2025年度後期
2025年度後期
ケニアから本学大学院修了生が来学し、セミナーおよび養蜂の調査を行いました(2026/02/19-2026/02/26)
ケニアから、長崎大学大学院水産・環境科学研究科で2019年度に博士号を取得したFrancisca Kilonziさんが来学しました。本学では、長崎大学グローバルアルムナイネットワーク(NUGAN)が組織されており、2025年度より「同窓生等連携による国際共同研究支援事業」が実施されています。これに応募したところ採択され、ケニアでの活動に加えて本学への出張を計画に含んでいたものです。Francisca氏は現在、ナイロビにあるEquity Group財団にプロジェクトマネージャーとして勤めており、社会課題の解決に関連するプロジェクトを複数実施しています。なお、Franciscaさんの在学当時の指導教員は、現在大阪大学にいる太田貴大先生でした。
採択された事業の名称は“Integrating beekeeping ecosystem services into public health strategies: A case study from Mwingi, Kitui County”であり、ケニアの農村地域での養蜂普及に関するアクションリサーチです。実験用の養蜂場と巣箱を設置するとともに、2026年1月には現地村落で農民へのワークショップを行いました。農民へ養蜂への参加を呼びかけたところ、2026年2月現在、270名が参加しています。
2月20日に、「養蜂から考えるプラネタリーヘルス」というタイトルで、本学内で結果報告のセミナーを実施しました。セミナーにはケニアからの留学生を含む様々な教員・学生にお越し頂き、今後の共同研究の萌芽も得ることができました。
2月24日には、長崎大学のケニアからの留学生および環境科学部の1年生と一緒に西海市の農村および養蜂場の視察を行いました。ニホンミツバチの養蜂で高明な立石靖司さまにレクチャーを頂く機会を得ました。特にミツバチの社会とヒトの社会の高い類似性についてお話し頂き、Francisca氏にとっても非常に刺激的なものだったとのことです。誠にありがとうございました。
本学のセミナーで発表するFransisca氏
ケニアのキツイ地域の農村で2026年1月21日に開催した農家向け養蜂セミナーの様子。TV取材もあったとのことです
セミナー後の交流会の様子。本学工学部の大嶺聖教授にもお越し頂きました。廃棄物を再生資源として活用できる高機能炭化装置についてご説明頂き、ケニアでの活用の可能性について議論しました
西海市で見る養蜂の巣箱
立石氏からのレクチャー
博士後期課程のChenさんへの博士号授与が決定しました(2026/01/19, 2026/02/18)
博士後期課程のChen Fangyuanさんが、2026年1月19日に博士論文の本審査・公開発表会を行い、その後、2月18日の教授会で承認されて、博士号の取得が決定しました。学位論文のタイトルは「中国の国立公園におけるエコツーリズムの発展と現状に関する研究」となります。おめでとうございました。
2026年4月以降はとりあえず長崎大学大学院総合生産科学研究科で1年間博士研究員(ポスドク)をする予定です。
1月の公開発表会の様子
イマンくんが卒業論文優秀賞に選ばれました(2026/02/13)
環境科学部の環境政策コースには卒業論文優秀賞という制度があります。今年度、本ゼミ生のイマンくんの卒論が選ばれました(3人いるうちの1人)。卒論のタイトルは”Perceptions of local communities regarding the incorporation of local and cultural aspects into ecotourism in Mount Kinabalu, Sabah, Malaysia”で、英語で作成しました。日本語で言うと「マレーシア・キナバル山のエコツーリズムへの地域的・文化的要素の取り入れに対する地域住民の意向」となります。
イマンくんはマレーシア出身であり、同国の最高峰(4,095m)キナバル山登頂の体験に基づき、当地の登山体験をより有益なものにする方策を検討したいという観点から、本ゼミを志望しました。登山体験をすなわちエコツーリズムの体験と捉え、ガイドによる解説に、自然的な内容だけでなく、より地域文化的な側面を組み込むことが重要ではないかという視点を持ちました。基礎研究として、キナバル山の周辺に居住する村人に対し、そもそもキナバル山でのツアーガイディングに地域文化的な側面を組み込むことをどう思うか、また、どのような地域文化的な側面が組み込まれるべきと思うかを、対面形式のアンケート調査(n=74)で調査しました。そしてその結果を、インタープリテーション研究で有名なTOREフレームワークによって考察しました(T – Thematic (テーマがある)、O – Organized (構成されている)、R – Relevant (関連性がある)、E – Enjoyable (楽しい))。
