森林科学セミナー
秋田県立大学森林科学研究室では月に一度『森林科学セミナー』を行っています。
大学内外の方を講師としてお招きし、森林にまつわる様々なトピックを取り上げて議論して参りたいと考えております。
「森」や「自然」に興味のある方ならどなたでも自由に参加できる集いです。
参加費は無料ですので、ぜひ皆様ご参加下さい。
第178回 2024/7/5/ Fri/16:30~18:00
「日本海北部地域における海浜集落の飛砂害史」
「日本海北部地域における海浜集落の飛砂害史」
岩手大学農学部 教授 (専門:造林学・森林生態学) 真坂一彦
岩手大学農学部 教授 (専門:造林学・森林生態学) 真坂一彦
かつて日本海沿岸の海浜には大きな砂丘が発達し,飛砂によって人々の生活を苦しめてきた。砂丘が発達したのは,燃料としての森林の収奪的利用や,鉄穴流しなど鉱業によって禿山化した山地からの多量の土砂供給に加え,海浜域では鰊〆粕製造や太平洋戦争中の乱伐にともなう海浜植生の破壊などが指摘されている。しかしながら,特に海浜植生の破壊について考証された事例は極めて少ない。今回の講演では,北海道江差町および秋田県由利本荘市西目町の事例を取り上げ,飛砂害の発生原因について前者では戊辰戦争末期の馬の過放牧が,後者では明治維新以前の製塩が原因であったことを紹介する。現在では,かつて住民を苦しめた飛砂害はほぼなくなったが,飛砂害を抑えるために造成された海岸林を保全してゆくうえで,地域特有の飛砂害の発生原因を理解する必要がある。
連絡先
秋田県立大学
生物資源科学部 生物環境科学科
森林科学研究室
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