2025年度前期
2025年度前期
マレーシア渡航のあと、学部4年生の岩山さんと私はインドネシアに移動し、西ジャワ州ブカシ市にあるバンタルグバン最終処分場の視察を行いました。バンタルグバンはジャカルタ特別州の廃棄物が集められる場所で、ゴミ山の高さは40m以上にもなっているようです。また、多数のウェイストピッカー(廃棄物の最終処分場などで有価物を収集する者)が活動していることでも有名です。
今回、バンタルグバン最終処分場周辺のウェイストピッカーの社会包摂に向けた動向を知るために、インドネシアウェイストピッカー連合(Ikatan Pemulung Indonesia)、インドネシア女性ウェイストピッカー組合(Asosiasi Pemulung Perempuan Indonesia)などの団体、および複数のウェイストピッカーたちから話を伺いました。岩山さんは得た知見をもとに卒論を作成予定です。
ゴミの山。写真左下に、有価物の収集に出かけるウェイストピッカーが写っています
インドネシアウェイストピッカー連合の施設
インドネシア女性ウェイストピッカー組合の代表のRezaさん。ちょうど同組合を設立するタイミングで、できたばかりのオフィスに伺いました
ウェイストピッカーの住居と子どもたち
第2週目はマレーシア・プトラ大学(UPM)の近くのホテルに滞在し、クアラルンプール首都圏の視察を行いました。まず、2016年からスランゴール州の家庭ゴミ収集・管理を行っているKDEB Waste Management社を訪問しました。とりわけI-Cleanという24時間体制のゴミに関する苦情受付サービスが印象的でした。その後、シャーアラム市役所運営するコミュニティリサイクルの施設を見学しました。マレーシアではゴミ出しの段階で日本のような分別は行っていないところ、シャーアラム市では、プラスチック、電子ゴミ、紙類、金属類、廃油などを市民が独自に捨てにくるリサイクルシステムを開始していました。
また、Worldwide Holdings社が運営する埋立地(Jeram Sanitary Landfill)を視察しました。埋立地の管理の説明のほか、廃液の処理施設を見学しました。現在、廃棄物発電施設を建設中で、2026年から稼働とのことでした。
クアラルンプールでは、国営石油会社であるペトロナスを訪問し、同社のサーキュラーエコノミーに関する各種取り組みについて様々なお話を頂きました。マレーシアの有名なペトロナスツインタワーがペトロナスの本社ですが、そのオフィスでのミーティングでした。同社は多岐にわたる採取産業を展開していますが、各種工程での取り組みを、同社が整理するwaste to producersなど5つのアプローチに分類した体系的な説明を頂きました。世界的企業の取り組み・あり方はやはり刺激的なものでした。
また、サイバージャヤで、日本でお会いしたSustainable Food Asia株式会社のマレーシアオフィスを訪問し、取り組みについてお話を伺いました。
様々に学ぶことがありました。今後、対面・オンラインで複数回ディスカッションを行います。
ペトロナス社を訪問後、ペトロナスツインタワー前で撮影
KDEB Waste Management社での説明。写真はゴミ収集やI-Cleanサービスのモニタリング用の部屋
記念撮影
シャーアラムのリサイクル施設の様子。写真には写っていませんが、我々の訪問中、廃棄物をこの施設に持ってくる住民が何名もいました
記念撮影
Jeram Sanitary Landfillで廃液処理についての説明
ペトロナス社のオフィス内での説明
記念撮影。写真だとよくわかりませんが、これは42階にある二つのタワーをつなぐスカイブリッジで撮影しています。クアラルプールの風景が一望できます
Sustainable Food Asia株式会社で記念撮影。日本企業のCenter of Garageが運営するシェアオフィスで、他にも様々な研究開発型ベンチャー企業が入っていました
最終日の打ち上げ兼振り返りは大学近隣の店でサテ(鶏肉などの串焼き)を頂きながら行いました
8月24日から9月5日までの2週間、長崎大学の学生・教員がマレーシアを訪問し、各地の廃棄物管理・サーキュラーエコノミー関連の取り組みを視察しました。現地のアレンジはマレーシア・プトラ大学(UPM)のLatifah教授やその学生たち(Aleeya, Abu, Iffah)に実施してもらいました。学生たちとは1か月ぶりの再会となりました!
