単発プログラムとして、今年はスノーシューキャンプを開催しました。体調不良などで数名の欠席者が出たものの、富士山チャレンジの参加者含め、小学5~6年生4名が参加。
初日は開会式のあと、植村直己さんが行った冒険や人となりを学びます。外へ出てアイスブレイクで仲間との距離を縮めたり、謎解き探検をしたり。人数が少ないこともありますが、スタッフとも新しい仲間ともすぐに打ち解けて、和やかな雰囲気で楽しむことができました。
夕方雨が降り始める中、タープの下で焚き火を使って夕食作り。今夜は好みの具材を組み合わせて、鍋焼きうどん。どんどん気温が下がっていくので、鍋の湯気とみんなが吐く息の白さが独特の雰囲気を醸し出します。身を寄せ合って食べる鍋は格別でした。焼きマシュマロ(というより、焦がしマシュマロ⁉)も予想以上の大人気。身体を温めたら、明日の準備をして、どんぐりbaseで走りまわったり転げまわったり。
当日の豊岡の最低気温を調べると0.9℃でした。極寒の中、ペットボトルで作った湯たんぽを抱えて寝袋に入ります。たっぷり活動したので、みんな意外とすっと眠れたようです。テントは夜通し雨の音に包まれていました。
26日、起きる時間はまだ薄暗く、ライトの明かりで朝食作り。ホットドッグの仕上がりを待つ間も飽きることなく、皆本当に焚き火が好きなんだなあと思いました。
身支度を整えて出発。冒険館周辺には全く雪がなかったのですが、少し上がった奥神鍋には雪がたっぷり。いざ、スノーシューを装着して歩きはじめます。慣れない感覚にみんな最初はぎこちない感じでしたが、徐々に慣れ、どんどん進んでいきます。ふかふかの、とても良い雪でした。
歩きはじめは吹雪いていたり、スノーシューに慣れなくて少しつらかったかもしれません。また、歩く途中で足が痛くなる子もいました。それでも、雪遊びをしたり、雪のスライダーを滑ったり、楽しみながら進みます。いや、進まなければお昼ご飯も食べられないし、家に帰れないのです。こういう緊張感も、普段はなかなかないのではないでしょうか。
お昼は雪原の大きな松の木の下で、お湯だけで出来る炊き込みご飯と豚汁を食べました。お腹が空いていたのか、みんな黙々と食べていました。
天気予報は曇りや雨だったのですが、運のいいことに晴れ間もあり、とてもいい景色を見ることができました。
閉会式は少しあわただしく、感想を聞くことができなかったのですが、後日何名かの参加者から、とても楽しかったとの声を頂きました。雪や天気の影響が大きく、ようやく実現できたスノーシューキャンプ、スタッフとしてもとても嬉しいです。また来年も開催出来たらと思っています。
8月18日、各地から参加者が集まり、いよいよ富士山への挑戦の始まりです。家族に「行ってきます」を告げる各自の表情から、緊張と期待が伝わってきます。夜行バスに乗り、翌19日の朝、富士吉田市のバスターミナルに到着。
これから三日間リードしてくださる冒険家の安東浩正さんと合流し、まずは富士風穴の探検へ。ヘルメットや雨具を着けて樹林のなかを進むと、陥没したような地形が現れ、風穴の入り口が見えてきました。風穴に入ると急に冷凍庫に入ったような寒さ。途中、ヘッドライトを消して真っ暗闇を体験してみました。静寂の中、水が滴り落ちる音が聞こえます。安東さんによると、本来ならもっと氷があるはずなのですが、今年は過去にないほど融解が進んでいるとのことです。
夜は、安東さんの冒険のお話、明日の富士登山に向けた装備のアドバイスを聞きました。早速各自パッキングをし、就寝。
20日朝。早起きして朝食を済ませ、シャトルバスで富士吉田ルート登山口に向かいます。5合目につくと横殴りの雨が。天気の好転を願いつつ、標高に体を慣らすため1時間ほど過ごします。
雨が止む気配はないものの、午後は晴れる予報。雨具を装着して出発。歩き始めて間もなく、晴れてきました。
皆まだまだ、しっかりした足取りです。
晴れたり曇ったりの中、歩き続けます。ゆっくりと、着実に。
