卒業研究に関する情報を以下にまとめています(少し冗長ですが…)。ここには解説を目的としたサブページもあります:
イジング模型について Potts模型について XY模型について ○ 3年生プレゼミ用の手引書
python で書かれたサンプルコードについては anaconda や google colab. などを使って試すとよいでしょう。
本格的に利用する際は python の環境をきちんと整えましょう。
目を通しておくと(卒業研究というよりは修士課程で)良い書籍を挙げておきます。
クォーク・グルーオン・プラズマ、神吉 健著、丸善
少し古いですが、量子色力学に関する雰囲気を知るにはいいと思います。研究室に2冊おいてあります。
基礎量子力学、猪木慶治、河合光著、講談社サイエンティフィク
同著者達の量子力学 I と II から抜粋した内容がまとめられたバージョン。王道(?)な量子力学の教科書もよいのでは。
情報の物理学、豊田 正、講談社サイエンティフィク
情報理論と物理学の関係が簡潔にまとめられています。研究室にはおいていませんが、図書館にはあったはず。
情報という概念が物理の中にどのように吸収されたのかが若干ですがわかると思います。
Finite-Temperature Field Theory: Principles and Applications, J. I. Kapusta, C. Gale 著、Cambridge University Press
少し古いですが、有限温度の場の量子論について丁寧に書かれています。M. Le Bellac 著の本も見るとよいでしょう。
* 講義している内容と実際の研究対象が違う教員も当然います。
教員の業績を確認して「どのような研究を”今”しているのか?」「どのような分野で”活躍”しているのか」等を調べてみましょう。
例えば、https://www.fit.ac.jp/gakubu/joho_kougaku/kyoin_joho_kougaku から各教員のページへ行くと、登録された業績リストが見れます。
論文一覧はその教員の研究人生そのものです。研究室配属の際は一度確認しましょう。「一見は百聞に如かず」ですね。
*卒業”研究”となっている以上、既存のアルゴリズムの紹介だけでは卒業研究にはなりません。
(これは ”原則” 他研究室も同じはずです。実際どうかはここでは書きませんが)
もし予定の計算がうまくいかなくても、予備の数値計算結果は必ずあるのでその結果を検討して、卒研発表に臨みましょう。
真面目に研究に取り組みさえすれば、難なく単位は認定されますし、いろいろな面で成長できます。
せっかくの大学で研究をする(多くの人にとっては)最後のチャンスです。一緒に頑張っていきましょう。
*卒業研究(もちろん修士での研究含む)ではその研究の大きな目標を意識しましょう。
つまり、その研究を達成することが「何を明らかにする」ことに繋がるのかを明確にするということです。
【例えば「○✖△を理解することに繋がる研究である」「性能を向上により■☆◎の研究分野での解析に使えるようになる」など】
この点をはっきりさせていないと研究の意義や価値が全く伝わりません(正直そのような発表が散見されます)。
これは応用分野の話だけ得なく基礎分野でも同じです。
発表では導入部で必ず明確に話すようにしましょう。卒論(修論)でも同様です。
卒業研究では、基本的に「物理現象の数値計算」を行ってもらいます。
自分で研究テーマを決めている場合は (可能かの判定は必要ですが) それを進めて構いません。
物理やプログラムが苦手でも大丈夫です。
卒業研究ではどの研究室であっても必要な知識の習得は必要になりますので、一緒に勉強していきましょう。
就職活動などなどでなかなか時間が取れず大変かもしれませんが、楽しく研究していきましょうね。
真面目に研究に取り組んでさえもらえれば、研究室ではのびのびと気ままに過ごしてもらってO.K.です。
(厳しく管理されて窮屈に過ごしても、良い研究はできませんしね)
3年生後期
11月~ 3月 週一回のゼミ
(必要な知識の習得と卒研で使うコードの基礎部分作成。6回の予定。