第1週目はクアラルンプール首都圏以外を車で訪問しました。まず、キャメロンハイランドで、北九州市の企業のウェルクリエイトがJICAのスキームで実施していた食品廃棄物の堆肥化プロジェクトのその後を視察しました。工場施設だけでなく、キャメロンハイランド全体で食品廃棄物収集・処理システムの構築が推進されており、感銘を受けました。キャメロンハイランドは避暑地で有名で、夜は寒いほどでした。Mossy ForestとBOH Tea社の茶園ツアーにも参加しました。
次に、ペナン島市を訪れ、同市の廃棄物管理について学ぶとともに、中間処理施設(Batu Maung Transfer Station)を視察しました。この施設では、圧縮機(compactor)を用いてごみの容積を圧縮し、埋立地への輸送回数およびコストを削減していました。デザイン的に非常に美しい施設でした。ペナン島市のジョージタウン地区は世界文化遺産でもあり、観光も行いました。
最後に、レンゴン市を訪れました。小規模な自治体ですが、独自の廃棄物管理に取り組んでおり、Latifah教授が協力関係を持っています。廃油や電子廃棄物(e-waste) のリサイクルの取り組みのほか、農村部での廃棄物収集の課題も教えて頂きました。また、レンゴン渓谷には美しい湖(Chenderoh Lake)があり、クルーズを体験しました。
UPM、林学・環境学部前で撮影
キャメロンハイランド、Mossy Forestで撮影
Well Create Co., Ltd. Malaysiaのヤティさんからの解説
食品廃棄物の堆肥化施設
Boh Tea社の茶園で撮影
ペナン州の中間処理施設(Batu Maung Transfer Station)
圧縮機というとイメージがつきにくいですが、このようなプレス機です
有名なMamak料理店(Hameediyah Restaurant)で食事
レンゴン市役所で撮影
レンゴン渓谷で湖のクルーズ。周辺村落が観光事業を行っています
イマンくんのお祖父様・お祖母様、Latifah教授のご家族らと撮影
博士後期課程のHan Xieyuくんが、昨年度の貴州省に続き、今年度は黒竜江省で高齢者避暑旅行について調査を行いました。森林資源が豊富な伊春市と火山地形で有名な五大連池市で、当地で避暑を行う高齢者を対象にアンケート調査を行いました。追って、両省の結果をまとめたものを今後雑誌論文として投稿していく予定です。
伊春市の遊歩道で撮影。避暑旅行の高齢者もよく歩く場所です
高速道路に大きく「避暑旅行目的地」との文字
五大連池市は火山地形のため鉱泉資源が豊富で、避暑旅行客がボトルで水をくみに行くことが多いです
五大連池市にはユネスコ世界ジオパークがあり、避暑旅行客もよく訪れるとのことです
学部4年生のImanくんが、8月10日から24日にかけて、マレーシア・サバ州のキナバル山周辺にある2つの村で卒業研究の調査を行いました。地域住民の皆さまにご協力いただき、約70名を対象に対面インタビュー・アンケート調査を実施しました。キナバル山のエコツアーにおいて地域文化的な要素をこれまで以上に反映させるべきかどうかについて、村落部の住民の意見を伺いました。
地域の人びととのコミュニケーションだけでなく、現地での生活を体験し、さらにキナバル山の雄大な自然に癒されることもできました。大変充実した楽しい2週間となったようです。
「村人感」のあるImanくん(本人談)。後方にはキナバル山が見えます
写真左側の木造の建物に滞在させてもらいました
インタビューの様子。対面で質的内容を聞くセクションと、印刷したアンケートを記入してもらうセクションと分けて実施しました。また、村落ではガイド兼通訳(マレー語−現地語)を雇用しました
丘から見る村落
8月19日と20日に、学部4年の平戸くんと私が長野県信濃町を訪問し、森林セラピーの体験および聞き取り調査を行いました。信濃町は2000年代前半から「癒しの森®」事業として森林セラピーを軸としたまちづくりを推進しており、森林セラピーの先駆的な事例です。
森林セラピーコースの御鹿池一周コースを体験しました。散歩で歩くだけなら15分程度の距離を、3時間かけて、非常に丁寧に「森との一体感」を感じさせてくれる内容でした。値段設定は他の森林セラピー基地と比べてかなり高いのですが、全くそれ以上の価値があるものでした。
体験以外に、メディカルトレーナー(森林セラピーのガイド)への聞き取り調査を行い、彼女/彼らの動機や感じる課題などについて有意義なお話を頂きました。
黒姫山を臨みながら森林セラピーコースに入る
森の中。経験豊富なトレーナーの河西恒さまにガイドをして頂きました
メディカルトレーナーへのインタビュー。写真は「信濃町森林療法研究会(ひとときの会)」会長の鹿島岐子さま
「癒しの森の宿」として提携している宿泊施設での朝食。ペンションの雰囲気と食事が素晴らしかったです
8月7日と8日に、佐賀県鹿島市でゼミ合宿を行いました。7日はまず鹿島市役所を訪問し、同市の地域循環共生圏、特にグリーンインフラの取り組みについてラムサール条約推進室の室井利允さまからレクチャーを頂きました。その後、肥前鹿島干潟、肥前浜宿・酒蔵通り、道の駅鹿島などを訪れた後、宿泊施設の自然の館ひらたにで、屋外BBQを行いました。
