9月23日(金)文学部グローバルプロジェクト 2016年度第3回講演会「知と歴史 ~Wissen und Geschichte~」
9月23日(金)文学部グローバルプロジェクト 2016年度第3回講演会「知と歴史 ~Wissen und Geschichte~」
9月23日(金)、白山キャンパス6211教室において、文学部グローバル・プロジェクトの第3回講演会が行われました。
今回は哲学科が中心となり、ドイツ・カイザースラウテルン工科大学のヴォルフガング・ノイザー(Wolfgang Neuser)教授をお招きして「知と歴史 ~Wissen und Geschichte~」と題してご講演いただきました。
教授は物理学を学ばれた後に哲学と科学史を修められた学際的な学者であり、ドイツ観念論における自然哲学、形而上学、認識論、ルネサンス哲学、そして企業倫理及び現代の知の構造について主に研究されています。
今回の講演で教授はその膨大な知識を動員して、現代の情報化社会における哲学的な知の基礎づけがいかになされうるのか、そしてこの社会に対応できる、近代的な主体のない新たな倫理はいかにして可能かを、古代・中世・近代・現代の哲学における知の歴史をたどりながら明快に話されました。
現代という未曾有の時代において、これまでになかった全く新たな「技術哲学」を創出するという野心的な教授の構想は聴講者たちに強い印象を与えたようで、講演後の質疑応答では「主体なき倫理」というものがそもそも可能なのか、といった根本的な問題が提起され、議論されました。
講師 : ヴォルフガング・ノイザー氏
(ドイツ・カイザースラウテルン工科大学 教授)
1950年 ドイツ・ジーゲン(Siegen)生。チュービンゲン、ミュンヘン、ハイデルベルク及びカッセル大学で物理学と哲学を学ぶ。研究分野は、ドイツ観念論における自然哲学、形而上学、認識論、ルネッサンス哲学、企業倫理及び現代の知の構想など