急登に苦戦する子もいましたが、休憩や行動食ですぐに笑顔に戻ります。第一回以降、体力作りはもちろん、早起きや食事など、自分の課題に取り組んだ子も多く、その成果がはっきりと表れていました。気持ちの面でも以前と格段の差があり、本当に驚かされました。
八合目の山小屋、元祖室に到着。高山病予防のため、すぐに横にならずに散歩をしたりして過ごします。夕食は野菜カレー。
この後、頭痛や吐き気を訴える子が数名出ました。慣れない標高、初めての山小屋、疲労など、大変だったと思います。呼吸を整えたり、マッサージしたり、外の空気を吸ったりと、何とかやり過ごして眠り、朝を迎えました。
4時起床。眠い目をこすって外に出ると、美しい朝焼け。雲海から太陽が昇る、美しい景色を励みに、頂上を目指します。寒い、眠い、空気が薄い。でも、すごく気持ちがいいです。誰も挫けずに歩き、全員、頂上に到着しました。
ここからは、富士山火口をぐるっと回る「お鉢巡り」組と、下山組に分かれます。
この日はとても天気が良く、風もなかったので、頂上付近も驚くほど暖かかったです。お鉢巡りも順調に歩き進みました。
下山道は登りとは打って変わって、赤土ばかりのギザギザ道。滑りやすく長い下りに、足の疲労がどんどん溜まります。山の天気は変わりやすく、下山途中で雨が降ってきました。急坂で怪我をしてしまった子もいましたが、全員なんとか下山することができました。
最終日は、疲れを取りながら、制作活動などをして過ごします。まずは、登頂記念の写真を一枚。各自、自分のノートに富士山に登った後の新鮮な気持ちや、自分の変化を綴ります。
その後みんなでバスに乗り、「忍野八海」へ。こんな山に登ったんだということを見て感じて欲しいと思っていたのですが、あいにくの曇天で富士山を眺めることはできませんでした。でも、みんなお土産を買ったりご当地スイーツを食べたりに夢中!それはそれで、かけがえのない時間でした。仲間やスタッフと過ごす時間も目いっぱい楽しみ、挑戦の苦しさや成功の喜びを家族や恩人に伝えたいという思いに溢れた、とても感受性の豊かな子どもたちです。
宿に戻り、好きな色で足拓を取りました。第1回からの変化が一目瞭然というくらいに足が大きくなっている子が多くいて驚きました。途中から、絵具を触るのが楽しくなってフェイスペインティング。
最後の夕食とお風呂を済ませ、夜行バスに乗って大阪へ。長い旅が終わります。みんなとても疲れていたはずですが、家族を見た時のほっとした顔がとても印象的でした。チャレンジに参加したみんな、そして家族の皆さま、お疲れさまでした。
第三弾のチャレンジは神戸市立自然の家から六甲山山頂931mまでの往復約15㎞を丸1日掛けて歩くロングトレイルに挑みました。富士山5合目~山頂までの往復距離と同じ距離感を体験することで、長く歩くためのコツや、給水の仕方を学び、富士山登頂へ向けて更にレベルアップを図りました。
1日目:仲間との絆を作るチームビルディングを行い、夜は神戸の夜景を見に掬星台までナイトハイクをしました。
2日目:いよいよロングトレイル15㎞にチャレンジ!参加者15名全員登頂しました。
3日目:最終日はカヌーやアーチェリーと色んなことを経験しよう!経験・体験は技術になります。
次回のチャレンジ、富士山まで1カ月となりますが、がんばって準備しよう♪
トレーニング登山として蘇武岳登山を予定していましたが、雨天のため中止になりました。参加者に中止連絡をした上で、希望者には、冒険館で装備のフィッティングの仕方、服装や歩き方のアドバイスなど、登山に向けた相談会・説明会を行いました。参加者はスタッフとのコミュニケーションを深めながら、富士山に向けて少しずつ、イメージを膨らませている様子が感じられました。富士山チャレンジへの参加が決まってから、家族でトレーニングに励んでいるという参加者もおり、スタッフとしてとても嬉しく思いました。今回顔を見られなかった人たちはどんな取り組みをしているのかな、と再会に向けワクワクしています。
子どもたちの挑戦心や協調性を養い、生きぬく力を育むきっかけとなる体験活動として、今年度から植村直己に学ぶ富士山チャレンジ(全4回)がスタートしました。小学校5,6年生16名が集まり、四国からの参加者もいました。