中部アフリカ研究 in Kyoto

図書

中部アフリカでフィールドワークをおこなってきた研究者の著書・編書を紹介します。収録論文については、論文の頁をご覧ください。

妖術と共にあること ー カメルーンの農耕民バクウェレの民族誌 ー 』山口亮太 著(2022)明石書店

カメルーン東南部に居住する農耕民バクウェレの妖術とそれをめぐる語りの分析を通じて、従来の「妖術=呪い」等式を解体し、バクウェレにとっての妖術が照射する人間の在り方を考察。民族生成状況を詳細に復元するとともに、妖術に関する人類学的知見に新しい局面を開いた一冊。

バナナの足、世界を駆ける 農と食の人類学』小松かおり 著 (2022) 京都大学学術出版会

融通無礙なる存在・バナナ。世界の人びとの付き合い方はこんなに違っているのに、でもこれほど愛される食べ物が他にあるだろうか? コンゴ・カメルーン・ガーナ・ウガンダ・インドネシア・パプアニューギニアそして沖縄。世界中のバナナを通して農と食をみつめてきた研究者がたどり着いた、ヒトとバナナの「遊び」の関係。

出会いと別れ 「あいさつ」をめぐる相互行為論 』木村大治・花村俊吉 編(2021)ナカニシヤ出版

出会いとは何か、別れとは何か? 学際的に分野を横断しながら、相互行為(インタラクション)そのものの成り立ちに迫る!

教示の不在ーカメルーン狩猟採集社会における「教えない教育」』園田浩司 著(2021)明石書店

狩猟採集社会では教育が行われないという。子どもが自発的に生業活動に参加し、知識と技術を身につける。学習の過程において子どもと周囲はどのように関わり、互いにどのように位置づけるか、そのメカニズムを膨大な調査データに基づき実証的に示した。

森の目が世界を問う アフリカ熱帯林の保全と先住民 』市川光雄 著(2021)京都大学出版会

富裕層のスポーツハンティングが許される一方で,地域住民の生活のための狩猟が規制される―。地球大気や生物多様性の保全のために住民が犠牲になるアフリカ熱帯雨林の現状は,外部主導の自然保護が抱える課題を浮き彫りにする。人と自然の共存世界の在り方を問う一冊。

コンゴ・森と河をつなぐ 人類学者がめざす開発と保全の両立』 松浦直毅・山口亮太・高村伸吾・木村大治 編(2020)明石書店

戦争でインフラが破壊され、流通が損なわれたままのコンゴの森林の村。そこを調査の拠点とする人類学者たちが、地域住民とともに河川舟運による新たな流通手段の開設に乗り出した。はたして商品は無事にコンゴ河沿いの都市に届くのか? 波瀾万丈のプロジェクトの記録。

アフリカの森の女たち

文化・進化・発達の人類学ボニーヒューレット(著)服部志帆・大石高典・戸田美佳子(訳)(2020春風社

「ねえ、聞いて」― ある暑い午後、アメリカから来た人類学者の部屋を訪れた女性たち。少女時代、結婚、出産と子育て、喪失、そして老い― 中央アフリカ共和国で隣り合って暮らす農耕民ンガンドゥと狩猟採集民アカの女性たちが人類学者に語る、「女になること」の意味。女性たちの語りと文化・進化・発達の理論から、人間の多様性と普遍的特性が見えてくる。

犬からみた人類史 大石高典・近藤祉秋・池田光穂 編2019勉誠出版

犬をめぐる刺激的な思考実験の旅!人は最も身近なパートナーである犬と、どのようにして関係を築いてきたのか?進化生物学から、文化人類学、民俗学、考古学、実際の狩猟現場…、過去から未来まで、様々な角度からとらえた犬の目線から語られる、「犬好きの、犬好きのための、犬好きの執筆陣による」全く新しい人類史!!