8日の午前中は、3年生と修士1年生が卒論・修論のテーマ案を発表しました。3年前期としては相当に的が絞れているものもあり、また、4年生からも良いコメントが複数ありました。
「自然の館ひらたに」での集合写真
鹿島市ラムサール条約推進室の室井様のレクチャー
ラムサール条約に登録されている肥前鹿島干潟。雨でした
肥前浜宿・酒蔵通り。鹿島市は現在でも複数の酒蔵があります
宿泊施設で屋外BBQ
卒論・修論のテーマ案の発表
全員で質問・コメント
7月24日で、2025年度前期の定例のゼミ活動が終了しました。学部3年生は、例年どおり、IMRAD(Introduction, Methods, Results and Discussion)の構造を把握する練習として、所定のフォーマットに従って、学術論文の内容をまとめる作業をしていきました。観光に関心がある学生が多かったので、その関係の論文を増やすなど、教員としては試行錯誤しましたが、とっ散らかった形になってかもしれません。
また、質問・コメントをする練習として、学部4年生の卒論構想発表を聴く会も設定しました。
3年生は8月上旬に行う合宿で、現段階の卒論案を発表する予定にしています。
4年生・3年生合同のゼミの様子
以下の論文がDiscover Sustainabilityという雑誌上で公開されました。
2022年12月に実施したJSTさくらサイエンスの事業「縮小社会における自然資源利用を通した地域づくりに関する国際共同フィールドワーク」を題材として、参加者にどのような学習が発生しうるのか、また、どのような要素が国際共同フィールドワークでのサスティナビリティに関する学習を促進しうるのかを考察したものです。参加者間での対話の記録および事業終了後の個人の振り返り内容の応用主題分析(Applied Thematic Analysis)を行いました。学習内容については、(1) 新規概念の導入および既存の理解の再概念化、(2) 異文化理解力の涵養、(3) 社会における研究者の役割の再考、(4) ジェンダー・世代の観点からの社会変容と整理しました。促進要素については、(1) 異なる世代間における知識のやり取り、(2) ロールモデルの提示、(3) ジェンダーの観点からの変革的アプローチを提示しました。
論文の冒頭部分
7月16日の飛行機で、マレーシア・プトラ大学の3名が福岡空港からマレーシアに無事に帰国しました。日本には合計2か月、長崎には2か月強滞在の滞在でした。個人的には、彼らが日本に来てからまだ2か月しかたってないのか、と感じるくらい色々なことがありました。さまざまな機会を得る契機になり、ここに改めて感謝します。
今度は8月末に、長崎大学の学生がマレーシアに渡航します。
ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒルのレストラン「Pavé(パヴェ)」でのヴィーガン対応のちゃんぽん/皿うどんでの送迎会
7月7日から9日にかけて、マレーシア・プトラ大学(UPM)の3名が、関東でサーキュラーエコノミー関連の視察・訪問を行いました。7日には埼玉県富士見市に本社があるASTRA FOOD PLAN株式会社を訪れました。ASTRA FOOD PLANはフードロス削減に取り組むフードテックベンチャーです。独自技術(特許取得済)の加熱蒸煎機を用いて、例えば吉野家の野菜加工工場で発生する牛丼用玉ねぎの端材を加工してフレークとして販売するなど、「かくれフードロス」のアップサイクルに取り組んでいます。実際の機械を見せて頂くとともに、ビジネスモデルや事業の難しさ等についてより詳しいことをお伺いできました。8日には富士見市役所を訪れ、埼玉食のサーキュラーエコノミープロジェクトについて、富士見市の観点からお話を伺いました。また、9日は、東京都池袋の立教大学を訪れ、環境シビック・アクション(集合的で能動的な行動)、サステナビリティ・トランジションなどの研究をしている森朋子先生を訪れレクチャーを頂きました。
また、UPM学生は東京見学も積極的に行ったようです。夜の渋谷のスクランブル交差点を10回くらい横断したとのことでした。
集合写真。パートナーの池田糖化工業株式会社とSustainable Food Asia株式会社の方々もいらしていました
ASTRA FOOD PLANでの質疑応答
過熱蒸煎機。英語では”JOSEN”という名称になります
立教大学森先生のレクチャー
第35回日本熱帯生態学会(JASTE)年次大会が九州大学で開催され、2025年1月のインドの森林官調査の結果について口頭発表を行いました。
JASTEは探検家のような人たちが集まる場所なのですが、私は最近あまり熱帯でのフィールドワークをしなくなったこともあり、JASTEに参加したのは2019年以来6年ぶりの計算になります。若い新進気鋭の発表者もいて刺激になりました。
会場の様子(部屋の後方部にはもっと人がいます)
博士論文の副査になっている九州大学大学院生物資源環境科学府のWin Min Paingさんが筆頭著者の論文が、Conservaionという雑誌に受理され、本日公開されました。新自由主義、住民参加型、および要塞型保全という森林管理における3種類のイデオロギーがミャンマーでどのように相互に展開してきたのかの分析です。誠におめでとうございました。
論文の冒頭部分