彼の出身地域(クアラルンプール周辺)と調査地(サバ州)は、地理的にも言語的にも全く異なるため、本調査は挑戦的なものでした。2週間程度滞在し、当地での連絡やロジスティクスの手配も自分で行い、74件の対面インタビューを実施したことは特筆すべきことと言えます。文章についても、先行研究と有機的に連関させ、高いレベルで論述ができていると考えます。誠におめでとうございました。
学部長からの表彰状授与
最終発表の様子。マレーシアの民族衣装(Baju Melayu)の正装です
卒論提出および最終発表会が終了しました(2026/02/05, 2026/02/13)
例年2月5日の17時が卒業論文の提出締切なのですが、本ゼミからの提出予定者7名、全員提出できした。提出前1週間くらいは「祭り」みたいな感じで、私も複数の原稿をお手玉のようにチェックして返送しておりました。
その後、2月13日に環境政策コースの卒業研究最終発表会がありました。今年度は80名以上対象者がおり、非常な長丁場でした。例年、卒論を書き上げても、そのまますんなり最終発表のプレゼンテーションを作れる場合はあまりありません。情報量が多すぎて、発表時間の8分にまとめ切るのは至難の業だからです。今年度も苦労しておりましたが、総じて良い出来だったと思います。お疲れ様でした。
今年度から、3年生に慰労会・送迎会を企画してもらいました。学部内のリフレッシュルームで行いました。3年生のアイディアで、この大田ゼミのロゴマークが入ったポロシャツを作成して、プレゼントしました。非常に良い企画をありがとうございました。
3年生作成のゼミポロシャツを着て撮影
提出期限直前の夜間作業
提出風景。写真は提出期限の15分前
最終発表の様子1
最終発表の様子2
ゼミ室で安堵の様子
3年生主催の打ち上げ会
博士後期課程学生の論文が公開されました(2026/02/09)
1月にInternational Journal of Development and Sustainabilityという雑誌に受理されていた博士後期課程のChenさんの論文が、公開されました。
武夷山および海南熱帯雨林という二つの国立公園で、エコツアーガイドへのアンケートを中心に、2021年に本格開始した新たな国立公園制度の影響は現場ではあまり認識されていないこと、特に海南熱帯雨林国立公園でエコツアーガイドの生態認識は高くないことなどを報告したものです。ツアーガイドの行動に影響を与える3つの主要な因子(①ツアーガイドの人材管理と環境教育、②ガイドの職務責任の変化、および③ツアーガイドのキャリア発展)も特定しました。
この論文の受理によって、博士号取得の要件を満たしました。おめでとうございます。
論文の冒頭部分
西海市雪浦で景観に関する聞き取りを行いました(2026/01/27)
学部4年生の末永くんが、12月1日に西海市雪浦地域で学生が実施した「キャプション評価法」による景観評価の結果を、雪浦地域の元来の住民および移住者の方々に見て頂き、コメントを頂きました。外部者の学生が初見で感じた印象的なところを、そこに住んでいる方々がどう感じるかを知るためです。合計8名の方々にご参加頂きました。
抽象的なことをお願いしたので戸惑われたかと思いますが、非常に貴重なお話をお聞きできました。誠にありがとうございました。
印刷した写真とキャプションを見て頂いている様子
西海市大串で4年生が卒業前パーティー&意見交換会企画に参加しました(2026/01/24-2026/01/25)
1月24日から25日にかけて、いつもお世話になっている西海市大串のK. Farm横浦別荘の安藤卓巳さんの企画で、4年生の卒業前パーティー&意見交換会を実施して頂きました。私(大田)は不在でしたが、4年生は6名が全員参加しました。
ながさき黄金の菓子作り、抹茶のお点前体験、複数の方々のレクチャー、アオモジ植林地の視察など、様々なことを行なったとのことです。夜はバーベキューでした。また、送迎もして頂いたとのことです。
安藤さんから、「彼らは素晴らしい学生です」とお言葉を頂きました。半数は4月から長崎を離れますが、ご縁が続けば良いと感じています。ご企画、誠にありがとうございました。
アオモジ植林地での記念撮影。K. Farm横浦別荘からの、一足早い卒業写真とのことです
