研究内容

生態学を基盤とした森林研究

森林科学研究室では

を育成することを目的に、自然の成り立ちを探求し、生態学を基盤とした森林の研究・教育を行なっています。フィールドはおもに、 秋田県とその隣県であり、長期的視野、持続可能性を考慮して取り組んでいます。

開かれた研究室

現在、研究室で取り組んでいる主要なテーマ

長期観測データから解き明かす

樹木群集の動態

森林の長期観測データを解析することにより、樹木群集の共存メカニズムと動態について調べています。また、近年では森林の物質循環についても調査を進めています。

DNAマーカーを用いた

天然スギの更新様式の解明

DNAマーカーを用いて、秋田の天然スギがどのように個体群を維持してきたのかを調べています。

植物を取り巻く

生物との相互作用

植物の花の受粉をする昆虫や、植物を食べる昆虫や動物との相互作用について研究をしています。

卒業生の研究テーマと調査地

2022年

小面積開花後11年間のクマイザサ実生個体群の動態@秋田市

「角館のシダレザクラ」のモニタリングと樹勢回復事業の効果@秋田県角館市

風力発電施設の建設は生物相に変化をもたらすか:秋田キャンパス周辺におけるアリ相の調査からみえてきたこと@秋田市

林縁からの距離に応じた林分外花粉飛散量の評価と窒素・リン供給量算出のための基礎資料@秋田市

秋田県における幼児期の自然体験の現状【修論】@秋田市

針葉樹林における樹木の開花がリターフォールと窒素・リンの供給量に及ぼす影響【修論】@秋田市


過去の研究テーマ・調査地

2021年

芝生グラウンドおよび土グラウンドが子供に及ぼす「イメージ」の評価と「気分」の比較~運動意欲に注目して~@秋田市・潟上市

タケ・ササ類の花食者ササノミモグリバエの寄主植物利用@秋田市

造スギの成長トレンドと曲げ性能の関連性の考察@秋田市

秋田県のツキノワグマ生息調査データを用いた個体数増減傾向の把握のための指数の性能評価@岩手県奥州市

凹凸CLTの軸方向接合性能評価【@木高研】秋田県能代市

樹木の結実豊凶は“種の出会い”をどのように変えるか:落下種子の局所的多様性【修論】@岩手県奥州市

微小な甲虫が春咲きの植物の送粉生態に及ぼす影響【修論】@秋田県仙北市

シカの採食を介した植物間の相互作用の解明【修論】@岩手県五葉山


2020年

チシマザサ個体群の開花枯死後25年間のブナ林の林分構造の変化@秋田県鹿角市

秋田県における幼児期の教育の場での自然体験@秋田県内

外来種マツヘリカメムシの分布と発生消長@秋田市

針葉樹の花リターと花粉は窒素・リン循環に寄与しているのか?―生態系内外からの検討―@秋田市

広葉樹材の組織構造が曲げ加工性に及ぼす影響【@木研】秋田県能代市

木材の燃焼性状に及ぼす灰分の影響【@木研】秋田県能代市

ニセアカシア根萌芽の生育における生理的統合の寄与―光環境の違いに着目して―【修論】秋田県秋田市

子供の自然離れの実態と要因~地域環境と親子関係に注目して~【修論】秋田県内


2019年

チシマザサ個体群の回復過程が林床のブナ実生・稚樹の成長に及ぼす影響@秋田県鹿角市

樹木の生活史段階を通した共存過程の解析@岩手県奥州市

トガクシショウマの繁殖生態の解明@秋田県乳頭山

五葉山におけるニホンジカの採食に対する植物の連合効果の検証@岩手県五葉山

木炭および竹炭の固定炭素量と有機態炭素量の関係【@木研】秋田県内

コドラート調査は稚樹群集の構造をどれだけ代表しているか?【修論】@岩手県奥州市

開花変動がもたらす森林生態系への資源供給の変動【修論】@岩手県奥州市