関与しているパラゴムノキのSATREPSプロジェクトの一環で、分担執筆していた書籍の章が本日オンラインで出版されました。ゴムノキ葉枯病の社会経済的な影響を書きました。
書籍のカバー写真
6月24日、福岡県大木町の「おおき循環センター くるるん」を視察しました。大木町は2008年に「ゼロ・ウェイスト(もったいない)宣言」をしています。町役場の担当者の大塚さまにレクチャーを頂いたあと、メタン発酵処理施設の見学を行いました。
生ゴミ回収→し尿等と一緒にメタン発酵処理→液肥化→液肥を地元農家の農地へ還元→液肥で生産された農作物を消費(家庭・給食)→生ゴミ回収という、循環性と裨益者が非常に明確なモデルで、広大な平地を有し住民の多くが農業者であるという特性とうまくマッチした取り組みでした。一方、ごみの焼却費用が膨らんでいたことやし尿や浄化槽汚泥の海洋投棄が禁止されたことなど、モメンタムとしての外的要因があったことは、上勝町や北九州との共通点と思われました。
なお、くるるんは「道の駅おおき」というローカルマーケットと「デリ&ビュッフェくるるん」というレストランと一体になっています。ランチを頂きましたが、これ以上ないほど素晴らしいものでした。
生ごみ・し尿・浄化槽汚泥によるメタン発酵施設。今では町のシンボル的存在
レクチャー
生ゴミの回収バケツ
記念撮影
世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems: GIAHS)に関する先行研究のレビュー論文が、国立台湾師範大学地理学部の『地理研究』(英文名: Journal of Geographical Research)に出版されました。
2021年度の日本台湾交流協会 共同研究助成事業(人文・社会科学分野)の助成を受けていたものです。国立台湾師範大学のMucahid M. Bayrak氏、立命館アジア太平洋大学のKazem M. Vafadari氏らとの共同研究です。
論文の冒頭部分
6月21日から一泊二日、いつもお世話になっている西海市大串地域の安藤卓巳さん宅で、マレーシア・プトラ大学の学生3名が農泊体験をしました。岩山さんとIGES北九州アーバンセンターでインターンをしているJulianも参加しました。安藤さんが契約農園的なことをはじめようということで、私がある農家の方(井原さん)に栽培してもらっていた形のジャガイモを、週末に収穫しにいく機会を活用しました。夕食は、掘ったジャガイモ等でバーベキューをしました。上勝町で農村の風景は体験しましたが、家の中に入って宿泊するのは初めてで、良い体験になったようです。
掘ったイモでBBQ
イモの収穫
小さい袋・箱で3つ分。ながさき黄金などいくつかの品種が混ざっています
帰りにバイオパークにも行きました
6月上旬まで博士研究員をしていたViola van Onselenさんが、佐賀県鹿島市での調査についてリサーチブログを作成したので、ここにポストします。
How brewing sake can help reducing disaster risks and support biodiversity
[要旨]
Kashima City, located in Saga Prefecture on Kyushu, is one of Japan's leading sake- producing regions. However, itʼs not just known for its sake, but also for its tidal flats, rich ecosystems, and cultural heritage, which make it a unique destination to visit. Like many rural areas in Japan, Kashima faces challenges that come with depopulation and an aging society. Kashima City is committed to advancing the Sustainable Development Goals (SDGs), and an innovative project has emerged through the collaboration between multiple stakeholders. The project creates a unique sake that not only is appreciated for its rich flavour, but also contributes to environmental conservation. This sake is called ʻGreen Infrastructure Sakeʼ and with the slogan “Why not drink and contribute to environmental conservation?”, who could resist? In this piece we will explain how drinking this new sake will help protect different natural landscapes and communities of Kashima city.
