ラーメン構造
Rahmen structure ラーメン=梁 梁と柱が強結合になって構造物を支えている構造
ラヴェンナ
(イタリア) Ravenna 西ローマ帝国が遷都404 古代ローマ最後の栄光都市 世界遺産 サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会堂 ガッラ・プラキディア霊廟 サンタポリナーレ・イン・クラッセ大聖堂(ラヴェンナ最大) サンタポリナーレ・ヌオーヴォ大聖堂
ラテン十字形
Latin cross 一片が長い十字 縦横同じ長さはギリシャ十字 カトリック教会堂の平面はロマネスク時代からラテン十字形が広まった ラテン十字形あるいは長方形はカトリックのミサによく適合する形態。推定の理由としては
①権威性
カトリックの場合、教会(聖職者)は神と信者をつなぐ必須のものであり、その役割と権威をミサに参集する信者に明確にしなければならないが、この時、祭壇を中心にギリシャ十字形で3方向に信者を配列すると横席からの印象が弱くなってしまうのでラテン十字形の長辺に1方向に並べるのがよい
②劇場性
ミサはキリストの最後の晩餐~復活を再現した一種の劇であり、横席からは鑑賞しにくく、散漫な意識になってしまう。
③音響性
拡声器のない時代に肉声での説教や聖歌、パイプオルガンを響き届かせるには一方向に響かせる方がよい
東方教会がカトリックのようにラテン十字には転換せず、ギリシャ十字のまま残存したのはカトリックの様な強い権力性を持たなかった点と聖体礼儀(カトリックのミサに相当)の様式が強い劇場性を持たなかった為と推定
ラ・ロトンダ
(イタリア・ヴィチェンツァ) ヴィラ・アルメリコ・カプラ パラーディオ1606 四方に神殿風の玄関(ポルティコ)を持ち真ん中にドームを抱く
ラングドック地方
(フランス) Languedoc スペインと接する南フランス域 高ラングドック:内陸側 低ラングドック:地中海側 11-12cカタリ派の中心地
ランス大聖堂
(フランス・ランス) =>ノートルダム大聖堂ランス
ランセット窓
Lancet window 上部が尖塔形になって途中に桟のない背の高い縦細い連窓 ゴシック期に多く使われる
ランタン
採光塔 Lanthan ドームの頂上に設置される尖った屋根形状。或いは=>クーポラのことを示すこともあり。ドームの上に設置され、その窓からドーム内への外光をとりいれることが出来るためランタンという名称になった。
リヴァイバル建築
Revival architecture 18c- 元々のオリジナル建築様式そのものに則り新建築またはリストア
陸屋根
フラットな屋根
リスボンド
受け柱 窓などの小さいアーチを受ける半円の小柱 通常は構造体ではなく壁面分割の装飾意匠
リブ
rib 当初はヴォールトの陵部に付けられる強化構造帯 後世には構造面よりも装飾面で用いられた
稜堡
バスティオン 防御補助として城壁から突き出た塔や構築
稜堡式城塞
=>近世築城
リンク・シュトラーセ
(オーストリア・ウィーン) Ringstraße 市壁跡。6.5Km75m幅の環状路。周囲に各種様式の建物群(折衷主義)。国会議事堂:グリーク・リバイバル様式 奉献教会堂、市庁舎:ネオ・ゴシック様式 自然史・美術史博物館:ネオ・ルネサンス様式 ブノレクテアーター(帝国ブルク劇場)、ノイエ・ホーフブルク宮殿:ネオ・バロック様式 シユターツオーバー(国立歌劇場、1861-68):折衷様式(エクレクティシズム)
リンダーホフ城館
(ドイツ・バイエルン州) Schloß Linderhof バイエルン王ルートヴィヒ2世 1869年着工
リンテル
lintel 日本語で「まぐさ」 窓やドアなどの開口部を作る際、両脇の柱の上に横断して置かれる部材 石材による組積造建築で開口部を作る場合のリンテルは石材の引張強度が弱いので長尺は不可能となり、幅狭い開口部しか作れなかった 後にリンテルに変わりアーチ技法が発明され幅広い開口部が作れるようになった 現代では鉄筋などの部材により長尺のリンテルも可能となった
