学振研究員をはじめとしたグラントが、日本には存在する。時代によって状況は変わるし、各大学によっても当然違うと思うが、申し込めるタイミングが限られていたりするので、情報収集はしておいた方がいいだろう。ただし、いろいろなタスクをこなさなければならないグラントもあり、グラントを獲得できたものの、結果として研究時間を確保できないこともある。したがって事前に指導教員によく相談しておくべきだろう。
グラントが取れなくても焦る必要はない。給付奨学金に申し込もう。各大学に窓口があるので、早めに申し込もう。こういったものも申し込める時期が限定されているので、早めに情報収集する必要がある。また日本学生支援機構の奨学金も免除(全額あるいは半額)されることがあるので、しっかりと免除申請を行おう。
大規模な研究室は先輩も多く、研究や進路に関する有益な情報を与えてくれる。またキャリアに関する具体的な姿を先輩が見せてくれる。またPhDを取得し、研究者として就職していく院生がコンスタントに輩出される研究室はハラスメント等のリスクも相対的には少ないだろう。とはいえ、小規模でもいい研究室はあるだろうし、先生が若い場合は小規模になることはよくある。なので、大きければ良いという訳ではない。
学部4年生の夏までに複数の研究室を見学して、じっくりと進学先について検討するべきだろう。丁寧にメールを送れば研究室見学を断る先生は少ないと思われる。
院生の先輩や30代くらいの研究者とコミュニケーションをよく取るのが良いだろう。私の場合は先輩の若手研究者たちに非常に助けてもらった。自分の研究テーマにあった研究会などがあればそれに入って色々と教えてもらえばよいだろう。とはいえ、忙しすぎるのもよくないので、入り過ぎる必要はないだろう。
特に学部生の内は、かなりの時間を専門分野の勉強に費やした方がいいだろう。単位取得のための勉強以外にも専門書や専門的な論文をできるだけ多く読みたい。また英語、統計学、プログラミング等はどんな分野でも必要となるので、そちらについても勉強しておきたい。サークル、部活、アルバイトなどもそれなりにやるのはいいと思うが、勉強を生活の中心とすることをアドバイスしたい。
学部生、院生時代に様々な予想していなかったことが起きる可能性がある。たとえば、自分や家族の健康が悪化することなどである。自分自身の研究時間が確保できない時期があるかもしれないので、そういった時に備えてできるだけ節約と貯金をしておきたい。具体的には仕送りや奨学金を使わずに貯めておく、負担にならない程度にアルバイトをしてそれを貯めておくなどである。光熱費、家賃、通信費などの固定費のコストカットもよいだろう。ほしい本がある場合は、図書館に購入依頼するのもよいと思う。