今は企業面接で卒研のことを聞かれることも多いので、早めに動きましょう)
3月初旬 個人面談
(これまでの取り組み状況の確認と、研究テーマの検討)
4年生前期
4月~ 6月 週一回の報告会
(卒研の進捗と就活の状況確認)
6月~ 8月 週一回の報告会
(中間発表に向けて追い込み)
8月中旬 個人面談
(これまでの取り組み状況の確認と、今後の方針や単位認定の事を話し合います)
8月下旬 中間発表
(中間試験に対応するので、絶対に無断欠席しないこと)
4年生後期
9月~12月 週一回の報告会
(コードを完成させてデータを集め始める)
12月中旬 個人面談
(これまでの取り組み状況の確認と、卒研発表へ向けた話し合い)
12月下旬 研究室の報告会
(これまでの進展を研究室の仲間全員に説明する)
12月下旬 卒業論文下書き提出
(年明けに朱入れした下書きを返却します)
1月~ 2月 週一回の報告会
(進捗に応じて個別に対応 : 発表練習+卒業論文仕上げ)
2月 卒研発表 & 卒業論文提出
3月 祝卒業
の予定です。もちろんですが、ゼミや報告会以外の日も研究室に来てO.K. です。
なかなかテーマが決らないこともあると思います。その場合は、
モンテカルロ法を用いた社会階層の自己組織化の研究
ランダム場イジング模型を用いた画像のノイズ除去の研究
ポッツ模型を用いた高次元空間の研究
スピン模型を用いた意思決定機構のモデル化
イジング模型を用いた時系列のモデル化
xy模型に現れるトポロジカル相転移の研究
量子計算を用いた実時間発展の研究
量子アニーリングを用いた最適化問題の研究
ハイブリッド計算を用いた最適化問題の研究
複雑なネットワーク上のスピン模型の相構造の研究
機械学習を利用した”良い”積分経路の探索
Nambu−Jona-Lasinio 模型による物質の質量生成機構の解析
Gross-Neveu 模型による空間非一様凝縮の解析
格子ゲージ理論の計算コードの検討
情報理論の物理現象への応用
超弦理論の数値計算
中性子星の質量と半径の計算
裾の重い分布を含む様々な確率分布の研究
の様なテーマをいろいろと用意しますので、相談しつつ選んでいきましょう。
符号問題をもつXY模型の解析
XY模型を用いた時系列データの作成
複素ランジュバン方程式と確率分布
複素ランジュバン方程式を用いた時系列データの作成
経路最適化法を用いたコサイン模型に現れる符号問題の研究
複素ランジュバン方程式の数理構造と収束性について
情報エントロピーを用いた相転移の分類についての研究
様々な量子ゲートがある場合の実時間発展の研究
3状態Potts模型に対するパーシステントホモロジー解析
複数の変数をもつイジング模型を用いた時系列データの生成
複数のPotts模型を組み合わせた時系列データの生成
情報エントロピーと相転移の関係の研究
Potts模型を用いた意思決定機構のモデル化の研究
クロック模型の相転移の研究
VQEを用いたPotts模型の基底状態の研究
量子計算を用いた空間日一様な場がある場合のIsing模型の実時間発展
空間非一様なデータに対するパーシステントホモロジー解析
N状態Potts模型の相転移に対するパーシステント・ホモロジー解析
情報理論を用いた全結合スピン模型の研究
情報理論を用いたN状態Potts模型の研究
再重み付け法を用いた符号問題が生じるガウス型複素積分の研究
情報理論を応用した研究
外部磁場と温度に非一様性のある場合のスピン模型
イジング模型のパーシステント・ホモロジー解析
パーシステント・ホモロジー解析を用いたXY模型の研究
メトロポリス法を応用した社会階層生成のモデル化
スピン模型の解析接続の研究
量子シミュレータを用いた実・虚時間発展の研究
ダミー変数を用いたポッツ模型の研究
高次元空間でのスピン模型~余剰次元が相転移に与える影響~
量子シュミレータを用いたイジング-ヤン-ミルズ模型の実時間発展の研究
量子シミュレータを用いたポッツ模型の実時間発展
フラストレート格子が及ぼす相転移への影響
ポッツ模型の相互情報量の計算
QCD-likeなポッツ模型の計算
複雑なネットワーク上のイジング模型
虚数磁場中のポッツ模型と解析接続