私が担当している学部3年生向け科目「森林政策論」の森林サービス産業に関する回で、学部4年生の平戸くんに、卒論のテーマにしている長野県信濃町の森林セラピーの体験談をして頂きました。最初プレゼン資料をもとに解説し、その後、私との対談のような形で行いました。
可能な限り身体的・知覚的な体験・主観に関することまで話してもらいました。どうもありがとうございました。
教室の様子
12月17日から18日にかけて、学部4年の樋口くんと、卒論用の調査で愛知県を訪れました。事前に「あいちの木材利用施設事例集」に紹介されている建物の施主の方々に対しアンケート調査を行なっていたところ、現地を訪れ、自治体、民間団体、建設会社、木材コーディネーターの方々にインタビューを行いました。地理的には、訪問したのは豊田市と岡崎市になります。
木材の調達の実態や事業者の思いなど、やはり直接お話を聞かないとわからないことが多々あり、有意義な知見を得ました。
豊田まちづくり株式会社の鬼頭さま、一般社団法人ウッディーラー豊田の樋口さまからの聞き取り
木造化されている豊田市役所東庁舎
小原建設株式会社(岡崎市)の望月さまより聞き取り
とよた子育て総合支援センター“あいあい”の木質化。2018年より豊田市産材を使った木育空間としてリニューアルオープンしたとのことです
12月16日、1年間実施してきたJSTのNEXUS事業「マレーシアにおけるサーキュラーエコノミーのローカルモデル構築のための若手人材交流」の修了ミーティングを行いました。マレーシアでの視察の終了後、何度かオンラインミーティングを行い、今後の共著論文の作成などについて話し合ってきました。長崎大学とマレーシアプトラ大学両キャンパスで、サーキュラーエコノミーに関する認識・行動についてのアンケートも実施したため、これについても成果をまとめていく予定です。
オンラインでの記念撮影
12月11日、大学院総合生産科学研究科博士前期課程の必修科目「総合演習」で、韓一翠さんがポスタープレゼンテーションを行いました。総合演習は「ポスター総合進捗報告会に参加し,自身の研究の位置づけや成果について発表する。同じ分野の教員のみならず異分野の教員とのディスカッションを通じて,研究計画能力や遂行能力,人に伝える力を養成する」ものです。
韓さんはきちんと準備して修士論文の進捗報告ポスターを作成し、説明していました。
作成したポスター
12月初頭、インドネシアに出張しました。まずジャカルタで、Proforest IndonesiaとPT Project TREE Indonesiaを訪問し、それぞれ小農からの責任ある調達と天然ゴムのトレーサビリティプロジェクトについてお話しを伺いました。PT Project TREE Indonesiaは伊藤忠商事の関係の会社になります。
その後、南スマトラのインドネシアゴム研究所を訪問し、関与しているSATREPSプロジェクト「ゴムノキ葉枯れ病防除のための複合的技術開発」の関係で、ゴムノキ葉枯病への対策である農薬の噴霧に関する認識について、何名かの農民にインタビューしました。
最後に、インドネシア大学でSATREPSプロジェクトの会議(Joint Coordinating Committee)に参加しました。
ゴム園で撮影。写真だとわかりにくいですが、ゴムノキは葉が不定期に枯れ落ちる病気に感染しています
ゴム農家へのインタビュー。インドネシアゴム研究所の研究員と実施しました
インドネシア大学での会議。壮大な準備がなされていました
SATREPSプロジェクトのメンバーと記念撮影
12月1日、学部4年生の末永くんの卒業論文の関係で、西海市雪浦地域で「キャプション評価法」による景観評価を実施しました。キャプション評価法とは、写真や映像などの視覚情報にキャプション(説明文やコメント)を付与・収集し、その言葉(自由記述)と写真の両方から定性的な評価・分析を行う手法です。
本日は「外部者」がその地域をどのように感じるかを知るために、長崎大学環境科学部の学生が雪浦地域を歩いて、特徴的な景観だと思う箇所を、スマホで写真を撮りました。渡辺ゼミの4年生4名にご協力頂きました。本ゼミからも4年生が参加しました。参加してくれた方はありがとうございました。
この後、参加者にキャプションを記入してもらったデータを整理してまとめるとともに、それを雪浦地域の元々の住民および移住者に見て頂き、どのように感じるかのインタビュー調査を行う予定です。
最初の説明。末永くんが行いました
地域を歩く
何気ない路地に面白い(と外部者が感じる)ことがあるかもしれません
11月13日から14日にかけて、いつもお世話になっている西海市大串地域の安藤卓巳さんの農家民宿で、3年生を中心に合宿を行いました。今回の目的・きっかけは次の2点でした。
