Meeting #08
Google Meet の録画問題を考える! ~2022/01/09 で Education Fundamentals での録画機能提供終了~
■日時
2021年 12月 18日(土) 21:00 ~ 22:00
■内容
昨年からの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、在宅勤務や休校中の遠隔学習等を支援するために、上位エディション利用者向けの機能を期間限定で無償開放されていました。この無償解放の期間は、状況に応じて延長されていましたが、2022年 1月 9日で終了することになりました。 → ヘルプ記事「Education エディションの比較 - Google Meet」
この終了にともなって、「Google Workspace for Education」で無償エディションとして提供されている「Education Fundamentals」や、有償プランであっても「Education Standard」では、「Google Meet」の録画機能が利用できなくなってしまいます。
今回は、そんな「Google Meet」の録画問題を取り上げます。
■アジェンダ
「Google Workspace for Education」の各エディションの説明
録画できなくなることへの代替は?
アプリ版「Zoom」で録画
「PowerPoint」で画面録画機能を利用する
Windowsパソコンで「Xbox Game Bar」による録画
Chromebook で画面録画
質疑応答
■補足情報
EDL がダイヤモンド・オンラインで連載の「Google 式10Xリモート仕事術」において、同じ録画問題について「【9割の人が知らない Google の使い方】 Google Meet の録画機能が有料化!?オンライン会議を無料で録画する方法」として取り上げられています。
上記のアジェンダの内容とは異なる解決方法も紹介されているので、こちらもご覧ください。
■「Google Workspace for Education」の各エディションの説明
Google は 2021年 2月に、教育機関向けに提供していたクラウドサービス「G Suite for Education」を「Google Workspace for Education」と改称し、ニーズに合わせて以下の 4つのエディションから選択できるようにしました。
細かな機能詳細は、ヘルプ記事「Education エディションの比較」などをご覧いただきたいのですが、Google がこれらのエディションを説明しているスライドでは、図のように階層化して説明されています。
有償プランの「Education Standard」と「Education Plus」については生徒の全数に応じて課金、「Teaching and Learning Upgrade」は利用する先生用のアカウント数に応じて課金、と仕組みが違います。
「Teaching and Learning Upgrade」は、「Education Fundamentals」「Education Standard」に対する追加オプションのような位置づけとなっているようです。
いずれのエディションも、利用している組織として契約しなければなりません。自治体・教育委員会で Google Workspace for Education を利用している場合には、管轄下の学校すべてに影響します。
先生用のアカウントの任意数で契約可能な「Teaching and Learning Upgrade」であっても、契約するのは当該アカウントを利用している個人ではなく、組織となります。
■ Education Fundamentals(無償プラン:従来の G Suite for Education)
■Education Standard(有償プラン)
Education Fundamentals に加えて、
「セキュリティセンター」を利用した管理
高度な監査ログの利用
高度な遠隔管理機能
ライセンス料は 1ユーザー当たり月額 30円、生徒用アカウント 4つごとに教職員用アカウントが 1つ無料で付帯する。
■Teaching and Learning Upgrade(有償プラン)
Education Fundamentals に加えて、
Google Meetの追加機能
独自性レポートの無制限利用
1アカウント当たり 100GBの追加容量
ライセンス料は1ユーザー当たり月額480円で、教職員用アカウントとひも付けて利用する。
■Education Plus(有償プラン:従来の G Suite Enterprise for Education に相当)
Education Standard に加えて、
Google Meetの追加機能
独自性レポートの無制限利用
24時間365日対応のサポート
1アカウント当たり 20GBの追加容量
ライセンス料は 1ユーザー当たり月額 50円で、生徒用アカウント 4つごとに教職員用アカウントが 1つ無料で付帯する。
それぞれのエディションの機能比較を抜粋すると、表のようになります。 ※この表に記載されていない違いもあります。
「Google Meet」での会議録画は、有償プランの「Teaching and Learning Upgrade」と「Education Plus」に含まれている Google Meetの追加機能 に含まれており、無償プランの「Education Fundamentals」や有償プランであっても「Education Standard」では利用できないものです。