見知らぬものと出会う‐

ファースト・コンタクトの相互行為論』木村大治 (2018東京大学出版会

「未知との遭遇」の多様な思考実験の蓄積があるSF(サイエンス・フィクション)作品を渉猟し,著者自身によるフィールドワーク,文化人類学,霊長類学,相互行為論,分析哲学などの知見を縦横無尽に参照して,コミュニケーションの成立条件を考察する.

Inscribing the body: An anthropological study on the tattoo practise among the Baka hunter-gatherers in southeastern Cameroon

Peng.Y 著(2017京都大学アフリカ研究シリーズ19

Tattoo is one of body decoration culture among human societies. But why would people still like to keep doing this painful practice? This book is going to give the ethnographic dataset of the Baka hunter-gatherers in the forest of Cameroon, to understand the significance of tattoo practice by focusing on their social relations and behavioral patterns.

食と農のアフリカ史:現代の基層に迫る 』石川博樹・小松かおり・藤本武 編(2016)昭和堂

壮大で複雑なアフリカの食文化と農業の歴史に15人のフィールドワーカーが挑む。今のアフリカを知るために歴史を学ぶ、類を見ない書。多様な気候と植生が分布するアフリカ大陸では、それぞれの環境に適応した農業と食文化が育まれてきた。それらの複雑さ、不可思議さを理解するために必要な歴史的視点を提示する。

民族境界の歴史生態学:カメルーンに生きる農耕民と狩猟採集民』 大石高典 著(2016)京都大学学術出版会

ミニ・アフリカ,カメルーンの熱帯雨林は,市場経済化,開発と自然保護,先住民運動などの急速な変化に揺れている.変わりゆく暮らしのなかで,農耕民と狩猟採集民の境界はいかに維持されているのか.伝統と変容が交錯するなかでの民族間の境界の駆け引きを,歴史的な視点から描き出し,自然/生業/社会の相互作用に迫る.

動物と出会う2:心と社会の生成 』木村大治 編(2015)ナカニシヤ出版

「心」とは何か?「社会」とは何か? 人間と動物を同じ地平で考えるとき、「心」と「社会」はどうみえるのか? 人類学,霊長類学,認知科学,心理学など多様な分野を横断し,人と動物のかかわりに肉薄する待望の論集,第II巻。

動物と出会う 1:出会いの相互行為』 木村大治 編(2015)ナカニシヤ出版

「狩る」か? 「挨拶する」か? 人間と動物,動物と動物,人間と人間が出会うとき,そこでは何が起きるのか? 人類学,霊長類学,認知科学,心理学など多様な分野を横断し,人と動物のかかわりに肉薄する待望の論集,第I巻。

越境する障害者 : アフリカ熱帯林に暮らす障害者の民族誌 』戸田美佳子(2015)明石書店

アフリカ社会の重層性を、カメルーン熱帯林の障害者の生活実態を調査することから解明しようとする新たな視点による試み。障害者が健常者とは異なる役割をもち、様々な社会的な境界を越えながら生活を営む姿を、フィールドワークを通じ生き生きと描き出す。

アフリカ学事典 』日本アフリカ学会 編(2014)昭和堂

「心」とは何か?「社会」とは何か? 人間と動物を同じ地平で考えるとき、「心」と「社会」はどうみえるのか? 1964年の日本アフリカ学会創設以来50年にわたるアフリカ研究をレビューした読む事典。人文、社会、自然科学、そして文理融合の複合領域まで、アフリカに関わるあらゆるジャンルを網羅。

Dynamics of Learning in Neanderthals and Modern Humans Volume 2: Cognitive and Physical Perspectives

Akazawa, T., N. Ogihara, H.C. Tanabe, H. Terashima (eds.) 2014. Springer

アフリカ漁民の世界』中村亮・稲井啓之 編(2014)