1. 5月に雪浦地域で田植えを行ったところ、コメが収穫できた(今回予定が合わず収穫作業は関係の方々に行って頂いた)ので、自分たちで食べる
2. 3年生の奥山さんが、林業ベンチャー企業ソマノベースの「戻り苗(MODRINAE)」(観葉植物として育てたどんぐりの苗木を森へ還し、森を再生する循環を日常の中で感じられるプロダクト)に関心があるところ、自分たちでもどんぐりの苗木を育ててみたら良いのではないかと私が発案し、元になるどんぐりを集める
上記2つ以外にも、原木しいたけ採取や耕作者不在農地での芋類の圃場の見学など、いろいろなことを行いました。コメは非常においしかったです。どんぐりは、追って3年生が中心になり、苗木を育てていく予定です。
安藤さんは、「新たな観光スタイルを考える会」という団体を立ち上げ、西海市が実施する『さいかい力創造支援事業』に事業を応募し、2025年10月から2026年3月までの期間で採択されています。事業名は「西海版農家ギルドの構築と体験型観光の導入」です。改めて、本ゼミも色々と関わり得るような色々なお話を伺えました。
安藤さん宅で自撮り棒で記念撮影
クヌギのほだ木から生えた原木しいたけの採取体験
クヌギの木から落ちたどんぐりを採取。クヌギのどんぐりは大きいので、シイ類やカシ類のものよりテンションが上がります
耕作者不在農地を安藤さんが引き取り、ながさき黄金など5品種のじゃが芋を実験的に栽培している圃場を見学。長崎大学および長崎県立大学のゼミ生共通の実験圃場として、周辺の耕作放棄地などを有効活用するためのデモンストレーション農園としていきたいとのことです
拾った大量のどんぐり。クヌギとスダジイが中心。水につけて浮いてきたものは排除します
夕食はバーベキュー。肉・魚類を中心に、昼間収穫した原木しいたけも焼きました。また、今回の主目的の、5月に田植えした分のコメを鉄釜で7合分炊きました。信じられないほど旨いものでした
夜はこたつ。若い世代にはこたつは珍しいようです。3年生は夜遅くまで起きていたようです
日の出時間の6:50に合わせて、4年生2名(樋口くん・末永くん)がバイクで合流しました。4年生の成長ぶりを安藤さんは大変喜んでいました
朝食は、昨晩の残りの具材を調理したものに加え、コメを今度は10合炊きました
コメの品種は「なつほのか」(高温耐性品種)です。合宿に先立っての西海市のイベントで、安藤さんは長崎大学・長崎県立大学との活動のパネルを作っていました
11月9日に、学部4年の岩永くんと私が京都市の大見新村プロジェクトを訪問し、聞き取り調査を行いました。大見新村プロジェクトは、「廃村で遊ぶ、廃村から学ぶ、廃村を未来につなぐ」をコンセプトにしています。先立ってオンラインで中心メンバーにお話は伺っていましたが、この日初めて現地を訪問しました。
大見村は1970年代に集団離村が選択され、それ以降は廃村となっていましたが、現地を訪問すると、荒れた感じは受けませんでした。中心メンバーの一人河本順子さんにご案内頂き、プロジェクト発起人で唯一の住人の藤井康裕さんに詳細なお話を伺いました。また、プロジェクトの活動地も視察し、有意義な知見を得ました。
藤井さんと、住宅の前で記念撮影。藤井さんの父親は大見村の出身で、彼が大見で有機農業を始めたことが大見新村プロジェクトのきっかけになっています
河本さんから思子淵神社の関連活動のご説明
村の風景。写っている農地は藤井さんのもの
プロジェクトの拠点の「大見ハット」。綺麗に手入れがされています
4年生が卒論の中間発表を行いました。発表時間5分というタイトなものですが、みなさんよくやっていたと思います。質疑応答も、苦戦したこともありましたが、一定の回答にはなっていたと思います。今後、コメントを考慮して、卒論を記述する段階に入ります。
発表
質疑応答
都合がついた人たちで打ち上げ
誕生日にあわせて3年生からプレゼントを頂きました。昨年度も当時の3年生から色紙を頂いたのですが、今年は立体でした。写真だと見えませんが、各人の写真の裏にメッセージを書いてくれています。非常に驚き、大変に嬉しいです。ありがとうございました!
立体になったプレゼント。非常にうまく作られています。草花は造花です
レゴ®シリアスプレイ®は、レゴブロックを使ったワークショップです。テーマに沿ってブロックで形を作り、それについて語り、他の参加者は傾聴し、個々人の価値観が共有されてゆきます。
ゼミの時間に、「自分がゼミ活動を通して実現したい「価値」(得たいこと、なりたい姿などでも可)を形にしてください」というテーマで実施しました。昨年度の3年生に行ったものよりも抽象的なテーマでしたが、皆さん上手に作って、語っていたと思います。
作品について語る
記念撮影