2018年

松林におけるニセアカシアの分布拡大メカニズム@秋田県立大学松林

光環境がニセアカシアの成長に与える影響@秋田県立大学松林

里山における自然体験の消失@秋田県五城目

寒風山の半自然草原における昆虫相@秋田県寒風山

秋田県におけるツキノワグマの個体数推定【修論】@秋田県


2017年

落葉樹混合林の開花結実の年変動によってリターフォール由来の窒素・リン供給量はどう変わるか@岩手県カヌマ沢

渓畔林における水平・垂直方向のニッチ分割@岩手県カヌマ沢

ニホンジカの侵入年代の違いが森林下層植生と嗜好性に与える影響@岩手県北上山地~秋田県県央地域

植食性昆虫が送粉昆虫を介した外来植物と在来植物の相互作用に与える影響@秋田県・滋賀県 圃場

チシマザサ一斉更新過程におけるジェネット動態と生理的統合【修論】@十和田湖畔ブナ林


2016年

ニホンジカの侵入時期の違いが嗜好性と森林下層植物に与える影響@岩手県北上山地~秋田県県央地域

ササ群落下の光条件がブナ稚樹の成長動態に与える影響@十和田湖畔ブナ林

市街地付近でのツキノワグマの出没状況と地域住民への影響@秋田市外旭川地区

森を利用した自然と子どもをつなぐ現代的取り組みへの提案@秋田県五城目町

民有地の松枯れの実態と近隣住民の松枯れの意識調査@秋田市、能代市

河川敷の在来植物と外来植物の植食性昆虫による食害の比較@秋田市、京都市

キリ材の燃焼特性評価【@木高研】秋田県能代市


2015年

中山間地域の水田畦畔における虫媒花植物群集と訪花昆虫の送粉ネットワーク構造~周囲のスギ林の割合に着目して~【修論】@秋田市~潟上市

出羽丘陵に生息するツキノワグマの個体数推定~ベイズ統計モデルを用いた異なるデータセットの統合利用~【修論】@秋田市~由利本荘市

閉鎖林冠下のチシマザサ一斉更新過程における平面的クローン成長の役割@十和田湖畔ブナ林

仁鮒水沢スギ保護林におけるスギの空間遺伝構造@能代市二ツ井町仁鮒

天然スギ材の曲げ特性の樹幹内変動 【@木高研】能代市


2014年

ニセアカシアの種子生産および休眠/非休眠種子の生産比率~海岸林と河畔林に着目して~【修論】@秋田市、大仙市、能代市

渓畔林樹木群集における年輪幅の変動パターン:種間および種内のばらつき、そして気象の影響【修論】@岩手県カヌマ沢

マツ材線虫病の病徴を示さないマツでの病原体検出試験:潜伏期間の延長に関する示唆【修論】@県立大学構内松林

ウイルス感染がヤマノイモの生存・個葉特性・成長に与える影響@県立大学構内(栽培実験)

秋田城跡におけるニセアカシア優占林の分布拡大@秋田市高清水公園

落葉広葉樹9種の葉の光合成形質と窒素再吸収戦略の違い@岩手県カヌマ沢

渓畔林における河川撹乱後26年間の下層植生の遷移系列 @岩手県カヌマ沢

ササの一斉枯死と林冠構造の違いがブナ林の更新動態に与える影響@十和田湖ブナ林

ヒラタケ・エリンギ栽培におけるクマイザサの利用 【@県森林技術センター】@森林技術センター内


2013年

ササの小面積開花地におけるクローン構造と実生更新の可能性 【修論】@秋田市仁別

表土が失われた土壌への土壌改良施業が植栽ブナの生育に与える効果 【修論】@奥森吉山麓高原

ツキノワグマの爪痕を用いた齢判別のためのトラップ開発@阿仁熊牧場、森吉山

海浜植物と訪花昆虫の送粉ネットワークの季節変動@秋田市新屋

氾濫原におけるオルソ画像を用いた撹乱評価@岩手県奥州市大荒沢

景勝地ツアーガイドが使えるカード式マニュアルの開発@桑ノ木台湿原(由利本荘市)