佐賀県の鹿島市は、九州に位置し、日本有数の酒どころのひとつとして知られています。しかし鹿島市の魅力は日本酒だけではなく、干潟や豊かな生態系、文化的遺産など、多様な要素が融合したユニークな観光地としても注目されています。他の多くの地方と同様に、鹿島市も人口減少と高齢化という課題に直面しています。そうした中、鹿島市は持続可能な開発目標(SDGs)の推進に力を入れており、複数の関係者の協力によって革新的なプロジェクトが生まれました。このプロジェクトでは、豊かな風味で高く評価される日本酒を製造するだけでなく、環境保全にも貢献するというユニークな日本酒を開発しました。この日本酒は「グリーン・インフラ・サケ」と名付けられ、「飲んで、環境保全に貢献してみませんか?」というキャッチフレーズのもと提供されています。これは、誰でも一度は試してみたくなる魅力的な提案ではないでしょうか。本稿では、この新しい日本酒を飲むことが、どのように鹿島市の多様な自然環境や地域社会の保護につながるのかをご紹介します。(AI翻訳)
6月5日、長崎市西工場を視察しました。マレーシアにはこのような大規模な焼却施設はないとのことで、貴重な体験だったようです。北九州では予定的に行けませんでしたので長崎市で視察できてよかったです。
施設外観
レクチャー
大量のごみが搬入されているところ。個人的には全く匂いがせずきれい過ぎて逆に違和感があります
日本学術振興会(JSPS)の奨学金で博士研究員として滞在していたViola van Onselenさんが、滞在期間を終えて6月8日に日本を離れますので、送別会を実施しました。ひとまず台湾に戻り、その後のポジションを探すとのことです。滞在期間中には海岸松林の調査などを共同で行いました。成果物は追って論文の形態で発表する予定です。今後の活躍を心から祈念します。
また、マレーシア・プトラ大学(UPM)の学生3名の歓迎会も同時に実施しました。Imanくんにはナシレマッを作ってもらいました。Violaさんと夫のErikさんにもフムス、ライ麦パン、ケーキなどを作ってもらいました。たこ焼き器・材料は岩山さんに手配してもらいました(岩山さんもケーキを作っていました)。たこ焼きのソースは酒精等入っていない、ムスリムでも摂取可なものを使用しました。
偶然ですが、6月4日はUPMのIffahさんの誕生日だったので、それもお祝いしました。
ゼミ室前廊下で撮影
Violaからのスピーチ
たこ焼き(たこ無し)作り
歓談の様子
サーキュラーエコノミーの観点から、ヴィック・ムニーズ「ごみアートの奇跡」というドキュメンタリー映画の上映会を行いました。マレーシア・プトラ大学(UPM)の学生に加え、環境科学部、大学院総合生産科学研究科などから合計14名が参加しました。
映画は、現代アートの大家が、ブラジルにある世界最大級のごみ処理場のウェイストピッカーたちと、廃棄物を用いてアート作品を作成するというもので、実際のごみ山の現場やそこで働く人たちの人生の実態に加え、アートの持ちうる力や人生が変わるとはどういうことかを考えるきっかけとなる内容でした。視聴後は、感想の共有・意見交換会を行い、多様な観点・感想が提出されました。
企画をリードしてくれた岩山さんとImanくんにはありがとうございました。
上映会の様子
5月29日、マレーシア・プトラ大学(UPM)の教員・学生が長崎大学を訪れました。同日の環境政策演習A(3年ゼミ)で、簡単な自己紹介とアイスブレイクを行ったあと、「ダイアモンドランキング」というワークショップを英語で行いました。大学生にとって大事と考えるもの・ことを1位(1個)、2位(2個)、4位(3個)、7位(2個)、9位(1個)というダイアモンドの形にランキングし、自分自身の意見をシェアしたのちに、グループでのランキングを作成するという、意見の傾聴・合意形成用のアクティビティです。
UPMの人たちには非常によいリーダーシップをとってもらえました。日本人の3年生にはこのような機会は初めてという人が多かったですが、皆自分なりに自分の意見を英語で説明していました。
