JAFEEデリバティブ研究部会設立趣旨

近年の金融・経済はますます複雑化、巨大化しており、それに対応する技術をより高度なものに発展させ、さらにその専門的な知識を要する「高度金融人材」を育成する事が、日本の金融業界にとって急務な課題となっています。日本金融・証券計量・工学学会(JAFEE)は、その発足以来、我が国の金融技術・理論のトップランナー-==あらゆる関係領域のアカデミックな研究者と実務家==の集うアソシエーションとしての場を提供してきましたが、今後の本学会の方向性を考えるときに、この「我が国の研究水準の高度化」「高度金融人材の育成」という大きな課題を我々がより積極的に、中心として担っていくべきではないかと私たちは考えます。 この観点からみて,今回,通常の定期大会・フォーラムのほかに、より専門に特化し、少人数でより密度の高い意見交換・研究報告を行える「部会」を設立する制度が発足したことはすばらしいことです。私たち自身は、その嚆矢として、特に、より高度な数学を必要とする分野である「デリバティブの価格付け(およびそのリスク管理)」に関する部会を組織すべく、ここにその意思を表明させていただきます。当面、本部会は「JAFEEデリバティブ部会」と称し、デリバティブの価格付けに関する最先端の研究内容を扱うセミナーを月1回程度開催していきたいと考えています.このセミナーでは、通常の総会やフォーラムに比べて,少人数の参加者で,より数学的に高度な内容に踏み込み,より深い理解を共有することが目標となります。 また,その成果を会報などで積極的に発信し,会員の皆様に還元していきたいとも考えております。(2011年5月)