山口しのぶ教授(東洋大学文学部長、東洋思想文化学科教授)がウズベキスタンで仏教学講演会を開催しました


2022年8月10日、山口しのぶ教授が中央アジアのウズベキスタン共和国の首都タシケントで、「ユーラシア仏教学講演会『仏教の変遷とブッダのさまざまな姿』」を実施しました。この講演会は、日本の外務省により、「日本・中央アジア5か国外交関係樹立30周年事業」として認定され、広くウズベキスタン国内で開催広報が行われました。

ウズベキスタンは現在はイスラム教が主として信仰されている国ですが、南部テルメーズ地方には1~4世紀クシャーン朝時代の仏教遺跡群があります。インドで誕生した仏教が、シルクロードを経由して中国へ、そして日本へと到達したその通り道を示す極めて貴重な遺跡群であり、日本とウズベキスタンの合同発掘が続けられています。

会場には、シルクロードを愛した著名な画家、平山郁夫画伯が、ウズベキスタンの芸術文化振興のため、私財を擲って建設した文化施設「ウズベキスタン芸術アカデミー平山郁夫記念国際文化キャラバンサライ」が選ばれました。キャラバンサライ館長であり、日本での研究実績も豊かなファルフ・ウスマノフ氏と、在ウズベキスタン日本大使館の支援のもと、「日本・中央アジア5か国外交関係樹立30周年事業」の巨大なロゴが掲げられた中央ホールにて、山口教授は、これまでに自身がユーラシア各地で撮影 し、分析を行った仏像や仏教モチーフを多数提示してその由来やつながりを解説しました。

会場には市内の歴史研究者や日本学関係者、親日の市民など、約20名が集まり、山口教授の解説と、ロシア語の同時通訳に耳を傾けていました。セミナー終了後は、来場者と山口教授の懇親会も行われ、今後の日本とウズベキスタンとの仏教学による交流への期待が、参加者から語られていました。