6分45秒 / 6 minutes 45 seconds


「光を運ぶ」というテーマの元、最初に取り組んだ作品。

この作品は鏡面を4枚使い、太陽光を反射させ、約12m先に像を作るという作品である。

この作品は太陽と地球の運行という動的な関係性と、設置された動かない4枚の鏡面という静的な装置により、1日の中で15時40分から15時46分の間の6分52秒間しか鑑賞することができない。24時間の中から切り取った6分52秒という時間の制約が、太陽が時間軸をもっていることを再認識させる。

また、人工光ではなく、太陽光を使うことは、自然は常に人間がコントロールできないパラメーターを持っていることを示していると同時に、太陽光が生命活動の根源であることを考えさせられる。照明がなくても生命は死なないが、太陽光がなければ生命活動を行うことはできない。我々人間が生きていくために必須なエレメントは都合の良いように操作できるものではない。だからこそ操作しきれない自然光を使うことで、何か再現性のない現象を作ることが創作活動であり、生命活動であると考えた一つ目の作品である。