上記の動画のような手順でUV展開をするわけですが、改めて、「なぜそうするのか」を整理しておきます。
UVが綺麗に展開出来ているか、テクスチャ上で見た時にどちらが上か、などをビューポート上で確認できるよう
チェック用のマテリアルを作成して割り当てます。
筆者は、模様が繰り返されておらず、格子状の各目に文字や矢印などテクスチャ内で上がどちらか判断できるようなテクスチャを推奨しています。
「自動」「平面」「円柱」など、Mayaに任せてざっくりとUVを展開させます。
どの選択肢がベストかは、対象オブジェクトの形状によります。
この段階では、綺麗に展開出来ていない箇所もあるので、手動で整理が必要な状態です。
Maya任せだと都合が悪い部分を手で修正していきます。では「都合が悪い部分」とはどんなところでしょうか?
キーワードは「柄が繋がっているべきかどうか」です。
まず、絵柄が繋がっているべき部分でUVが途切れていると後にテクスチャを描画する時に非常に不便です。
このような個所は、事前にUVをStetch で接続しておいた方が楽です。
逆に質感が分かれているところは、UVシェルが分かれていてくれた方がテクスチャの制作が楽になるので、
分割しておきたいところです。
また、非常に小さいフェースに関しては、精密にUVを開いておかなくてもよい場合があります。
工数を見ながら作業しましょう。
チェック用のテクスチャが変形していないか、サイズや向きが正しいかを確認しておくことで
後のテクスチャ作業の難易度が大幅に下がります。
碁盤が歪んでいたら、本番テクスチャでも絵柄は当然歪んでしまいます。
UVを個別に調整してなるべく正方形に見えるよう修正しておきましょう。
チェック用マテリアルの碁盤の目がだいたい同じサイズで見えるならば、
本番テクスチャに差し替えた際にも同様のディテールでテクスチャが表示されます。
木目のように、柄の向きをそろえた方がいい場合には、
チェックマテリアルの時点で向きを揃えて後の作業に備えます。
看板の文字のように、上下もそろえておいた方がいい場合には、碁盤の位置を揃えておくのもいいでしょう。
さらにUVの0-1の範囲にテクスチャを収めていきます。
この際、質感が同じパーツについてはまとまってくれていた方がテクスチャ作成が楽になります。
この場合は上半分に木目の部分を、下半分に金属部分のパーツが収まるようにパッキングしました。
またパーツがない部分はデッドスペース、テクスチャの無駄遣いになっています。
できるだけ隙間なく詰めた方が良いのですが、個別にスケールさせてしまうと
パーツごとに柄のサイズが変わってしまうことに注意してください。
鍵穴の部分など、解像度高くテクスチャを使いたい場合は、その部分だけパーツを大きくするのも手です。
もちろんテクスチャのサイズ感も違ってしまうことには注意してください。
UVシェルの隙間のことをパディングと言います。
テクスチャの端、UVシェルの隙間などをぴったりくっつけてしまうと
意図しない箇所のテクスチャが表示されてしまう可能性があるので少しだけ隙間を設けておきましょう。