キノコ菌床栽培におけるクマイザサの添加効果 【@県森林技術センター】@森林技術センター内

ヒバ及びアスナロを対象としたEST-SSR遺伝マーカーの開発 【@木高研】青森県、長野県、兵庫県

アモルファス炭素コロイド溶液による木材の寸法安定化 【@木高研】能代市


2012年

雌雄異株低木ヒメアオキの性比と伏条特性@十和田湖ブナ林

海岸マツ林と河畔林におけるニセアカシアの種子生産@秋田市、大仙市ほか

渓畔林における種子生産量の13年間の変動@岩手県カヌマ沢

渓畔林樹木群集における幹肥大成長の9年間の変動@岩手県カヌマ沢

松枯れ病の病原体検出のための部位別サンプリングデザイン @県立大学構内松林

中山間地域の田んぼと森林を利用するカエルに森林タイプが与える影響@秋田市近郊


2011年

渓畔林の稚樹バンクの種多様性と種間分離:16年間の調査結果の解析 【修論】@岩手県カヌマ沢

渓畔林稚樹群落における稚樹の成長特性と競争@岩手県カヌマ沢

渓畔林の落葉の分解の時空間的変化@岩手県カヌマ沢

秋田県における森林レクリエーション施設の現状@県内各地

ササの部分開花におけるジェネット構造と繁殖成功度@秋田市、五城目町ほか

放牧跡地でのブナ林再生事業における土壌耕起の重要性~秋田県森吉山麓の事例~@森吉山


2010年

ササ枯れ後14年経過したブナ林の稚樹バンクに与える林冠フェノロジーの影響 【修論】@十和田湖ブナ林

ブナの豊凶と関連したアカネズミの遺伝的組成の変動と移入個体の貢献 【修論】@岩手県カヌマ沢

秋田市の公園における『緑』の実態と利用者・管理者の意見から見た今後の課題@秋田市内

天然秋田スギの個体の成長に及ぼす環境要因@-樹冠形状、土壌条件及び局所密度に着目して-能代市二ツ井仁鮒

タヌキなどのタメフンが樹木実生のサイズとバイオマスに与える影響@県立大学周辺マツ林

多種混交林における種子生産の変動が野ネズミの個体数に与える影響@岩手県カヌマ沢


2009年

ボランティアによって植樹されたブナ植栽地の林分構造 【修論】@五城目町、鳥海山、大館市、峰浜村

雌雄異株植物オニドコロの訪花昆虫と花粉媒介@秋田市小泉潟公園

ササの部分開花とクローン構造@秋田県内各地

海岸マツ林におけるニセアカシアの群落拡大過程とクローナル成長@大学周辺マツ林

昆虫体表花粉の計数法を用いた小泉潟公園の花粉媒介ネットワーク@秋田市小泉潟公園

渓畔景観の森林構造を決定する生活史特性と種子散布制限@岩手県カヌマ沢


2008年

寒冷地におけるマツ材線虫病被害の実態と空中写真を用いた広域的防除法 【修論】@大学周辺マツ林

アカネズミのトチノキ種子への嗜好性:サポニンvs.種子サイズが貯食に与える影響 【修論】@五城目町環境と文化のむら

秋田県における森林体験イベントの現状と今後への展望@県内各地

「角館のシダレザクラ」樹勢回復事業の効果測定と保全意識の醸成に向けた提言@角館町武家屋敷

トチノキの未熟種子に含まれる二次代謝物質サポニンの濃度とばらつき@協和ダム周辺

北限ユキツバキ集団の種子生産に影響を与える要因@岩手県カヌマ沢

奥羽山系のブナ天然林における野ネズミの遺伝子流動の評価@焼石岳~八幡平

林床の光環境の季節的・空間的な不均一性がササ一斉枯死後のブナ稚樹集団の成立に与える影響@十和田湖ブナ林


2007年

ブナ豊作に伴う野ネズミの増加と繁殖成功 【修論】@岩手県カヌマ沢

鳥海山麓獅子ヶ鼻湿原周辺ブナ林への多数の来訪者による影響@象潟町中島台

秋田市指定保存樹の現状と保全への提言@秋田市内

市民による森林復元 -秋田県の植樹ボランティア団体に注目して-@鳥海山、五城目町

秋田キャンパス周辺の海岸マツ林へのニセアカシア侵入の現状@大学周辺マツ林

渓畔林構成樹種の撹乱依存性-林冠ギャップと土石流堆積地の稚樹分布の比較-@岩手県カヌマ沢


2006年

トチノキ種子の二次代謝物質エスシンの濃度のばらつきとアカネズミよる選択的な摂食 【修論】@各地のトチノキ、室内実験