アフリカ熱帯農業と環境保全 : カメルーンカカオ農民の生活とジレンマ』坂梨健太(2014)昭和堂

熱帯アフリカにおいて環境保全と開発の両立は重大な課題である。道路沿いに定住しカカオ生産を行うファンの事例から、森林資源と結びついた地域農業、アグロフォレストリーのあり方を再考する。

焼畑の潜在力 : アフリカ熱帯雨林の農業生態誌』四方篝(2013)昭和堂

農業と熱帯林保全の両立の可能性を、人々の暮らしや主体な選択という文化的・社会的な観点も交えて総合的に論じた専門書。アフリカ地域研究者のみならず、アジアなど他の地域の焼畑研究者にとっても必読の書。

護るために殺す? : アフリカにおけるスポーツハンティングの「持続可能性」と地域社会』安田章人(2013)勁草書房

野生動物を殺すことは、結果的に「護る」ことにつながるのか? カメルーン共和国の一地域を題材としてスポーツハンティングを取り巻く保護と利用の二項対立論に挑み、「持続可能性」の再定義の必要性を説く。環境社会学、環境倫理学、アフリカ地域研究、人類学、歴史学等の学問領域を貫く「弾丸」となることを目指した筆者の処女作。

現代の〈森の民〉 : 中部アフリカ、バボンゴ・ピグミーの民族誌』 松浦直毅(2012)昭和堂

熱帯雨林に住むピグミーの人々。いまも狩猟採集生活を送るが携帯電話を持っていたり街へ出稼ぎに行ったりと現代化している面も。それでもなお独自の文化を維持しているのが不思議でさえある。そんな彼らの暮らしにどっぷり浸かったフィールドワークの記録。

『資本論』「第一章商品」の解読 : マルクス独特の文体による経済学者との"対話篇"』丹野正(2012)弘前大学出版会

「第一章 商品」は、経済学者との<暗黙の対話法>という独特の叙述方法による「経済学批判」なのである。マルクス主義者も反対派もこの叙述方法に気がつかないので、誤読し誤解したうえで論争を続けている。

森と人の共存への挑戦 : カメルーンの熱帯雨林保護と狩猟採集民の生活・文化の両立に関する研究』服部志帆(2012)松香堂書店

森林伐採の進行とともにその保護が活発化しているカメルーン東南部を事例にし、住民であるピグミー系狩猟採集民バカが環境持続的で文化的にも適切な形で森林利用を行っていくための留意点と現行の保護プロジェクトの問題点を明らかにする。

平等論:霊長類と人における社会と平等性の進化』寺嶋秀明(2011)ナカニシヤ出版

平等とは何か?平等を求める過程が人間の社会を生み出すという斬新な平等論。哲学や人類学などの知見を駆使し人間は平等を求める動物であることを初めて解き明かす。

アフリカの料理用バナナ』北西功一・小松かおり・佐藤靖明・鈴木邦彦(2010)国際農林業協働協会


土を持続させるアフリカ農民:土・水保全のための在来技術』クリス・レイジ、イアン・スコーンズ(辻藤吾・荒木茂 監訳)(2011)松香堂書店

アフリカ農民と土とのかかわり。伝統的な在来の土壌・水保全技術によって、土の生産力特性を持続させているアフリカ15カ国農民の努力を明らかにした翻訳書。アフリカ在来の土壌・水保全技術の多くを現地の大学、 省庁、NGOなどで働く人々が調査した、詳細な事例報告集の初めての邦訳。

森棲みの社会誌:アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 2』木村大治・北西功一 編(2010)京都大学学術出版会

かつて人類進化の謎を探るために、類人猿研究の延長上に生まれた京大のアフリカ熱帯林社会研究。熱帯林で暮らす狩猟採集民の生態人類学的調査から出発した画期的な研究は、半世紀を経て多線的な進化をとげ、その一つは激動する現代を生き抜くアフリカ社会の総体を多角的に描き出す総合人文学へと発展した。「大変動」時代を生きる森の民の姿を活写する、京大式フィールドワークのエッセンス。

