麻布の家(カウンターつきシステムキッチン)
麻布の家(カウンターつきシステムキッチン)
青木弘司
青木弘司
Category:什器
図の上段:○収納の棚と天板
図の中段:✕それぞれの意味体系は変化しない
図の下段:○別々の家具、要素を1つの構造にまとめている
「机を他の家具と一体化させたキメラ的作品。カウンターとキャビネットの二重の体系が存在している。」
この作品なかで設計された什器に注目すると、この作品はブリコラージュではない。
注目する什器の概要は、机の天板を支える脚として、既製品のキャビネット棚を用いる、すなわち(机の脚=棚)となる。キャビネットはキャビネットであると同時にカウンターの脚である。これは、もともとある二つの体系の兼用可能な部分を合体させているだけである。このタイプの制作は「重ね合わせ」禁止に抵触する。
例えば、キャビネットとキッチンカウンターで1つ別の意味や用途をもつ上位の全体性(構造)が作れればブリコラージュになりえるだろう。<収納付きキッチンカウンター>と呼ぶのは意味がそのまますぎる。
しかし、ものとして完結している既存家具と量販店の家具を応用して、新たな組み合わせを作り出そうとする考え方はブリコラージュの一側面として評価できる。