当たり前のことであるが、実家やあるいは親族からの資金援助を受けている人は多いだろう。比較的裕福な家庭であれば、継続的な仕送りをしてもらえるが、そうでない家庭出身の人も一定程度いる。
奨学金には給付奨学金と貸与型奨学金がある。貸与型奨学金の内、日本学生支援機構の奨学金については返還が免除される可能性があるので、免除条件についてしっかりと調べておこう。奨学金はたくさんの種類があるので、できるだけ早めに情報収集が必要である。できれば高校生の時から調べておきたい。
日本では特に学振研究員が有名であるが、それ以外の制度もある。学振研究員の場合は2~3年間に渡り研究費と生活費が支給されるので、こちらも毎年応募するのが必須だろう。
学振の制度とは異なり、こちらは基本的には研究費のみが支給される。数十万円するPCを購入できたり、海外出張代、文献代などを支給してもらえたりするので、学振研究員等に不採用になった際には積極的に応募したい。
大学生の内は、アルバイト経験を積んでおいてもよいだろう。仕送りや奨学金以外の資金源があると、精神的に少し楽になる。支出以上の収入があるならば、将来に備えてできるだけ貯金したい。とはいえ、勉強・研究が本分であるため、バイトに時間を費やしすぎるのはよくない。
大学院に入ったら、TA、チューター、研究補助バイトなどのさまざまなアルバイトの機会がある。また非常勤講師を行う人もいるだろう。やりすぎる必要はないが、研究に全く関係のないアルバイトよりは自分の知識や経験を活かせるため、負担にならない程度に引き受けてもよいだろう。特に非常勤講師での教歴は今後の就職活動に有利に働くので、負担にならない程度に引き受けるのが良いだろう。できるだけ自分の専門に近く、今後の就職活動に活かせそうな科目を担当するのがよい。
私はやったことがないのだが、資産運用や投資についてもある程度の知識があるのならばやってもよいかもしれない。ただし、失敗した場合のリスクもあるだろう。
18歳過ぎに大学に入学して、30歳前後で安定したポストに就くのが標準的な研究者キャリアだとした場合、大学入学後10年前後は不安定な立場におかれる。節約と貯金を頑張りすぎてストレスがたまりすぎるのは良くないが、将来に備えてできるだけしておきたい。キャリアの途中で家族や自分自身の健康問題が生じるというリスクがあるため、できるだけ備えておきたい。
具体的な節約術として図書館の活用があるだろう。研究書はかなり高額なものもあるが、図書館に依頼すると購入してもらえることもある。できるだけ図書館を活用して、図書購入費を節約したい。
日本の国立大学の場合は、授業料免除という制度がある。毎年度書類を作成するのはかなり面倒なのだが、かなりまとまった金額が免除されるので、こちらも毎年度申請するのが必須だろう。私立大学の場合は大学によると思うのだが、似たような制度があれば利用したい。
そして、国民健康保険、年金も所得が少ない場合は納付が免除されたりする可能性があるので、こちらも面倒だが自治体の担当部署等に確認して、書類などを作成するのがよいだろう。ただし、年金については免除されてもその分将来もらえる年金額が減るので、所得に余裕がでてきたら追納するのがよいだろう。
毎年度の確定申告もしっかり行いたい。学生の場合社会保険料控除、生命保険料控除等によって、課税所得額が減り、所得税や住民税が減額される可能性がある。こちらも毎年度続けるとかなりまとまった額になる。たしか5年間くらいは過去についての確定申告ができるので、まだやっていない人は至急行いたい。確定申告を通して、自分の収入について把握できるので、毎年度やるべきだろう。