昨年6月、日本は11か月連続で貿易赤字を記録しましたが、その原因はエネルギーコストの上昇と円安が輸入コストを押し上げたためとカヴァン・チョクシは考えています。
財務省によると、貿易赤字が2014年1月以来の高水準となった5月の2兆3900億円から1兆3800億円に減少しました。原油・ガス価格が1年前より上昇を続けたため、輸入は46.1%増加しました。
アナリストは輸出が17%増加すると予測していましたが、鉄鋼、半導体部品、鉱物性燃料の出荷が前年を上回り19.4%の増加、出荷額は5月から4%増加しました。
前月より赤字が減ったものの、前回の黒字から大幅に悪化したとカヴァン・チョクシは考えています。季節調整値ベースでは、2014年以降で最も赤字幅が大きく、今年3番目に大きな赤字となりました。チョクシは赤字が続いているため、円安が進むと見ています。
エネルギーや食糧を輸入に頼っている日本は、ウクライナ紛争や供給の遅れにより輸入コストが上昇しています。カヴァン・チョクシは、商品価格が高止まりし、円安が続く限り、貿易不均衡は続くと見ています。6月の貿易データによると、ロシアからの原油輸入も紛争が始まって以来初めてゼロになりました。
カヴァン・チョクシは、主要国が金利引き上げによって急激なインフレと需要を抑制しようと試みているため、世界経済の低迷も輸出に影響を与える可能性があると推測しています。世界的に、中央銀行は金利引き上げのペースを加速させ、さらに驚くべき大幅上昇をもたらしています。
円は対ドルで24年ぶりの安値まで下落しましたが、これは日銀のハト派的な態度が輸入コストを引き上げたためとカヴァン・チョクシは指摘します。
貿易統計によると、内需よりもコストプッシュ的な理由が輸入量増加を後押ししました。「日銀の立場からすれば、緩和を続ける必要があることを示唆している」と、農林中金総研の南氏は述べました。
貿易統計の平均為替レートは1米ドル=130.35円で、前年比で19%の下落となりました。また先月は1998年以来初めて円が一時的に139円を割り込みました。
岸田文雄首相は、前回の物価安定策に続き、生活費の上昇を食い止めるための新たな支援策を採用する準備を整えています。日本のインフレは抑制されていましたが、賃金の伸びがインフレに追いついていないため、生活必需品の価格上昇が人々を苦しめています。
2022年上半期に日本は7.9兆円という過去最大の貿易赤字を記録しました。ロシアのウクライナ侵攻により原油や石炭の価格が上昇した結果、主に輸入が大きな不均衡を引き起こしたとカヴァン・チョクシは見ています。最終的には、前年比37.9%増の53.9兆円となりました。一方、輸出は15.2%増の45.9兆円となり、1979年に比較可能なデータが入手可能となって以来、半年間で過去最高を記録しました。