以下では、若手研究者にとってやっておいたほうがいいと思われることを順不同にまとめておく。
これは言うまでもない。特に査読付きの業績を1つでも増やしていくことが肝要だろう。あと、できるだけ英語業績があった方が、今日のアカデミアでは評価されていくと思う。
非常勤は1コマ当たり大体手当を含めて3万円くらいが相場だろう。決して労働条件が良いとは思わないが、予期せぬメリットがあったりもする。まず何コマか担当することで苦しいものの何とか生活費くらいは確保できるし、一応所属先を手に入れることができる。またその大学の図書館やデータベースを利用できるので、本や論文をかなり自由に利用することができる。あとは非常勤先の先生とコネクションを作ることができるし、授業の評判が良ければ、そこでの公募が出た場合は多少なり有利になるだろう。あとは言うまでもないが教歴を積むことができる。
全く関係ないが、個人的には非常勤に行くついでに近所のラーメン屋でラーメンを食べるのを毎週の楽しみにしていた。一応ラーメン代くらいの日当がつくことは多い。これもまた就活には関係ないが、非常勤先によっては無償で健康診断をしてくれる。自費で受けると数万円かかるので、これも利用した方がいいだろう。
これはやり過ぎる必要はないとは思うが、採用側としても知らない人よりは人間性を知っている人を取りたいだろう。ある程度顔を売っておく方がそうではないよりは有利だと思われる。とくに好かれる必要はないとは思うが、一緒に気持ちよく仕事ができそうだくらいの印象は持ってもらえればよい。そこで知り合った先生方から仕事や研究のオファーが来る可能性もある。
これも過剰にやり過ぎる必要はないと思うが、公募に出した際に先生方が名前を検索することも考えられるので、どんな研究をしていて、どんな仕事をしてきたのかがすぐに分かった方がよいだろう。またresearchmapの更新は科研費申請の際に必須となりつつあるようなので、日本で研究者を続けていくなら更新しておけばよいだろう。またこれらを見て、新しい研究の依頼などがあるかもしれない。
当たり前のことだが、意外とこれが難しいのである。まず公募書類1つ作るのも結構時間がかかるのである。単にコピペすれば良いと思うかもしれないが、各大学によって様式は異なるし、当然受かりたいならその学部・研究科の研究者名簿を調べて、どのような人材を必要としているのか、どのような人が採用の意思決定をするかなどを考慮して書類を作成する必要がある。また推薦書や照会人リストを用意する必要がある公募も多く、そういった場合は事前に知り合いの先生にお願いする必要がある。落ち続けるとこれをお願いしていく気力が失われていくのである。
これも地味だが後々大事になってくることである。まず確定申告をしっかりとしておくことで、税金が還付されたり、次年度の住民税額などが減額される可能性がある。毎年繰り返していくと、それなりの額になってくる。あとは年金や国民健康保険を支払う余裕がない時・奨学金の返済をする余裕がない時は、あらかじめ免除、減額、猶予等の申請をしておくのが良いだろう。そうすることで毎月の出費を減らすことができる。私もそこまでできていた訳じゃないがしっかりと自炊をしておけば出費をさらに減らすことができる。あとできれば貯金もしておいた方がいいだろう。
これはとてもとても大事なことである。若いころは無理が効いても、年をとってからそれが難しくなっていく。健康を害すると、研究、事務、教育、就活などのパフォーマンスレベルが下がっていくので、できるだけ健康を維持したい。食事、睡眠、運動、休養の質をできるだけ追求していきたい。また友人、家族、パートナー等とのソーシャルネットワークを維持して、ソーシャルサポートを受け取りつつ、またそれを周囲の人のために返していければよいだろう。私も健康状態が悪化したことがあるし、その時は周囲の人に助けてもらった。