微生物は我々の味方!
映画の巨匠、スティーブン・スピルバーグ監督の作品で、私が好きな作品の一つに、2005年に公開された「宇宙戦争」がある。主演は「ミッション:インポッシブル」シリーズでお馴染みのトム・クルーズだ。「宇宙戦争」という作品は、地球を侵略しようとしてきた宇宙人とそれに抵抗する我々地球人の戦いのお話である。しばらくの間、地球人は劣勢を強いられ、宇宙人の意のままになってしまうが、ある日突然に、その宇宙人も猛攻も突然終わりを迎える。なぜか。ここで重要な鍵となったのは、地球上で我々と共存している「微生物」である。地球外からやってきた彼らには、地球の「微生物」に対する免疫力、適応力がなかったのである。結果として、地球の「微生物」が地球人を守ってくれたのである。
暮らしの中の微生物
上記の例は、SFの世界のことであるので、ではなぜ地球の「微生物」は宇宙人に感染する機構を持っていたのか?、などの細かい設定は考えないこととして、それでも、我々地球人とって「微生物」とは、時として脅威となるが、またあるときは助けてくれる存在である。実際、私たちの体内には複数の微生物が住んでいるし、腸内細菌は合わせて数kgになるとい言われている。また、発酵食品において、お酒、納豆、チーズ、ヨーグルト、パンなど、製造過程で重要な働きをする。医学分野では微生物の作る化学物質が難病の薬となったり、農学分野ではバイオテクノロジー、産業の分野でも洗剤や食品添加用の酵素を生産するなど大活躍である。SFの世界ではなく、現実の世界では私たちは「微生物」の恩恵をたくさん受けている。
微生物の可能性は無限大!?
私たちは「微生物」に頼って生活している一方で、「微生物」について分かっていることの方が少ない。というか、99.99%分かっていない。存在は確認できていても培養できない微生物がいたり、過去に分かっていた事実が覆されて新しい分類が登場したり、まだまだ新種が出てくることだってあるだろう。「微生物」を扱う分野は、まだまだ研究されていないことばかりで、どれも最先端の研究なのである。