森棲みの生態誌:アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 1』木村大治・北西功一 編(2010)京都大学学術出版会

アフリカ大陸の中央に広がる広大な熱帯雨林。かつては「暗黒大陸」と呼ばれ、いまでは地球環境保全というグローバルな観点から注目を集める。本書は、この森と人々との相互関係を軸に地域環境をとらえ、森の民の日常の「棲まい方」を通して蓄積された技能や知識を、地を這うような長期フィールドワークをもとに見事に描いた「生態誌」である。京大を中心とする日本人アフリカ研究者の面目躍如たる成果は実に刺激的だ。アジアや中南米を含めた熱帯雨林問題を地域住民の視点から考えることの重要性がこれで盤石なものになったといえよう。

森の小さな〈ハンター〉たち:狩猟採集民の子どもの民族誌』亀井伸孝(2010)京都大学学術出版会

アフリカの狩猟採集民バカの子どもたちに人類学者が弟子入り.「子ども=文化的未完成」という枠組を超え,子ども集団への参与観察によって,彼らが「教育のない社会」で,主体的な行動選択と文化創造を通じ成長する姿を描く.

インタラクションの境界と接続:サル・人・会話研究から』木村大治・中村美知夫・高梨克也 編(2010)昭和堂

還元主義・実体主義的な研究手法に行詰り感が漂う中、個体同士の相互作用を自然な状況下で観察し、その面白さを生き生きと描写するインタラクション研究の手法に注目。学問の垣根を越えて研究の楽しさを伝える入門書。

遊びの人類学ことはじめ : フィールドで出会った「子ども」たち』亀井伸孝 編(2009)昭和堂

サルも遊ぶ、ヒトも遊ぶ。人類学のまなざしで両者を観察してみたら何が見えてくるだろうか? 種の違いを超えた普遍性とは? そこには現代に生きる子どもを考えるためのヒントが隠されているかもしれない。

文化としての農業 文明としての食料』末原達郎(2009)人文書館

日本農業の前途は険しい。美しい農村とは何か。日本のムラを、地域社会をどうするのか。アフリカの大地を、日本のムラ社会を、踏査し続けてきた、第一線の農業人類学者・生物資源経済学者による“アグリカルチャー”の有り様について考察する清新な農業文化論!私たちにとって農業とは何か。農業力とは文化力である!

アフリカのことばと社会 : 多言語状況を生きるということ』梶茂樹・砂野幸稔 編(2009)三元社

圧倒的大多数の現地語といくつかのヨーロッパ諸語の織りなす重層的な多言語使用の実態。危機言語、母語主義といった西側世界による介入。それらがつくり出す複雑な言語状況を概観し、サハラ以南アフリカ14カ国の、ことばと社会をめぐる諸問題を具体的に論じる。アフリカ社会を理解するうえで、なぜ言語問題が重要なのかを明らかにし、アフリカ地域研究への新たな視点を提示。

アフリカのろう者と手話の歴史:A・J・フォスターの「王国」を訪ねて』亀井伸孝(2006)明石書店

アフリカのろう者と手話言語の概要を紹介しつつ、アンドリュー・フォスターという、一人の黒人ろう者と、彼が設立しアフリカの広い範囲でろう教育事業を営んだキリスト教団体に注目しながら、ろう者コミュニティの動態史を描く。

アフリカ都市の民族誌 : カメルーンの「商人」バミレケのカネと故郷』野元美佐(2005)明石書店

「商売の民」として有名なエスニック・グループ「バミレケ」を中心に彼らが金銭をいかに動かし、それによりいかなる意味や価値観を生み出しているのかを考察、アフリカ都市の貨幣をめぐる生活戦略を提示。「第1回日本文化人類学会奨励賞」と「第18回日本アフリカ学会研究奨励賞」受賞。

アフリカ農民の経済 : 組織原理の地域比較』 杉村和彦(2004)世界思想社

アフリカ小農世界は近代化に後れた社会として指弾されてきた。そこでは人々が共食と分与の共同体に生きている。生産性至上主義に抗して、人と人との関係に重きをおく「情の経済」の組織原理とは?