ルーブル宮殿
(フランス・パリ) Palais du Louvre 城砦から宮殿へ 元は13cドンジョンを中心とした正方形城砦→1527宮殿へ→1646ピエール・レスコーよりドンジョンを廃し、ルネサンス様式3階建てのレスコー棟建築→各辺倍化(面積4倍)→東側ファサードの設計案経緯
ルヴォー案:ローマ・バロック的な中央に吹き抜け楕円形広場と楕円形ドーム
ベルニーニ第1案:ダイナミックな曲線多用ファサードのローマバロック調
ベルニーニ第3案:直線基調だがやや凹凸ある古典調は着工に至るが途中で中止
フランソワ・ル・ヴォー案:ローマの教会バロック調を踏襲せず、新しくフランス王権バロック調を現すような双子ジャイアントオーダの列柱群 ただし凹凸は少なくダイナミック性は欠ける→残存
ルーブル宮殿・レスコー館
(フランス・パリ) 1546フランス人建築家レスコーによる旧城塞の建て直し 3階建てルネサンス様式 1階コリント式ピラスターとアーチ 2階コンポジット式ピラスターと櫛形~三角形ペディメントの連続した窓 建物中央部にパビリオン
ル・コルビュジエ
(建築家) Le Corbusier 1887-1965 ドミノシステム構想1914:柱とスラブ(床と天井の総称)と階段だけからなる開放的な建築 現代建築5要点1927
・1階部分をピロティにして外部に開放
・自由な平面=柱を構造体にして仕切り壁位置を自由に
・自由なファサード=ファサードを非構造体に
・横に長い窓
・屋上庭園の設置
アルベルティの壁式構造は正反対 例:ユニテ・ダピタシオン(マルセイユ)
ルスティカ仕上げ
Rustication 石造建築で石壁の表面を滑らかにせず,目地(継目)を際だたせたり,石材面を突出させたり,凹凸を目だたせて,荒々しく力強い表情をもたせる技法 通常、最下層や玄関・出入口回りなどに施される
ルネサンスの時代背景
Renaissance 16-17cにイタリアで生まれて来た文化様式
後期ゴシック期はペスト大流行、シスマ(宗教分裂)、コンスタンティノープル陥落(西ローマ帝国滅亡)、宗教改革、英国聖公会分離など社会にとってもキリスト教にとっても混乱の時代となっていた。イタリアも混乱の中にあったが、東方との経済・文化的交流は進み、その中で新しい社会の見方が浮上。
・発掘の進展などで古代ギリシャ、ローマ文明の優秀さが見直され(当時はその時代よりも古代の方が文明が高かったとの認識)これを「復興」するのが道であるとの認識
・中世の「絶対神のキリスト教と罪人としての人間との関係」から、「人間も神の完全な創造物として宇宙と調和した自由を持つ」という人間観の発現。
・建築においては古代神殿のような端正な姿が理想(ゴシックのごちゃごちゃした姿ではなく)
ルネサンス建築様式の特徴
16-17c初にイタリアで起こった建築様式 基本的には古代ギリシャ・ローマの建築様式の復興 力を持った商家のニーズ(ゴシック様式は宗教色強い)への対応
・オーダーの徹底
・半円アーチ(ゴシックの尖頭アーチではなく)
・均等性、水平性の重視(等間隔の柱、同じ立体感の柱)
・内部と外部の一致=3階建ては3階建ての外装を持つ(各階毎に柱と梁を付ける)
・隠し屋根
ルネサンス様式教会堂
・整数比例の幾何学的様式(ベイの配置、正方形、円の多用 等間隔の窓)
・古典の集中式建築(円形、多角形、ギリシャ十字形)への回帰→結局はミサとの関係で上手くいかず、ラテン十字形になる =>サン・ピエトロ大聖堂
・教会堂へのルネサンス様式(オーダー)の適用
→山形の教会堂とルネサンス様式(オーダーの遵守、階構成の明確化)の齟齬が問題(高さを求めるゴシックではこの齟齬は起こらなかった) ①側廊高と身廊高の二階建て外観とし構成 =>イルジェズ型教会堂として広く普及