話し合いの様子1
話し合いの様子2
話し合いの様子3
5月25日から徳島県上勝町に移動し、サーキュラーエコノミー関連の取り組みを視察しました。上勝町は2003 年にゼロ・ウェイスト宣言を行い、「ゼロ・ウェイストタウン」として世界的に有名です。今回、同町で活動するInow Kamikatsuにアレンジ・通訳を委託しました。
26日はまず、Inow KamikatsuのKanaさんとSilさんに上勝町の概要と彼らの解釈するゼロウェイスト政策の成功要因についてレクチャーを頂きました。その後、町役場の担当者の菅翠さまから、より詳細に町の歴史と取り組みについて解説を頂きました。午後は2020年にできた上勝町ゼロ・ウェイストセンター(WHY)に移動し、まず上勝町のごみ分別(現在45分類)を体験しました。その後、(一社)ひだまりの藤井園苗さまの解説で施設の視察を行いました。そして、同施設の指定管理者の株式会社BIG EYE COMPANYの担当者の大塚桃奈さまから、施設の運営についてレクチャーを頂きました。
27日は、株式会社いろどりの葉っぱビジネスに参加している若い新規就農者の浅野秀美さまに、いろどりビジネスで使用する植物、および上勝町特産の柑橘類のゆこう生産の展望についてお話を頂きました。午後は上勝町のキーパーソンの一人である合同会社RDNDの東輝実さまに上勝町にとってのゼロウェイストの意味と今後の展望についてお話を頂きました。その後、町民であり環境活動家である渡部厚子さま、および長年ゴミステーションで分別活動に携わってきた清原一幸さまから、一町民の目線からの実態をお聞かせ頂きました。
北九州と上勝で得た知見・示唆は、今後長崎大学での滞在時を中心に、ケーススタディとしてまとめていく予定です。
ゼロウェイストセンター隣の広場で野外インタビュー
KanaさんとSilさん。二人が入れ替わりで完璧な早い英語で話すので壮絶な情報量になります。日本語と英語の通訳はKanaさんが行いました
ごみ分別のワークショップ。プラスチックも複数に分類します
ゼロ・ウェイストセンターの見学。ごみの匂いがほぼ全くないのが印象的でした(各世帯が洗って乾かしてから持ってくるため)
葉っぱビジネス用の収穫体験。新緑のイチョウでした
東さんへのインタビュー
ごみステーションでの実態を聴く。その場を回していた人しか知り得ない非常にプラクティカルなお話が印象的でした
5月19日から24日まで、北九州市に滞在し、同市のサーキュラーエコノミー関連の取り組みを視察しました。
20日は(公財)地球環境戦略機関北九州アーバンセンターを訪れ、レクチャー・ワークショップを実施して頂きました。ワークショップはカードゲーム「2030SDGs」とカードゲーム「サーキュラリティデッキ」の2種類を実施しました。
21日は北九州エコタウンを訪れ、次世代エネルギーに関する視察をした後、食品廃棄物の堆肥化の株式会社ウエルクリエイトと太陽光パネルリサイクルの株式会社リサイクルテック(株式会社新菱)の二つのエコタウン企業の工場見学をさせて頂きました。株式会社ウエルクリエイトはマレーシアでも事業を実施した経験があり、それについてもお話を頂きました。
22日はタカミヤ環境ミュージアムを訪れ、公害克服やゴミ袋有料化の歴史に加え、水素タウンに関する取り組みについて詳細な解説を頂きました。
23日はJICA九州を訪れ、日本の国際協力の枠組みと事例についてレクチャーを頂き、意見交換をしました。また、午後にはレゴ®シリアスプレイ®というレゴブロックを使うワークショップで、各人の理解した北九州のサーキュラーエコノミーを形にし、どのような気づきがあったかを共有しました。
24日には振り返りを行いました。有志の学生はその後小倉城など市内見学に行ったようです。
北九州エコタウンで記念撮影
サーキュラリティデッキのワークショップでアイディアを出す
茶道体験。IGESの安東章子さまにお手前を最初から最後まで行って頂きました
リサイクルテック(新菱)の太陽光パネルリサイクル施設見学