平等と不平等をめぐる人類学的研究』寺嶋秀明 編(2004)ナカニシヤ出版

人間はなぜ平等にこだわるのか。人々の生が躍動する世界の様々な民族誌から平等・不平等の根源を問い、人間性の深淵を照射する。

人間にとって農業とは何か』末原達郎(2004)世界思想社

地球の農業を知るために、私たちの食料を考えるために―人間は自然の中で農業を生みだし、作物や家畜を育て、食料としてきた。市場経済化によって見えにくくなった本来の意味を、アフリカ、ヨーロッパ、日本の農業を取り上げて見つめなおす。

共在感覚:アフリカの二つの社会における言語的相互行為から』 木村大治(2003)京都大学学術出版会

際限なく繋がる関係性の中で、人びとはいかにして「共に在る」のか。アフリカ熱帯雨林の農耕社会と狩猟採集社会の民族誌的記述から豊穣な相互行為の世界へ扉を開く。

エスノ・サイエンス 』寺嶋秀明・篠原徹 編(2002)京都大学学術出版会

いかなる人間集団も、エコロジーのベースとしてのサイエンスをもつ。すなわち、みずからの生きる世界を認識し、彼我の関係をうち立て、よりよく生きるための知の体系である。この意味におけるエスノ・サイエンスは、分解され抽象化され、形骸化した知ではない。人間の生とともにあり、種々の行為を通じて統合された形であらわされる知である。

森に生きる人:アフリカ熱帯雨林とピグミー』寺嶋秀明(2002)小峰書店

森の中に住み、今も狩猟と採集の生活をしている人たちピグミー。森の生活、子どもの一日、驚異の方向感覚、狩猟と採集のエコロジー、家族と社会など、自然と共生するピグミーの人々を詳しく紹介。

仮面パフォーマンスの人類学:アフリカ、豹の森の仮面文化と近代』佐々木重洋(2000)世界思想社

カメルーンの熱帯雨林で著者が出会った仮面結社と呪薬の神。その儀礼とパフォーマンスの魅力をあますところなく描き、近代アフリカのダイナミズムをあぶりだす。また、憑依の演技性について、美的・感性的観点から斬新な解釈を施す。

森と人の共存世界』市川光雄・佐藤弘明 編(2001)京都大学学術出版会

極めて「西欧中心的」なピグミー研究を大幅に書き換えたのは、日本の生態人類学である。彼らの日常——食物の採取、分配と料理、ライフサイクル、子どもの遊び等々——と精神世界は、まさしく森の生態の中に組み込まれている。その姿を生き生きと記述し、平等社会のメカニズムを分析するとともに、21世紀の文化的多様性のあり方をも示唆する好著。

森と砂漠と海の人びと』原子令三(1998)UTP制作センター

アフリカ経済』末原達郎(1998)世界思想社

1980年以降、アフリカは市場経済型社会へと急速に転換しつつある。本書は、このシステム転換をもたらしているIMFと世界銀行による構造調整政策とその問題点を東アフリカ、西アフリカ、中部アフリカ、南部アフリカに分けて考察する。

共生の森』寺嶋秀明(1997)東京大学出版会

アフリカ大陸の中央部,「月の山」の麓に広がるイトゥリの森.そこには古くエジプト王朝から人びとを魅了してきた狩猟採集民エフェ(ピグミー)が住み,あとからやってきた農耕民との間に奇妙な共生関係を作りあげている.二つの生活様式が交錯して織りなす,森の民の生き方を描く.

