2023 年 ⼤阪都市圏住⺠の地域と暮らしに関する調査 集計報告
調査目的・方法
調査目的
⼤阪公⽴⼤学⽂学研究科社会学教室では、⼤阪都市圏住⺠の居住環境と⽣活に関する調査を継続的に実施しています。 今回は、住⺠の暮らしとその変化をさぐるパネル調査(同じ⽅に数回調査をおこなう調査)を想定した設計で、「⼤阪⼤都市圏住⺠の地域と暮らしに関する調査」を実施しました。 社会、経済環境が⼤きく変化するなかで、⼈々の暮らしや意識の現状がどうなっているのか、 またそれらがどのように変化しているのかを社会科学的に明らかにすることが本調査の⽬的で す。
調査対象・抽出方法
研究対象の属性:20 歳〜64 歳の⼤阪都市雇⽤圏(⼤阪府全域、兵庫県、奈良県、京都府の⼀部)の男⼥を⺟集団とし、該当⾃治体の選挙⼈名簿から無作為抽出(系統抽出)で 4,000 ⼈を抽出し、747 票を回収しました(回収率 18.7%)。ウェブ画⾯をとおして回答してもらい、⼀部は郵 送で調査票を配布・回収しました。
調査期間
2023 年2⽉ 17 ⽇〜3 ⽉ 19 ⽇
本プロジェクトについて
本研究プロジェクトは、⽂部科学省所管の独⽴⾏政法⼈である⽇本学術振興会の科学研究費 による助成(基盤 B 研究課題番号 20H01578 )を受けています。
また本調査は、⼤阪公⽴⼤学⼤学院⽂学研究科の研究倫理委員会の審査・承認を経て実施しています。
謝辞
本調査は、⼤阪都市圏の住⺠のみなさまのご協⼒によって実現しました。お忙しいなか時間を割いて回答していただき、誠にありがとうございました。
※ 以下は調査結果の概要です。他の質問項目については、こちらのページから調査報告書をダウンロードして、ご覧いただけます。
結果の概要
回答者の属性
年齢
50 代が約 3 割(28%)、40 代が約 3 割(28%)、30 代が 2 割(20%)、20 代が 14%でした。
性別
⼥性が約 6 割(57%)、男性が約 4 割(42%)、その他が 1%でした。
学歴
⼤学・⼤学院卒が約半数(51%)、⾼等学校卒が約 2 割(21%)、短期⼤学・⾼等専⾨学校卒 が 15%、専修学校(専⾨学校)卒は 12%でした。
職業
おもに仕事をしている⼈が約 7 割(68%)でした。仕事の内容については、専⾨・技術職が 約 3 割(29%)、管理職が約 1 割(11%)、事務職が 26%、販売職が約 1 割の 11%、サービスが 約 1 割(9%)、⽣産現場職が 4%、建設・採掘が 3%、運搬・清掃が 4%、保安職が 4%で した。
配偶者・世帯類型
既婚が 65%、未婚が約 3 割(27%)、離別が 7%、死別が 1%でした。回答者の半数(50%) が夫婦と⼦どもの世帯、16%が夫婦のみの世帯、15%が 1 ⼈のみ世帯、5%が 3 世代世帯、4% が上記以外の親族と同居している世帯、1%が親族以外と同居している世帯でした。
住まい
回答者の約半数の 53%が持家(⼀⼾建て)でした。持家(分譲マンション)が 19%と続き、 合わせて 72%が持ち家に居住していました。⼀⽅で、賃貸は 13%が⺠間の賃貸マンション、6% が⺠間賃貸アパートで、⻑屋は 0%、公団は 2%、公営住宅は 3%、社宅は 1%でした。
お住まいの地域について
居住年数
回答者の約 4 割(43%)が、現在お住まいの地域に 20 年以上居住していると回答していました。10 年以上 20 年未満が 25%、5 年以上 10 年未満が 14%、2 年以上 5 年未満が 11%、1 年以 上 2 年未満が 4%、1 年未満が 3%でした。
町内会・⾃治会加⼊
回答者の約 6 割(63%)が、町内会・⾃治会に⼊っているとの回答でした。約 3 割(27%) が⼊っていない、3%がかつて⼊っていたものの退会、7%がわからないと回答していました。
地域への愛着