タカミヤ環境ミュージアムで歴史的な背景の解説
JICA九州前
レゴ®シリアスプレイ®で各人の学びを共有
JSTのNEXUS事業「マレーシアにおけるサーキュラーエコノミーのローカルモデル構築のための若手人材交流」で、マレーシア・プトラ大学(UPM)から教員1名(Latifah先生)と大学院生3名(Aleeya, Abu, Iffah)が福岡に到着しました。今後、福岡県北九州市と徳島県上勝町での視察を行います。その後、長崎市に移動して、学生3名は7月中旬まで日本に滞在します。
また、本プロジェクトには長崎大学からも学生が参加します。私のゼミから岩山晃子さんとAhmad Iman Hamzahくん、朝倉宏研究室から安部宙晃くん、馬騰研究室から大田原和希くんの4名です。
@福岡空港
5月10日・11日の週末に、本ゼミ3年生 +αおよび長崎県立大学芳賀普隆ゼミの合計14名が、西海市で学生交流会・体験活動を実施しました。昨年12月に西海市を訪れた際に本ゼミ生から出されたアイディア(長崎市と佐世保市の中間地点の西海市で、両市の学生が出会い、交流し、また農村体験をする)から実現したものです。
1. 10日はまず、大串地域の網代で大串金山ツアーを体験しました。江戸時代にあった「大串金山」の跡地に関連する歴史や文化を解説してもらうツアーを西海市観光協会は開発しようとしています。若い学生からの視点があれば追ってフィードバックをお願いしますとのことでした。
2. 大串地域の農家民宿K.Farm横浦別荘の安藤卓巳さん宅で、地元の方々に用意して頂いた昼食(おにぎり、ちゃんぽん、チキンカツ等)を頂き、その後学生同士での交流の時間としました。
3. 鳥加地域に移動し、農家民宿こくうぞうの森を経営する田添正隆さんの山林を視察しました。炭焼き窯やヒノキ林、原木しいたけのほだ木などに関する解説を頂きました。
4. 鳥加地域のお寺の大徳寺に伺い、住職の加藤功承さんに学業成就等のお経を頂くとともに、説法をして頂きました。
5. 宿泊地の鳥加公民館でBBQを行いました。加藤住職はキャンパーで、さまざまなことを教えて頂きながら、皆で楽しみました。学生は夜中まで焚き火を囲んで語りあっていたようです。また、住職のご家庭から、おにぎりをはじめ、様々なものを頂きました。
6. 11日は朝から雪浦地域に移動し、安藤さんが耕作放棄地を引き取って始めた水田で、皆で田植え体験をしました。地域の農業委員の方々らにサポートを頂きました。機械で植えにくい隅っこを中心に手植えをしていきました。泥の感触が気持ちよかったです。
7. NPO法人雪浦あんばんねの渡辺督郎さんに、雪浦の地域づくりについて講演を頂きました。Think GloballyとAct Locallyの両面でお話を頂きました。
総じて盛りだくさんの内容で、消化仕切れない部分もあったかと思いますが、有意義な交流の場となったかと思います。この交流・体験の機会から、今後何かの発展があれば理想的です。
お世話になった地域の方々に、改めて心からお礼申し上げます。
金山の地跡
集合写真: 網代は大村湾に面しており牡蠣の養殖場も見えます
田添さんの炭焼き窯
大徳寺でお経を聴く
BBQ: 木炭は田添さんが焼いたものを使いました
田植え体験: 転んで泥だらけになる人はいませんでした
博士後期課程のHan Xieyuさんが、総合生産科学研究科の「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」事業に採択されました。月々の生活費および研究費が支給されます(3か月の研究留学も義務とのことです)。おめでとうございました。
通知書
5名の3年生が本ゼミに配属になりました。また、博士前期課程の学生1名も加わりました。非常にうれしく思います。第1回目のゼミの後、4年生や大学院生、博士研究員も交えて、新歓パーティーを開催しました。持ち寄り形式で行いました。参加してくれた人、料理してくれた人、どうもありがとうございました。
パーティーの様子