マツ材線虫病年越し枯れ木におけるマツノザイセンチュウの時期別消長@大学マツ林

ツチクラゲによるクロマツの枯死とマツ材線虫病の関連性@大学マツ林

秋田の海岸クロマツ林における広葉樹混交化の現状@大学周辺県有林

チシマザサのクローン構造と地下茎の伸長様式@十和田ブナ林

アカネズミの繁殖期・非繁殖期の社会構造:行動圏と齢構成の季節変化@岩手県カヌマ沢

ネズミの摂食要求の季節変化と日内休眠@五城目町環境と文化のむら

岩手・ 秋田におけるツキノワグマの春季有害駆除数を決める要因の抽出@統計資料の分析


2005年

渓畔林におけるギャップ内の稚樹の分布と撹乱体制の影響@岩手県カヌマ沢

異なる樹冠位置でのブナ堅果の発達-炭素・窒素の制限-@鳥海山ブナ林

海岸クロマツ林内のニセアカシア個体群の構造と拡大様式@大学周辺マツ林

夕日の松原におけるマツノマダラカミキリの羽化脱出消長と材線虫保持数、及び産卵消長@大学周辺マツ林

開花枯死後10年目のチシマザサ群落の回復状況とクローン構造@十和田湖ブナ林

2004年の台風15号による着塩害が秋田県の樹木に与えた影響@県内各地


2004年

樹木の健康・森林の健康を評価する試み 【修論】@大学周辺マツ林、角館町武家屋敷

渓畔植生の局所レベルから景観レベルまでの構造と種多様性 【修論】@岩手県胆沢川上流部

市町村レベルのフローラおよび植生の評価方法: 秋田県笹森丘陵西部を例に 【修論】@秋田県出羽丘陵

天然秋田スギ林におけるブナの分布@能代市二ツ井 仁鮒水沢スギ群落保護林

八甲田山の大規模撹乱地におけるオオシラビソの更新@八甲田山上部

ササの一斉枯死にともなう下層植生の変化@十和田湖ブナ林

餌の質がアカネズミの体重推移に与える影響@室内実験、五城目町環境と文化のむら


2003年

秋田スギの実生更新と伏条更新@秋田県山本町上岩川

海岸砂丘地に植栽された広葉樹林の構造と機能@天王町海岸林

糞分析から推定した秋田県白神山地におけるニホンザルの食性@八森町ブナ林ほか

ブナ堅果の発達における結実当年の光合成生産の貢献度@鳥海山ブナ林

東北地方のフキの花の性表現と繁殖戦略@五城目町環境と文化のむら、鳥海山麓


2002年

仁鮒水沢の天然秋田スギ林の地形と林分構造@能代市二ツ井仁鮒

角館町武家屋敷のシダレザクラ(天然記念物)の樹勢診断法の開発@角館町武家屋敷

湯の里林道(秋田市)の法面植生と植生遷移@秋田市上新城

海岸マツ林に侵入したニセアカシアの種子生産と根萌芽の発生状況@大学周辺マツ林

渓畔林の工事用林道の建設が森林構造に及ぼす影響@岩手県カヌマ沢周辺

砂防堰堤周辺の渓畔植物群落の種多様性@岩手県胆沢川上流部














多樹種が共存する渓畔林でのNPPの推定


純一次生産量(NPP)は森林群落における炭素固定機能を評価する指標の一つにです。通常はアロメトリー式で推定される葉量を、リタートラップの回収物で計測することによって、この値がどれくらい変わるのか、また樹種ごとの貢献度がどの程度なのかを調べました。


有用針葉樹の種子の成熟過程


有用針葉樹の種子の採取時期は、品質確保のため採取解禁日が法律で決められています。現在の気候において、その時期が最適なのか?どのような指標を用いれば最適な採取時期を予測できるのかについて調べています


動物や昆虫の採食を介した

植物間の相互作用の解明

植物は自身の形質だけではなく、隣り合う植物の形質によっても、動物に食べられやすくなったり、食べられにくくなったりします。植物の形質や種の組み合わせが動物や昆虫の採食に与える影響について調べました。

連絡先

秋田県立大学

生物資源科学部 生物環境科学科

森林科学研究室

〒010-0195 秋田市下新城中野字街道端西241-438


お問い合わせは

木村 Tel:018-872-1619

星崎 Tel:018-872-1608

Fax:018-872-1677