山端直人

社会科学の視点で、これからの獣害対策を考える

研究内容

農村部を中心に社会問題となりつつある野生動物による被害、所謂「獣害」の改善には、個体数や密度の管理に合わせ、被害防除や加害個体の捕獲等の取り組みが必要とされます。そして、これらの対策を持続的に行うには、獣害対策を地域主体の活動にできる仕組みづくりと、それをサポートできる公の体制づくりが重要となります。 さらに、これら地域主体の取り組みは獣害対策だけでなく、防災や福祉など、今後の地域社会の課題を改善できる社会基盤を育てる共通の手法となり得ます。そのため、地域政策や農村計画の研究を基礎に、獣害を軽減できる社会モデルの育成や、地域が主体的に獣害対策を持続できる仕組みづくりを研究しています。また、参加型アクションリサーチの手法を用いた現場実証により、獣害対策による地域の多様な変化を捉え、それらを社会に還元できる研究を目指しています。

研究テーマ

1. 獣害対策に関するアクションリサーチ研究

2. 獣害対策による多面的効果の実証的研究

3. 野生動物管理の政策研究

4. 地域政策としての獣害対策研究

5.新たな捕獲や被害防止技術・手法の開発

学生へ一言

獣害を改善する手法は、これからの地域社会問題を解決する手法に繋がります。なかでも、アクションリサーチは地域の課題を解決し、地域社会を良い方向に変え得る実践的な研究手法です。実践的な社会科学を学びませんか?。

研究業績

学術論文

山端 直人(2010)集落ぐるみのサル追い払いによる農作物被害軽減効果,農村計画学会誌,28:273-278

山端 直人 (2010) 獣害対策の進展が農家の農地管理意識に及ぼす効果,農村計画学会誌,29:245-250

山端 直人(2011) 集落ぐるみの追い払いがサル群の行動域や出没に与える効果,農村計画学会誌,30:381-386

中山 優・小林秀幸・中井一文・江崎修央・山端直人・糀谷斉・杉浦彰彦(2013) RSSIを用いた進行ルート推定システムの向上,システム制御情報学会 論文誌,26,2,:32-33

山端 直人,鈴木 克哉,室山 泰之(2012)集落ぐるみのサル追い払い実施集落の住民活力に関する考察,農村計画学会誌, 31:383-338

山端 直人,九鬼 康彰,星野 敏(2015) 獣害対策の継続が集落のソーシャルキャピタルに及ぼす効果,農村計画学会誌,34,369-366

山端 直人(2015) 獣害と農村のマネジメント,農村計画学会誌,34:357-360

佐藤 正衛,竹内 正彦,山端 直人,平田 滋樹(2017)野生動物捕獲に関する技術体系の構築と獣害対策への活用,関東東海北陸農業経営研究,107,:55-62

著書

江口祐輔・上田弘則・堂山宗一郎・山端直人・加瀬ちひろ・古谷益朗・安田亮(2012):農作物被害の総合対策,誠文堂新光社:70-80,

鈴木 正嗣 他(2016):STOP鳥獣害~地域で取り組む対策のヒント~,全国農業会議所

山端 直人(2017):地域社会のための総合的な獣害対策,農文教プロダクション

特許・実用新案

2014年:有害動物捕獲用の遠隔操作システム,特開2014-14310(審査請求中)

2015年:クラウド型の有害動物捕獲支援システム,特願2015-216540

その他論文等

山端直人(2014) サルの被害管理と個体数管理の考え方,JATAFFジャーナル,2,11,13-18

鈴木克也・山端直人・中田彩子・上田剛平・稲葉一明(2013),有効な防護柵設置率が向上した集落におけるニホンザル出没率の減少,兵庫ワイルドライフモノグラフ,5,88-94,

