実際のプログラム
Meeting #17 (2022/12/18) で紹介した GAS によって便利になった事例で、実際に使用したプログラムの紹介です。
詳細な説明などについては、埋め込んである note のそれぞれの記事もご覧ください。基本的に、実際に使用する Google Workspace のアカウントでログインした状態で、説明中の URL にアクセスして GAS のプログラムを含んだファイルをコピーすれば、GAS のプログラムそのものは変更することなく、利用できるはずです。
フォームで集めたふりかえりの蓄積を個人にわけたい
フォームでふりかえりを記録した場合、その記録はフォームを作成した人、多くの場合は教師に集約されます。生徒自身にも、記録したふりかえりを見返すことができるようにするためにはどうしたらいいかを考えてみました。
毎回、フォームでの回答のコピーを送信しておくのもいいかもしれませんが、一覧性が低く、メール(Gmail)が利用できない環境では使用できません。
下図のように、教師側で集約した回答を、回答者毎に別のファイルに分割し、回答者と共有します。
GAS のプログラムは、スプレッドシートに埋め込まれているので、既に一つのフォームでふりかえりを蓄積しているのであれば、フォームの結果の出力先を切り替えるだけで、利用できます。
個人が入れたスプレッドシートのデータを一覧にまとめたい
生徒に課題としてコピーを配布したスプレッドシートから、それぞれの生徒が入力したデータを収集して一覧表を作成しようとすると、
それぞれの生徒が入力したデータを収集する
収集したデータから一覧表を作成する
という 2つの工程が必要になります。
後者は、それぞれの用途によって体裁が変わってくるでしょうから手作業で行っていただくことにしました。プログラムで行うこともできないわけではないのですが、それぞれの用途ごとにプログラムを作りこまなければならず、汎用的なものにはならないので、完全な自動化とはなっていません。
前者 1. は GAS のプログラムで行い、後者 2. は収集したデータを用いて IMPORTRANGE 関数 でそれぞれのスプレッドシートから生徒が入力したデータで一覧を作成する部分は各自で行ってください。
上図のような一覧表を作成する場合には、次のように IMPORTRANGE 関数を設定します。$ をうまく設定すれば、オートフィル機能で他のセルにも簡単に数式を設定できます。
=IMPORTRANGE("https://docs.google.com/spreadsheets/d/"&'提出物一覧'!$O2,"集計用紙!"&B$1)
IMPORTRANGE 関数のヘルプ記事
IMPORTRANGE - Google ドキュメント エディタ ヘルプ
Googleドキュメントでレポートを提出させる場合
前項のスプレッドシートを集約するプログラムと似ている部分もありますが、下図のような Google ドキュメントによる課題を提出させた内容を、Google スプレッドシートに集約します。
ここでポイントになっているのは、生徒が回答(記入)する欄が表(TABLE)になっている点です。この回答欄に入力させた内容が、一覧にできます。
それぞれのドキュメントから抽出するために、設定しなければならないのは次の 2点です。
生徒が提出した Google ドキュメントが保存されているフォルダの ID
抽出する表(TABLE)の直前にあるユニークな文字列
これを設定した後に、「ファイルから抽出」ボタンを押します。
プログラムを実行すると、まるで Google フォームで回収したような感じでスプレッドシートに一覧が出力されます。
スプレッドシートの内容をカレンダーに書き出す
このプログラムは、Meeting #17 (2022/12/18) の中では直接扱っていませんが、さまざまな校務などを効率化するために、Google カレンダーを活用した方がいいと思うので紹介します。
リンク先の note の記事でも説明していますが、「工業教育に関する情報を発信│工業教育.net」の Tatsuya さんが公開されていた プログラムをカスタマイズしたものです。
下図のようなシート「カレンダー情報」で、「登録カレンダー取得」ボタンを押すと、自身の Google カレンダーに登録されているカレンダーを取得します。
その後、シート「イベント出力(月毎)」で以下の操作を行えば、指定したカレンダーに予定が登録できます。
「対象のカレンダー」を選択する
登録する予定を入力する
「出力」ボタンを押す
Classroom でクラスを作成すると、クラスごとのカレンダーが作成されるので、それぞれのクラスの予定を登録する使い方も可能です。
次の点に注意してご利用ください。
スプレッドシートからカレンダーに登録した内容は一方通行で、削除や更新の機能は備えていません。変更して再度登録すると二重に登録されます。
以下は、元になった Tatsuya さんのページ。