2023年度文学部グローバルプロジェクト第2回講演会報告

10月27日(金)3時限目に白山キャンパス6B12教室において、2023年度文学部グローバルプロジェクト第2回講演会を開催しました。講師に東京大学名誉教授の大橋洋一先生をお招きし、「英米圏映画における 日本のイメージ─1980年代から21世紀にかけて」というテーマでご講演をいただきました。

1980〜90年代の名作『ダイハード』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『羊たちの沈黙』から2000年以降の映画、『ハンニバル・ライジング』『私を離さないで』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』そして現在上映中の『ザ・クリエーター/創造者』に至るまで、多数の映画作品に言及下さり、実際に図像や映像を部分的に見せながら、日本が英米圏の映画作品でどのように表象されているかを大変分かりやすく、説得力をもってお話し下さいました。深い学識に裏打ちされた、映像作品の鮮やかな解釈が次々と披露され、名講義そのものでした。

文学部全体から200名強の参加者があり、ご講演が約70分、質疑応答は約20分でしたが、挙手しての質問が複数続き、授業時間をやや超過するほど白熱した講演会となりました。自由記述アンケートからは、参加学生もご講演から大いに啓発された様子が伝わりました。

また大橋先生からは学生からの記述質問に対し、後日、丁重なご回答を文書でいただき、講演会参加者への教育的な配慮がなされて大変に有難かったです。


講師紹介

東京大学文学部英米文学研究室、現代文芸論研究室で教鞭をとられ、現在東京大学名誉教授。2007年4月〜2009年3月日本英文学会会長。専門分野: 英文学、特に英国演劇、批評理論。単著:『新文学入門――T・イーグルトン『文学とは何か』を読む』(岩波書店、1995年)編著:『現代批評理論のすべて』(新書館、2006年)翻訳: イーグルトン『文学とは何か』(岩波文庫 上・下、2014年)、『希望とは何か』(岩波書店、2022年)、グルーエン 『アニマル・スタディーズ 29の基本概念』(平凡社、2023年)他多数。