ViatualBoxは仮想化ソフトウェアの1つ である。Windows上でLinuxなどを動作させることができる。公式のダウンロードページからVirtualBoxをダウンロードし、インストールする。1つのコンピュータ上に2つ以上のオペレーティングシステム(OS)を動かすことになるので、必要なメモリ最低8GBは必要で、用途によってはさらにそれ以上必要である。
UbuntuなどのLinuxのディストリビューションを選び、isoイメージをダウンロードする。これがゲストOSになる。
ホストOSとはVirtualBoxを動作させているコンピュータのOSで、ゲストOSとはVirtualBoxの内部で仮想的に動作するコンピュータのOSである。私の環境ではホストOSはWindows10で、ゲストOSは複数のLinuxである。
VirtualBoxを起動し、[新規]ボタン(またはメニューバーの[仮想マシン]>[新規]、Ctrl+N)をクリックする。
1.ゲストOSの名前を任意に入力し、[次へ]ボタンをクリックする。
上の例では名前にubuntuと入力した。[タイプ]と[バージョン]は変更可能だが、名前を入力すると自動的に変更されるようである。
2.「メモリーサイズ」を設定する。最低1,024MB、通常は1,536MBほどで十分、余裕があれば2048MBというところだろう。後で変更可能である。[次へ]ボタンをクリックする。
3.「ハードディスク」を設定するが、通常はデフォルトの[仮想ハードディスクを作成する]を選択する。[作成]ボタンをクリックする。
4.「ハードディスクのファイルタイプ」を設定する。デフォルトの[VDI]のまま[次へ]ボタンをクリックする。
5.「物理ハードディスクにあるストレージ」を設定する。デフォルトの[可変サイズ]のままでよいだろう。[次へ]ボタンをクリックする。
6.「ファイルの場所とサイズ」を設定する。デフォルトでは8または10GBに設定されているが、少し足りないのでPCハードディスクに余裕があれば20GBに設定する。
仮想マシンが作成されるので、ゲストOSの設定を行う。ゲストOSをクリックして選択し、設定をクリックする。[設定]ウィンドウのストレージをクリックし、[コントローラー: SATA]の右のCDアイコン(マウスを持っていくと「光学ドライブの追加」とツールチップで表示される)をクリックする。
「光学ディスクの選択」ウィンドウが表示されるので[追加]をクリックし、ダウンロードしたLinuxのisoファイルを一覧に加え、一覧から追加したisoをクリックし、[選択]ボタンをクリックする。因みにIDEとSATAの違いは、SATAの方が新しい規格であるということである。[コントローラー: IDE]の方が認識が先になることもあるようなので、もし[コントローラー: SATA]でつまづくようであれば、[コントローラー: IDE]にisoを追加する方法で試そう。
「設定」ウィンドウに戻り、isoをクリックし、右の「属性」の「Live CD/DVD」にチェックを入れ、「設定」ウィンドウを閉じる。
[起動]ボタンをクリックするとisoのLinuxが起動するので、そこで仮想ハードディスクへのインストールを行う。ここのインストールはLinuxMintを例に次のセクションで説明する。
仮想ハードディスクへのインストールが終わったらゲストOSをシャットダウンし、「設定」ウィンドウで[ストレージ]のisoの「Live CD/DVD」にチェックを外す。インストールが成功したら、右クリックし「割り当てを除去」をクリックしてもよい。「割り当てを除去」しない間はLinuxMintの場合、デスクトップにCDアイコンが表示される。
仮想ハードディスクにインストールが成功し、[起動]ボタンから起動できれば、ゲストOSとしては配置完了である。
前のセクションでisoを起動したときの操作手順を解説する。
1.起動すると以下のような画面になるので「Start Linux Mint」を選択する。ここは時間が経てば自動的に選択される。
2.デスクトップ画面に来たら「Install Linux Mint」アイコンをダブルクリックする。
3.言語を選択する。日本語にする場合は下にスクロールし、[日本語]を選択し、[続ける]をクリックする。
4.キーボードレイアウトを選択する。日本語キーボードを選択すればよいだろう。Windowsでローマ字入力に慣れているなら左のリスト選択および右のリスト選択は両方とも[日本語]を選び、[続ける]をクリックする。
5.「グラフィックス、Wi-Fi機器、Flash、MP3やその他メディアに必要なサードパーティーソフトウェアをインストールする」にチェックするか選ぶ。コマンドの勉強やサーバー用途の場合はチェックは不要だろう。[続ける]をクリックする。
