■プロジェクトの趣旨と目的

北九州市・八幡東田地区は、官営八幡製鉄所の操業開始以来、日本の産業革命発祥の地として日本の近代化を牽引してきました。

「革命」の遺伝子を継承するこの東田地区では、これまで東田コジェネ事業、北九州e-PORTプロジェクト、スマートコミュニティ創造事業など持続可能な社会実現に向けた先駆的な事業に取り組んでまいりましたが、さらに2030年のSDGs（国連の持続可能な開発目標）実現と世界のグリーン革命発祥の地を目指して、様々なテーマ、分野のプロジェクトに挑戦します。

今般は、その一環として、有志を中心にさらに一般市民の方々の幅広い参画を促すトリガープロジェクトとして、「食をテーマとした持続可能な志民ビール」プロジェクトに取り組むこと致しました。

■プロジェクの概要

1. 持続可能な未来を醸し、街をクラフトする市民ビール「GHH」

・持続可能な社会に向けて東田から世界を変えたいと願う有志が「未来を語り合う」ためのコミュニケーションツールとして企画・制作しました。

・官営八幡製鐵所の技術を支えたドイツの製鉄会社グーテホフヌンクスヒュッテ社（GuteHoffnungsHütte：良い希望の製鉄所の意）に因んで「GHH」のネーミングを採用、ロゴデザインは八幡のシンボル「東田第一高炉」をイメージしました。

2. 日本近代化の礎、門司港×八幡東田のコラボレーション

・2019年の「JBA 全国地ビール品質審査会」最優秀賞を受賞した北九州市が誇る門司港地ビール工房との協同によりドイツ古来の伝統的製法によるデュッセルドルフのアルトビールにて製品化しました。GHH社の製鉄所がデュッセルドルフ近郊、オーバーハウゼン市にあったことに因んだものです。

3. SDGs（国連の持続可能な開発目標）に貢献するビールづくり

・ SDGsの達成目標年度が2030年であることから、限定2030本を制作し、志民により全本完飲することを目指しました。

・ また醸造過程に発生するビアグレイン（ビール粕）は活用が困難で廃棄されていますが、その活用を図るため、一流パティシエ、障害者福祉団体等の参画により洋菓子等へのアップサイクルや堆肥化に挑戦。循環型社会に相応しいビールづくり、ビールライフに向けた課題解決に取り組みました。

■プロジェクトの経過

2019

06月｜事業企画・コンセプト、実施体制づくり

07月｜事業企画・コンセプト、実施体制づくり

08月｜プロジェクト発表

01日 東田まちづくり連絡会／夏の交流会

05日 北九州SDGsクラブ交流会にてプロジェクト開始を発表

09月｜告知、製造準備開始

10月｜予約受付／製造開始（醸造、瓶詰め等）／ビアグレイン活用食品試作等

11月｜開栓、販売開始

各種乾杯会、交流会、ワークショップ等開催（後述）

■2019年度の成果

・ 多くの志民の皆様に本プロジェクトの趣旨に賛同いただき、当初目標の2030本を大きく上回る販売を達成（サーバーによる提供含む）、各種交流会、イベント等にも多数の参画、乾杯いただき、協働・共創の環を広げることができました。

・ ビアグレイン活用については、専門学校大原学園製菓学科や千草ホテル等によるレシ ピ開発、技術指導の下、NPO法人わくわーく（障害者福祉サービス事業所）にて、 オリジナル洋菓子の製品化に成功し約500セットを制作、好評のうちに販売完了、ビアグレインのアップサ イクルの実現可能性を示すことができました。