山端直人・鈴木克也(2013) 通電式支柱「おじろ用心棒」を用いた電気柵に対するニホンザルの行動変化,兵庫ワイルドライフモノグラフ,5,81-87,2013

山端直人(2013) 被害対策を効率化させるための個体数管理~追い払いを効率化させる群れサイズの検討~,ほ乳類科学,54,146-147,

山端直人(2013) サルの被害管理と個体数管理の考え方,JATAFFジャーナル,2,11,13-18

山端直人(2013) 都府県のサル管理を推進するために何が必要か,霊長類研究,31, 67-70

学会発表等

2008年6月:山端直人:獣害発生集落の社会的要因の考察,中部農業経済学会第78回研究発表会

2009年7月:山端直人:ソーシャルキャピタルの測定による集落営農の評価,中部農業経済学会第79回研究発表会

2009年9月:山端直人:集落ぐるみのサル追い払いによる農作物被害軽減効果,農村計画学会2009年度秋季大会

2010年7月:山端直人:ソーシャルキャピタルの測定による農地水環境保全向上対策取り組み集落の評価,中部農業経済学会第80回研究発表会

2010年12月:山端直人:獣害対策の進展が農家の農地管理意識に及ぼす効果,農村計画学会2010年度周期大会

2011年6月:山端直人:野生獣による農作物被害のモニタリング手法の確立とその調査結果,中部農業経済学会第81回研究発表会

2011年11月:山端直人:集落ぐるみの追い払いがサル群の行動域や出没に与える効果,農村計画学会

2012年9月:山端直人:接近検知無線システムを用いたニホンザル追い払いの考察,農業農村工学会

2012年9月:山端直人・鈴木克哉・室山泰之:集落ぐるみのサル追い払い実施集落の住民活力に関する考察,農村計画学会

2012年9月:山端直人:効率的なニホンザル被害管理のための、集落の追い払い努力目標の検討,日本哺乳類学会

2014年7月:山端直人:集落代表者アンケートによる潜在的な農地流動化面積算出の試み-三重県内1600集落の水田を事例に-,中部農業経済学会第84回研究発表会

2015年3月:山端直人:鳥獣害対策(防護、捕獲、最新のICT)の作業と効率,日本農作業学会平成27年度春期大会

2015年7月:Yamabata naoto:Practical Examples of Community-based Damage Management-Effect of Chasing Away by Village-,Vth International Wildlife Management Congress

2015年7月:山端 直人:最新の鳥獣害対策技術(ICTを用いた防除,捕獲,処理一環体系)の中間成果と経済効果の考察,中部農業経済学会第85回研究発表会

2017年7月:山端 直人:獣害対策(広域での防御・捕獲・資源利用)の経営的課題~三重県伊賀市における実践的研究から~,中部農業経済学会第87回研究発表会

2017年9月:山端 直人: 被害管理と頭数管理によるサル群と被害の変化,日本哺乳類学会

2017年9月:山端 直人,飯場 聡子,鬼頭 敦史:獣害対策の経営的評価,農業経営学会2017年度大会

ポスター

2012年10月:山端直人、鈴木克哉:サル群の農地への出没要因とその改善による被害軽減効果,野生生物保護学会17回大会

2012年11月:山端直人、鈴木克哉、室山泰之:通電式支柱を用いた電気柵に対するサルの行動変化について,野生生物保護学会18回大会

シンポジウム

2012年10月:山端直人・鈴木克哉・久保雄広:現場を動かす社会科学―野生動物問題解決に向けた現場での試行錯誤から-,野生生物保護学会17回大会

2013年9月:鈴木克哉・山端直人・清野弘典:野生ニホンザルの個体数管理の最前線-効果的な被害軽減に向けて-,被害対策を効率化させるための個体数管理-追い払いを効率化させる群のサイズ検討-,日本哺乳類学会2013年度大会

2013年11月:山端直人・西村いつき・澤田誠吾・山中成元・中塚雅也:野生生物問題と地域社会との連携-集落・行政との連携事例-,野生生物と社会学会第19回大会

2014年10月:鈴木克哉・山端直人・布施美恵子:地域主体の獣害対策を効率的に推進するために-市町村・都府県・研究機関・大学等の焼割分担・連携について考える-,三重県のサル管理における県研究機関の役割と県・市町村、NPO等との連携について,野生生物と社会学会第20回大会

2014年10月:上田剛平・山端直人:野生生物の保全・管理政策の評価-理論と実践-,三重県における鳥獣被害防止総合対策事業の評価について,野生生物と社会学会第20回大会

2015年11月:山端直人・平田滋樹・小寺祐二:ICTを用いた捕獲機器と処理技術開発の野生動物管理への活用場面の検討~捕獲システムと被害防止技術の活用方法を考える~,野生生物と社会学会第21回大会、2015年11月、那覇市

2016年11月:清野未恵子,山端 直人,澤田 誠吾:地域主体の獣害対策のこれからの方向性を考える,野生生物と社会学会22回大会

2016年11月:山中正実,伊吾田宏正 ,山端 直人,鈴木克哉,寺山 元 :地域に根ざした新たな野生動物管理体制のあり方について,野生生物と社会学会22回大会

招待講演

2014年11月:山端直人:三重県のサル被害対策の実践例,野生生物と社会学会第19回大会

他、全国の獣害対策セミナー等 多数


連絡先

yamabata(アッと)wmi-hyogo.jp