「スタンドマイクと椅子のキャスターを合体。要素の意味が変換されていないのでブリコラージュ失格。」

この作品はブリコラージュではない。

マイクスタンドを可動式にするのに、オフィスチェアのキャスター部分を取り外して、取り付けた作品。要素を丁寧に見ると、キャスターがキャスターとして使われて、スタンドマイクの首がスタンドマイクの首として使われているため、これらすべてに意味の変換は生じていない。これは「意味の変わらない転用」に抵触するため、ブリコラージュとは認められない。

例えば、スタンドマイクの首のだけでも、何か別用途の棒材の転用からつくられれば、意味の変換が成功したブリコラージュとして認められただろう。

しかし、このキメラのような秀逸な様相はプロダクトとして魅力的である。