②大オーダーを用いることで一面ファサードを構成=>マニエリスム
レイヨナン Rayonnant ゴシック末期の教会堂のトレーサリーに現れる炎状模様、枝模様
歴史主義建築
19世紀の過去建築の意味づけによる建築群 特定の過去に着目するのではなく、それまでに出てきた多くの様式を全て取り込む 例:パリのオペラ座
レコンキスタ
Reconquista 718-1492年までに行われた複数のキリスト教国家によるイベリア半島のイスラム支配に対する再征服活動の総称
レッチェ
(イタリア) Lecce 11cからの司教座都市 17cのバロック建築群 バロツク様式の教会堂建築や都市住宅が多く見られる
・古代ローマの闘技場
・サンタクローチェ(バシリカ):様式混在
・サンティレーネ聖堂:イルジェズ型外観+内部はバロック
・サン・マッティオ聖堂17世紀 建築家ジンバロとの関係密
ロージェ
(建築家) Marc-Antoine Laugier 1713-1769 建築の三要素=円柱+梁(エンタブラチュア)+切妻(ペディメント)=軸組構造 壁は構造体として出てこない→東洋の木造建築と同じ アルベルティの組積造に対抗する考え
ローマ
(イタリア) Rome 建築視点では古代ローマと中世ローマに区分できる 古代ローマは古代ギリシャをモデルとした古典建築群 中世はキリスト教との密関係によるルネサンスやバロックなどの中世建築群
ローマ帝国
Imperium Romanum 王政BC905-BC753 共和制BC509-BC27 帝政BC27-1453 東ローマ帝国395-1453(コンスタンティノープル) 西ローマ帝国395-476(ローマ→ミラノ→ラヴェンダ)=>神聖ローマ帝国962-1806
ロココ様式
Rococo style バロック後期 主に室内装飾の様式、貝殻の曲線を多用する繊細なインテリア装飾 白い壁+黄色・金色・銀色の装飾+大鏡+細かい曲線装飾 特にドイツ語圏で多用された
ロッジア
loggia 片側が屋外にむけて開放された長い屋根付きアーケード 例:ローマの捨子養育院
ロトンダ
rotundus 平面が円形で通常はドーム屋根を持つ建築物。また円形の部屋。例:ローマのパンテオン、ヴィラ・ロトンダ
ロマネスク様式
Romanesque architecture 4-10c頃の建築様式
ロマネスク様式教会堂
4-10cの多様な初期キリスト教建築を経て、次第に定式化されてきた10-12cの教会堂建築の様式
・ラテン十字バシリカ平面→ミサに適合
・厚壁構造建築
・窓が造りにくく内部は暗い
・天井は立体状に石材で構成(円筒ヴォールト、交差ヴォールト)
・上部が丸い半円アーチ(アーケード、窓)を多用
・ロンバルディア帯による外壁装飾(特に切妻の軒下)
・アプス付近の放射状チャベル(聖遺物展示)
・塔の多用
・ヘルムスパイアの塔(四面菱形屋根)
・身廊壁面の構成はアーケード(arcade)+トリフォニウム(trifonium)+クリアストーリー(clerestorey)
・平面の構成:身廊(nave)、側廊(aisle)、交差廊(transept)、内陣(choir)、アプス(apse)
ロマネスク教会堂(イタリア的特徴)
バシリカ様式 鐘楼と円形洗礼室を独立建築とする 柱頭の繊細彫刻
ロマネスク教会堂(フランス的特徴)
アプスを取り巻く放射状チャペル→ゴシックへ転用 巡礼路に沿って建築(終点:サンティアゴ・デ・コンポステーラ聖堂)
ロマネスク教会堂特徴(ライン川沿い)
二重アプス 菱形を組合せた屋根(ヘルムスパイア)
ロンデル窓(ガラス)
Rondel window 中世の頃までは大きな板ガラスが作れなかったのでビンの底のような小さいガラス円盤を作り、それを鉛などでつなぎ合わせることで作った大きな窓ガラス
ロンバルディア・バンド(帯)
Lombard band ロマネスク教会堂に特徴的な軒下の波形の飾り