しても運動場面積が確保できないと言われたわけではありません。
また、「学校の改築時期が迫り、長寿命化改修も不適である」と言われていますが、建替えればいいだけです。
子どもの声を聞いていない!
子どもたちのパブリックコメント16名。形式だけ?
不十分です。もっと丁寧に子どもたちに意見をきく必要があります。
★子どもの権利条約
子どもには自分の思いや願いを自由に出しながら大きくなる権利があり、大人には、子どもの思いや願いを受け止め、真剣に向き合う義務があると定められています。
★意見表明権
子どもの権利条約第12条。子どもは自分と関係のあることについて、自分の思うことや、こうしてほしいなという願い、疑問に感じることについて、意見として自由に表明することができます。そのことに関係する大人は、その意見を丁寧に聞いてきちんと応える義務があります。
★こども基本法
日本では子どもの権利条約を具体化するために、2022年にこども基本法という法律をつくりました。
その第11条、医療、福祉、教育など子どもにかかわる大事なことを決めるときには、子どもの意見を大人が聞かなければならないとしています。
子どもたちへの影響を軽く見ている!
子どもたちに寄り添えている?
他自治体では、統廃合後、学級崩壊とか不登校が増えたところもあります。
仮に吸収・合併で統合された場合、豊渓中の子たちは学校、校名、校歌、校章、制服、伝統、すべて失います。
少人数学級がよくて、豊渓中を選んで通っている子もいます。ですが、教育委員会は少人数学級のデメリットのみを挙げ、統廃合計画を策定しました。子どもたちの気持ちに寄り添えているのでしょうか?
通常、統廃合する場合は、どちらの学校も壊し、両校と中間の距離で新しく校舎を建てます。さらに、校名、校歌、校章、制服、すべてなくして、一から作るよう、対等・平等にします。どちらかの学校だけを廃校にして吸収合併すると、吸収される側の子どもたちは、自分の行く中学校がなくなってしまったという劣等感を抱いたり、お客様という感じになったりする可能性があります。
また他自治体では統廃合後、学級崩壊とか不登校が増えるなども実際に起きているそうです。校風の違う学校同士の統廃合です。慎重に検討するべきですが、適正規模・適正配置検討委員会では子どもたちへの影響は深く議論されず、素案が策定されました(参考1)。
先生たちも、子どもたち一人ひとりに向き合えるのでしょうか?
日本は少子化ですが、昨年、不登校や子どもの自殺が過去最多となりました。豊渓中はどうなのでしょうか?統廃合によって、不登校や登校しぶりをする子が増える可能性もありますが、検討委員会では議論されていません。豊渓中の少人数学級、地域から見守られる学校が残ることで、そのような子も安心して通えるのではないでしょうか?
(参考1)令和5、6年度 練馬区立学校の適正規模・適正配置検討委員会 要点記録(議事録)より
防災と旭町地域の衰退を考えていない!
区民防災課など関連部署と相談せず、統廃合素案を策定
地域に学校がなければ子育て世帯が減り、高齢化地域になる恐れがあります。
豊渓中学校は旭町3丁目の避難拠点です。豊渓中の体育館は残すとのことですが、妊婦さんや配慮の必要な方は校舎を使う必要があります。また、危機管理室や区民防災課も統廃合計画を知らず、調整もされていないことが分かりました。教育委員会は統廃合を進めることしか考えていません。地域住民の命に関わることなのに、無責任です。
また、地域から中学校がなくなってしまうと、子育て世帯が減り、高齢化地域になる可能性があります。防災の面でも、いざという時にどうするのか、高齢者だけで助け合うようになってしまうのではないでしょうか?統廃合問題は地域全体の問題です。
小中一貫校は不可
練馬区独自の根拠のない「適正規模」により、「20年後の生徒数推計」で「1学級足りない」からできない⁉
自転車通学の許可
23区で初⁉ 旭町2丁目・3丁目だけ特別措置、安全面は?他地域から不平等と言われない⁉
コミュニティ・スクール
準備期間3年、開始1年目に統廃合計画(素案)の発表!
検討委員会のメンバー
令和5年度は12名中6名、令和6年度は14名中7名と、半数が教育委員会の課長など。自分で諮問して、自分で答申して、自分で決定。
計画(素案)にデメリットのみ記載
通常、メリットとデメリットを併記します。
20年後の人口推計
過去の推計では、はずれています。
説明会の情報
1回目の説明会の情報は光が丘第一中学校、四季の香小学校保護者にsigfyなどで通知せず。なぜでしょう?
検討委員会で議論された内容
「豊渓中」の名前が初めて出たのが令和6年9月の会議(素案が出される前の最後の会議)。会議議事録(要点記録)の3ページの中の2ページ目の最後。次のページで深い議論もされず、会議は終わります。その約3か月後、統廃合計画(素案)が発表されました。