回答者が現在住んでいる地域に愛着があるかどうかについて、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と肯定的に回答した⼈は 76%でした。 ⼤阪都市圏の住⺠のうち7割以上の⽅がお住まいの地域に愛着を感じていることがわかりました。
地域環境
回答者が居住する地域について、「⼦どもを育てるには良い場所である」と肯定的に回答した ⼈(「あてはまる」「ある程度あてはまる」と回答した⼈の合計)は約 9 割(88%)でした。「学校や教育施設の質が良い」と肯定的に回答した⼈は約 7 割(71%)、「図書館や美術館などの⽂化施設が充実している」と肯定的に回答した⼈は 75%、「スーパーやコンビニなどの商業施設が充実している」と肯定的に回答した⼈は 84%、「外観(道路・建物)が整備されている」と肯定的に回答した⼈は 8 割(80%)でした。
回答者の約9割が地域の⼦育て環境に満⾜している様⼦がうかがえます。また、 周囲の施設などについても7割から8割の⽅が評価していることがわかりました。
近所・友⼈付き合い
近所付き合いについては、約半数である 51%の回答者が、付き合いのある近所の⼈がいないと回答していました。また、1 ⼈が 14%、2 ⼈が 12%、3 ⼈が 10%、4 ⼈は 5%、5 ⼈以上は合 計 8%でした。
友⼈付き合いについて、回答者とつきあいのある⼈は、いないが 20%で最多で、回答者の 5 ⼈に 1 ⼈が普段からつきあいのある⼈がいませんでした。ついで、10 ⼈以上と 2 ⼈が 14%、それ以外の選択肢が続きました。
回答者の約半数が近所付き合いがないと答えており、⼤都市住⺠の特徴があらわれていま 。またふだんの友⼈づきあいについても、回答者の約2割、5⼈に1⼈がいないと答えてお り、 友達づきあいについても、密接というよりも緩やかなつながりのようです。
暮らしについて
満⾜度・幸福感・健康
回答者の現在の⽣活全般の満⾜度について、「満⾜している」「どちらかといえば満⾜してい る」と回答した⼈は、約 7 割(67.1%)でした。また、今の地域の住み⼼地については約 8 割 (81.2%)、現在の仕事については約 7 割(68.6%)、配偶者(パートナー)・恋⼈との関係は約 8 割(78.4)、⼦どもとの関係は約 9 割(89.7%)、近所の⼈との関係は約 5 割(46.1%)が「満⾜している」「どちらかといえば満⾜している」と回答していました。
回答者の幸福感については、「⾮常に幸せである」「幸せである」「まあ幸せである」と肯定 的に回答した⼈は 86% でした。「どちらとも⾔えない」は 7%、「あまり幸せではない」「幸せではない」「まったく幸せではない」は 7%でした。
回答者の全体的な健康状態については、20.8%がよい、36%がまあよい、29.9%がふつう、 10.9%があまりよくない、2.4%がよくないと回答していました。
社会意識
回答者の社会意識について、「政府は所得政策を減らす対策をすべきだ」という意⾒に「賛成」 「どちらかといえば賛成」と回答した⼈は 8 割(77%)、「どちらかといえば反対」「反対」は 2 割 (23%)でした。
また、回答者⾃⾝が主観的にどの階層に帰属するかについて、「上」と回答した⼈は 1%、「中 の上」が 18%、「中の中」が 44%、「中の下」が 29%、「下」が 8%でした。
新型コロナウイルス感染症拡⼤の影響
回答者のうち、2020 年の新型コロナウイルス感染症拡⼤が⽣活⽔準に与えた影響について「かなりよくなった」⼈は 0.7%、「良くなった」は 2.6%、「ほとんど変わらない」は 76.2%、「悪くなった」は 17.3%、「かなり悪くなった」は 3.1%でした。
また、全体的な健康状態については、「かなりよくなった」回答者は 0.4%、「良くなった」は 3.7%、「ほとんど変わらない」は 80.3%、「悪くなった」は 14.0%、「かなり悪くなった」は 1.6% でした。