波照間

波照間島は有人島としては日本最南端の島です。

サンゴ礁が隆起してできた平らな島で、八重山諸島の中でも低島と呼ばれる島々の1つです。

沖縄の島の中でも特に台湾や大陸に近い位置にあり、約3800年ほど前から人が暮らしていた記録があります。

目次

地形

島のおよそ中央にある標高59.7mの最高地点から周囲にかけて低くなっていく形をしています。

しかし全体に傾斜があるわけではなく、ゆるやかな斜面と平坦な土地がくりかえす(海岸段丘の)地形です。

島の南東部には二つの断層があり崖や割れ目のような構造があり、これらが島で唯一の急峻な地形といえます。

島の大部分がサンゴ礁に由来する石灰岩(琉球石灰岩)なので、洞窟や窪地(ドリーネ、ウバーレ)などのカルスト地形があります。

山や川がないものの地下水があり、井戸水や雨水が利用されていましたが、現在は海水の淡水化により生活用水をまかなっています。

交通(船)

2021年現在で一般人が島に渡る方法は船のみです。

安栄観光が運航する船で、石垣島との間を1日に3回往復します。

西表島を経由するかどうかと船の種類次第で、約1時間から1時間半の船旅です。

石垣島から西表島までは、八重山諸島の島々に囲まれた石西礁湖と呼ばれる海域で、八重山諸島の島々とエメラルドの海が広がります。

西表島から波照間島までは、外海に出るので一気に揺れるようになり、海の色は深い青に変わります。

交通(飛行機)

かつては飛行機の路線もありましたが、残念ながら2021年現在は運航していません。

10970年代から2000年代までは南西航空、琉球エアーコミューター、エアードルフィンが石垣島ー波照間島の路線を運航していました。

現在空港は救急患者の対応などのために使われていますが、第一航空がこれから再び定期便を復活させるようです。

https://www.y-mainichi.co.jp/news/38020

観光

波照間島の魅力はやはり、青い海に沖縄らしいサトウキビ畑、満点の星空、歴史を感じさせる石垣のある家々といった島全体の美しさです。

八重山諸島の中では外れに位置していてやや行きにくい島ですが、たくさんの観光客が訪れています。

それに応じて宿泊できる場所や、食事を提供するお店も多くある印象です。

農業

島の主要な農作物はサトウキビやモチキビです。

いまは観光業が盛んな波照間島ですが、古くから島を支えてきたのは農耕です。

稲作は川がないので天水を頼りに行われていました。

畑作では粟、キビ、ムギ、モロコシ、豆、小豆、落花生、ゴマ、イモ、かぼちゃ、冬瓜、ウリ、タマネギなどが栽培されたそうです。

バブル期にはスイカも多く生産されていたようです。

製糖工場ができてからはサトウキビの生産に重点がおかれました。

水産業

現在の波照間島では水産業はほとんど行われていませんが、製糖工場ができる前は栄えてい産業でした。

特に1900年代初頭から1960年代にかけてはカツオ漁が盛んに行われていました。

1950年前後にトビウオ漁が盛んになった時期があったものの、競争の激化と漁獲高の減少で衰退したそうです。

島名の由来

波照間島の方言名は「パチラー」、「パチルマ」、「パティローマ」、「パティロー」などがあり、昔は地名を「ハテウルマ」、「パトロー」などと表記したそうです。

竹富町史第7巻第2節には波照間の語源に詳しく書かれており、主に次の二つが紹介されています。

1.果てのウルイシ(サンゴ石)島説

2.台湾アミ族語で沖の島を意味する「ボトル」または「ボトロル」由来説

どちらも波照間の方言名や古い表記の音に近いのでたしかに納得のいく説明です。

ただこれらの説は、琉球の民族と言語の起源に関わっており、論争を引き起こしたそうです。

貝塚

島の北海岸にある下田原(しもたばる)貝塚という貝塚は約3800年に波照間島に人間が暮らしていた痕跡を残しています。

この貝塚から出土する石器や土器は、同時期の沖縄本島のものとは特徴が異なり、異なる文化圏であったと推察されています。

この時代は下田原期と呼ばれるそうで、次の無土器という時代までの間は、人間が暮らしていた痕跡は途絶えているようです。

したがって、下田原期に暮らしていた人たちが現在に至るまでの波照間島の起源であるわけではないようです。

島のことはまだまだ勉強中です。これからも内容を増やしてまいります。

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