森を語る男』加納隆至(1996)東京大学出版会

その男の名はバッチンデリア.彼の住むワンバ村は,アフリカ・ザイール森林の最奥にある.生い立ち,父母の思い出,狩りや魚とり,さまざまなしきたり,結婚と離婚,そして超自然現象――.森で生れ育ったガンドゥ族の青年が語る「森の生活」.

森林彷徨』伊谷純一郎(1996)東京大学出版会

類人猿もヒトをも生みだしてきたアフリカ.その広大な大陸の多様な森をヒトのルーツを求めて踏破してきた人類学者が描きだす自然の姿と人のありよう.多雨林で暮らす採集狩猟民や焼畑農耕民の生き方をとおして,太古から人を育んできた「森」の自然を考える.

続・自然社会の人類学』田中二郎・掛谷誠・市川光雄・太田至 編(1996) アカデミア出版会


生態人類学を学ぶ人のために』大塚柳太郎・市川光雄・秋道智弥 編(1995)世界思想社

アフリカの森・オセアニアの海・極北の平原--地球のおどろくほど多彩な空間で、人びとは自然にとけこむようにして生きつづけてきた。本書は、人間と環境との根源的な関わりを問いなおす、フィールドワークの集大成である。

アフリカをフィールドワークする』梶茂樹(1993)大修館書店

未知の言語を求めて、東アフリカ・テンボ族の村に住みこんだ若い言語学者が、悪戦苦闘の言語調査の日々、ユニークな名付けや呪術が生きている村の生活、現代国家の抱える言語問題、国境を越えて広がる音楽などを通して現代のアフリカを活写する。

ヒトの自然誌』田中二郎・掛谷誠 編(1991)平凡社

平等主義社会の成立と変貌。押し寄せる文明化の波にもまれながら、自然と対峙し共存するアフリカ先住民の世界。

アフリカ農耕民の世界観』米山俊直(1990)弘文堂

西アフリカのバンバラ人、中央のテンボ人、東アフリカのイラク人が使用する言語の語彙を認識人類学的手法で分析し三農耕民社会における生態・社会・文化を考察する。そこからアフリカ農耕民の全体像の解明をはかる待望の論文集。

人類の起源と進化』黒田末寿・片山一道・市川光雄(1987)有斐閣

地球上で最高の成功者である人類は、一方で、最も強大で、危険な動物であるといわれている。人類をここまで繁栄されたものは何であったのか。ヒトを含む現生および化石霊長類の形質、生態、社会について概説し、人類の進化の系譜をたどりながら、人類進化の謎にせまる。同時に、狩猟採集民の生活から、人類の適応と自然界における人間の位置について考察する。

自然社会の人類学』伊谷純一郎・田中二郎 編(1986)アカデミア出版会

アフリカ文化の研究』伊谷純一郎・米山俊直 編(1984)アカデミア出版会

森の狩猟民:ムブティ・ピグミーの生活』市川光雄(1982) 人文書院

人類の自然誌』伊谷純一郎・原子令三 編(1977)雄山閣

アフリカ動物記』伊谷純一郎(1964)河出書房新社

ゴリラとピグミーの森』伊谷純一郎(1961)岩波新書

人間にもっとも近い類人猿の一つゴリラはいまや絶滅に瀕しつつある.ゴリラが住む森のなかには,アフリカ大陸最古の民族であるピグミー族が原始的な狩猟採集の生活を送っていた.日本ザルの研究者として知られる著者が,一九五八,六〇年の二度にわたり,アフリカ奥地にゴリラを追跡し,ピグミー族と生活を共にした貴重な記録

ゴリラ探検記』河合雅雄(1961)光文社

1959年に行われた、「財団法人日本モンキーセンター第二次ゴリラ探検」の記録。ジャングルの奥深く、野帳とエンピツ、双眼鏡をもって、生命を賭けてゴリラを追う。

ゴリラ』今西錦司(1960)文芸春秋新社

*左は『ゴリラ』が収録されている全集(講談社)です。