過去設定

むかしばなし

幼馴染3人とひとりの軍人の過去に関わる。

**むかしの地理**


*古代アトランティス帝国

アトランティス大陸の古い呼び名。東西に境はなく、ひとつの大陸でひとつの国だった。(大陸全面戦争の後、全ての国が統合されたため。)


*ユークレイス島

クリティウス諸島より離れている孤島。独自の文明を持つ。強大なアトランティス帝国を危険視していた。


※下記文章での「孤島」は、上記のユークレイス島を意味する。


*第一級ユークレイス装置

孤島の民が大陸軍の進行を避けるために開発した、巨大な破壊兵器。機械と魔力を融合させた傑作。

孤島の民が古代アトランティスを非常に警戒していたために作られた。アトランティス大陸全土を死の大地にしてしまうほどの威力を備えている。孤島の民の最終兵器であり、最も危険な装置である。普段は魔術によってかたく封印されている

構造(簡略的に):巨体な機械部分が大半で、中心部に水晶(角ばったやつ)がある。

原動力:水晶に込められた魔力。その力で機械部分を動かす。

目的:「アトランティス大陸を破壊する」というプログラムが水晶に組み込まれている。


*一度起動した対アトランティス装置を無効化させるには、装置の内部に侵入し原動力である水晶を破壊しなければならない。水晶を破壊された兵器は戦闘機能を失い、沈黙する。物理攻撃無効の水晶を破壊するのは困難である。

*水晶に秘められた魔力を解放し外界に分散させることが必要。水晶は魔力の塊である。清く澄んだ魔力を持つ者が、その魔力を解放することができる。(と、島民の間で話されている)が、そんな簡単に魔力を解放して無力化できるわけないだろいい加減にしろ。

実際に無効化させるには、水晶の魔力を吸収しなければならない。上の文章は一体何だったんだよ。


*水晶の破壊を行う者

古代の民の血を引いている孤島の民であることは前提条件。また島では、白銀や白金の髪の持ち主は魔力の強い傾向がみられたため、候補者になる可能性が高い。

ユークレイスの古代兵器は使われること無く、時は過ぎていった。

しかし、島では古代兵器の存在、危険性を子孫に教えていた。起動することは重大な犯罪とし、また意図せぬ起動の際にどうするかなどの情報を引き継いでいく。そして***年間、平和を持続した。

数年に一度候補者を選び訓練することは欠かさなかったが、長い間なにも起こらなかったため、その存在を本気で信じている人間も少なくなった。

「古代兵器をいつまでも残しておいてはいけない。いずれ破壊される運命なら…今やってもいいはずだ。」

「…やっぱり古代の封印魔術を解くのは無理…なのかな」

(ぼくがやろうか?)

「な…っ?!あなたは……?」

地下にある装置から起動音が鳴り響く。異常事態に島民は混乱。

装置が完全に起動し、動き始めるには7日かかる。動き始める前に破壊は出来ない。

島民は船に乗り非難する。クリティウス諸島や大陸に移住することを決断せざるを得ない状況だ。


孤島では超少子化が進んでおり、水晶を破壊する者(成長期の子供)の候補も少ない。

*補足*

成長期の子供に限定される。

(島の子供たちは必ず全員この時の為に特殊訓練を受ける義務がある。)


そして今まで平凡に暮らしていた3人の少年が選ばれる。

ユリオス、ステラ、クロノスだ。

保管庫にあるプロテクトスーツを身に着け、装置の沈黙に命を懸ける。


*装置、起動開始

島民は避難済みで、船の上から見ている。アストルは危険を承知で島に残り、3人を見守っている。

水晶に魔力がある限り、装置は動き続ける。装置を止めるため、3人で協力して水晶の魔力を吸収しようとする。


水晶の魔力が5割減少した頃。

年少のクロノスは意識を失ってしまう。ユリオスとステラで残りを吸収する。3人の中で1番、魔力の受け皿の大きいステラが無理をし、魔力を過剰に吸収する。ユリオスは止めるに止められず、ステラが過剰に吸収、ユリオスも限界を越えてしまう頃。水晶内の魔力は尽き、装置は沈黙する。魔力(原動力)を失った装置は自立できないため、崩壊する。

クロノスは意識を失い、ステラは魔力の過剰吸収に耐えられず、廃人寸前の状態になってしまう。ユリオスは動けなくなった2人を庇い脱出を試みる。

装置の沈黙を察知したアストルが駆け付け、クロノスを背負い脱出する。


装置は崩壊し、島のほとんどが水没した。


4人は後に島民の船に回収される。

アストルはクロノスの側に居るようにユリオスに頼まれる。廃人状態のステラを見せるわけにはいかないからだ。

ユリオスは、廃人と化したステラのそばにつく。

***


大陸の民はユークレイス島に疎い。

空中都市部は一部始終を監視していて、古代兵器ごと島が吹き飛んだ記録を取っている。

対立していたのは大昔のこと。古代兵器の存在は大陸民の反発を促す可能性があったため、

危険レベル第一級ユークレイス装置は、火山の噴火により沈んだ としている。

あれ?アストルはいつからクロノスのそばにいるの?

アストルは大陸から送られたスパイである。

ユークレイス島に、アトランティスを滅ぼす古代兵器が存在することを耳にした上層部。その兵器の有無を探るために、若い訓練兵の中で優秀なアストルを抜擢。ユークレイス島に潜伏し、島の情報を細やかに記録する特務兵だった。島では無線通信で上層部に兵器の情報を伝えた。


島民に怪しまれては任務遂行が難しいため、「島の研究をしにやってきた少年兵」として島に渡る。

島に滞在中、クロノスに出会う。軍の制服を珍しがり、アストルによく懐いた。自分に好意をよせるクロノスに戸惑うが、「自分に懐くクロノス少年」=「貴重な情報源」として利用した。


クロノスから兵器の情報を引き出す任務を順調にこなしていた。

クロノスをはじめユリオス、ステラとも親しくなり、アストル少年兵は心を開くようになった。

ユリオスとステラは自分たちの代で装置を起動・破壊してしまおうと考えていた。負の遺産を残し続けることが嫌だった。誰かが悪用してしまったら終わりだ。僕たちで、誰も傷つけずに終わらせたい。訓練には人より何倍も力を入れたり、どうやって封印を解くかなど色々勉強し計画を練っていた。

アストルが兵器の調査をしていると知ったとき、

”島の外の人間、しかも軍人が兵器の情報を探りに来てる”

”ひとりしか寄こさなかったということは、軍もその存在の有無がわからない?”

”犯罪だろうがなんだろうが利用される前に兵器をぶちこわすことには価値がある。自信をもってぶち壊してやろう。”という謎思考をかます。


利用されたくないと思ってるけどアストルに対して情報提供が積極的なのなんでなんだよ。たのむから繰り返すなって歴史として残したかったんか?

君の軍がこれを利用したらそれまでだったというだけだ。僕は僕の故郷から兵器をなくしたいだけだ。