6.「インストールの種類」では「ディスクを削除してLinux Mintをインストール」をチェック(デフォルト)し、[インストール]をクリックする。「ディスクに変更を書き込みますか?」には[続ける]をクリックする。
7.「どこに住んでいますか?」はTokyoにする。地図をクリックしても選ぶことができる。[続ける]をクリックする。
8.「あなたの名前」~「パスワード」を入力する。分かりやすいものにするか、入力した情報をメモしておこう。次のセクションの設定に一例を示している。「自動的にログインする」ボタンを選べば自動的にログインできる。[続ける]をクリックする。
9.インストールが始まるので暫く待つ。ネットワーク接続がある場合、言語パックをインストールするのでかなり時間がかかる。
10.インストールが終わると再起動が求められる。分かりやすくやるなら、シャットダウンしてVirtualBox のiso イメージを除去すると良いだろう。
一例として以下のように設定する。
- メインメモリ:2048MB
- プロセッサー:3
- ビデオメモリ:64MB
- SATAポート0:(通常,20.0GB)
あなたの名前:cpage
コンピューターの名前:LinuxMint
ユーザー名の入力:cpage
パスワードの入力(確認):(パスワード)
VirtualBox上でLinuxを起動すると画面が小さく表示される。その変更方法を解説する。
Ubuntu系の場合の設定方法
1.デスクトップメニューを開き、[システム設定](LinuxMintでは左アイコングループの上から3番目)をクリックする。
2.[システム設定]ウィンドウの[ハードウェア]カテゴリの[ディスプレイ]をクリックする。
3.解像度を選択し、[適用]ボタンをクリックする。
適用後はホストキー(右Ctrl)+Aキーでウィンドウサイズの調整をしよう。
ホストOSとゲストOSのクリップボードの共有などは、VirtualBoxの[設定]ウィンドウでの設定では、[一般]カテゴリの[高度]タブで[クリップボードの共有]を[双方向]にすれば良い。
加えて、ゲストOSそのものにも設定が必要である。ただし、失敗するとOSが壊れることもあるようなので、「C:\Users\(ユーザー名)\VirtualBox VMs\(ゲストOS名)」にあるvdiファイルをバックアップしておく。
1.VBoxGuestAdditionsをダウンロードする。VBoxGuestAdditionsはhttp://download.virtualbox.org/virtualbox の中から適当なものを選ぶ。2020.05.22時点ではvirtualbox/6.1.8ディレクトリ内のVBoxGuestAdditions_6.1.8.iso がある。(因みにであるが、UserManual.pdfはマニュアルである。)
2.VirtualBoxの設定のストレージの「コントローラー: IDE」にダウンロードしたVBoxGuestAdditions_6.1.8.isoを追加し、ゲストOSを起動する。
デスクトップに「VBox_GAs_6.1.8」が追加されるので、そのなかの「VBoxLinuxAdditions.run」を端末の管理者権限で実行する。
3.端末を開く。
4.「/media/(ユーザ名)/VBox_GAs_6.1.8」ディレクトリに移動する。
5.「sudo ./VBoxLinuxAdditions.run」を実行する。
6.再起動する。無事に成功すれば、クリップボード共有されている。
ネットワークとして見た場合、デフォルトではホストOSはWANでホストOSはLANという「NAT」扱いになる。この設定ではゲストOSはインターネットへアクセスできるが、ホストOSからゲストOSへアクセスできない。つまり、ゲストOSでWebサーバーを起動してもホストOSからアクセスすることができない。
ホストOSからゲストOSにアクセスできるようにするための1つの方法として、VirtualBoxのネットワーク設定で「アダプター2」の割り当てに「ホストオンリーアダプター」を設定する方法がある。
この状態でゲストOSを起動し、端末でifconfigコマンドを実行する例を示す。
ここでは192.168.56.101というアドレスが追加され、ホストOSからゲストOSへアクセスするときに使用できる。これでホストOSからゲストOSへのアクセスが可能になる。ゲストOSのWebサーバーにアクセスするゲストOSのウェブブラウザでアクセスするアドレスは、上の例では「10.0.2.15」、「192.168.56.101」、「127.0.0.1」、「localhost」でアクセスできることになる。
また、「ブリッジアダプター」を選択するとホストOSのネットワークに追加される扱いになるなど、他にも設定がある。
参考リンク: