6月3日(金)13時から14時半まで、白山キャンパス6号館にて文学部グローバルプロジェクト 2016年度第1回講演会を開催しました。講師の山中先生は、2016年3月まで在ポーランド日本国特命全権大使という重責を担っておられ、大学卒業後外交官としての長いキャリアをお持ちです。ご自身の経験を丁寧にたどりながら、在外公館で最初のご経験、外務省本省勤務、そして全権大使としての役割等を、さまざまなエピソードを交えてじっくりとご講演下さいました。
繰り返し強調されたのは、コミュニケーションの基本は相手の立場を深く理解した上で、自分の主張を重ねていく双方向の営みであるということでした。また、外交官としての長いご経験から、日本や日本の文化についての知識を豊かにしておく必要があるという言葉や、英語の上達は日本語を磨くことでもある、というようなお話もありました。
聴講したのは、英語コミュニケーション学科の高橋雄範学科長のクラスとチラシを見て参加した他学部の学生、そして文学部グローバル化推進委員など、合計約100名でした。
講演後、学生たちからの質問コーナーを設けました。すると、「学生時代に何をすべきであるか」、「自分と異なるテンションの人とのコミュニケーションのコツはあるか」、さらには「外交の世界での日本人と他の国の人々の違いは何か」、「外交官試験に学部の3年生で合格すると有利か」等々、たくさんの質問があり、山中先生はその一つひとつにお答えくださいました。
山中先生の含蓄のあるお言葉に静かに心を傾ける機会となり、学生たちも学びをより深めるために積極的に質問をし、成功裏にグローバル・プロジェクト講演会を終えることができました。
講 師 : 山中 誠氏
昭和49年3月慶應義塾大学経済部卒業 、4月外務省に入省され、昭和52年6月米国の名門アマースト大学(マサチューセッツ州)を卒業されました。在米日本国大使館を始め、タイ、英国の日本大使館に勤務されたご経験をお持ちです。ウイーン国際機関に日本政府代表部公使として勤務されました。
略 歴 :
平成11年 2月 経済協力開発機構(OECD)東京センター 所長
平成14年 2月 国際情報局審議官
平成16年 3月 在サンフラシスコ総領事
平成19年 10月 特命全権大使 シンガポール国駐箚
平成22年 9月 特命全権大使 科学技術協力担当
平成23年 9月 特命全権大使 ポーランド共和国駐箚
平成28年 3月 外務省退官