昨年からの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、Google は在宅勤務や休校中の遠隔学習等を支援するために、従来の上位エディション利用者向けの機能を期間限定で無償開放しました。無償開放の期間は昨年の9月末までの予定(当時のブログ記事)でしたが、感染状況を考慮して延長されていたものの、2022年 1月 9日で終了します。その結果、「Education Fundamentals」「Education Standard」では、「Google Meet」での会議録画が行えなくなります。
上記のような 4つのエディションの比較は、Google for Education のサイトなどでも以下のように説明されていますが、YouTube チャンネル「どこがく」でもわかりやすい 2つの解説動画が公開されているのでご覧ください。
エディションの比較(Google for Education)
ニーズに応じて選べる Google Meet のバージョン(Google for Education)
Googleが教育機関向けの「G Suite」を「Google Workspace」に改称 サービスを拡充 - ITmedia PC USER
【最速解説 #1】Google Workspace for Education 有償版(無料トライアルあり) - YouTube チャンネル「どこがく」
【最速解説 #2】Google Workspace for Education 高度な機能のご紹介(無料トライアルあり) - YouTube チャンネル「どこがく」
◇ アプリ版「Zoom」で録画
「Google Meet」で録音できなくなると、2つ問題が発生します。
一つ目は、当たり前ですが会議の様子が録画できなくなるということです。
同期型のオンライン授業を、記録しておくことができなくなります。記録としてだけでなく、欠席者などへの対応ができなくなるということですね。
二つ目は、動画教材の制作ができなくなるということです。
いわゆる「ひとり Meet」と呼ばれているテクニックで、一人で「Google Meet」をやって、その様子を録画することで教材にするということができなくなります。
アプリ版「Zoom」を使うと、どういうことができるかを説明していきます。
Google アカウントで、Zoom のアカウントは簡単に取得できます。Google Workspace のアカウントも Google アカウントなので、簡単に取得できます。
無料プラン「基本(BASIC)」でも、アプリ版「Zoom」であればローカルストレージへの録画が可能です。
基本のプランだと、3人以上が参加する会議には40分の時間制限が課せられてしまいます。
現状は、教育機関向けに時間制限解除の措置が行われていますが、その対応も 2021年 12月 31日で終了する見込みなので、Google Meet で録画できなくなる頃には、Zoom には時間制限が課せられていると思います。
無料の基本プランでは、ブレイクアウトルームが使えるんですが、Google Meet で使えるような共同ホスト機能(複数人で会議を管理する機能)が使えないので、よかったり悪かったりという感じです。
このあたりのそれぞれのプランの詳細については、Zoom のホームページの「プランと 価格」で説明されています。
参加者の定員については Google Meet と同じように 100人
録画機能については、ローカルストレージには録画できるんですが、
グループミーティングと呼ばれている 3名以上の参加者がいる会議には、40分という時間制限が課せられることになっています。
このアプリ版「Zoom」を利用することによって、
会議の様子が録画できなくなることについては対応できるんですが、会議そのものが3名以上の参加者がいると40 分という時間制限を課せられてしまうので、授業を録画するっていうことには向きません。大概の授業は40分以上の時間があると思うので、授業にはちょっと対応し辛い感じがします。40分以内の用途であれば十分に使えると思います。
二つ目の教材動画の制作ができなくなるという点については、1人で利用する分には、40分の時間制限が課せられないので、画面共有を用いた教材制作が簡単に行えます。
これからは「ひとり Meet」ではなく「ひとり Zoom」で動画教材を作ればいいと思います。
それでは録画の手順について説明していきます。
アプリ版「Zoom」を開いて、「新規ミーティング」をクリックします。
会議が始まったら、「レコーディング」ボタンを 押して録画を開始します。「レコーディング」ボタンは、Zoom の画面の下 の部分にあります。
ALT(オルタネイト)キーを押しながら R を押しても、レコーディングを開始できます。
プレゼンテーションソフトなどの資料を共有する場合には、資料内に音声も含まれているなら画面下の「音声を共有」をクリックしてから、画面共有をはじめてください。
まとめとして、 Zoom の基本プランでは、高機能なブレイクアウトルームが利用できるメリットもありますが、40分の時間制限があるので授業を録画するという用途の置き換えにはちょっと難しいと思います。
ただし、教材作成ツールとして「ひとり Meet」は「ひとり Zoom」に置き換えが可能だと思います。
「ひとり Zoom」で上記内容を録画したもの