文学部の外国語教育「中国語」

中国語を学んで開く扉

外国語を学ぶことは、その国の人や文化への扉を開く鍵です。日本と中国との関わりは、長い歴史の積み重ねがありますが、知らない魅力が満載です。故宮や敦煌の遺跡など変わらぬ悠久な文化の一方で、AIロボットや電動車が普通に行き来する街角の風景、カード一枚で用が足せるキャンパスライフといった活気溢れる日常があります。


言葉を学ぶと時代の潮流がわかります。生活の変化を表す新たな造語が次々に生まれ、漢字による表現の面白さも感じることができます。流行語の中には、日本語がそのまま中国語になった「断捨離」など数多く見られます。日本と中国の文化交流は漢字文化の利便性を生かし、私的なレベルでネットを通じてますます手軽にできるようになりました。

語学を修得することで、溢れる情報の中から、自分で正否を選択できる目をもつこともできます。より一層、異文化を理解することのおもしろさを実感でき、それを駆使して専門分野の探求へと深めていってほしいと願っています。


直接現地を体感することも大切です。中国渡航は地方都市への直行便航路が多く開設され、週末旅行さえ可能になりました。中国国内も新幹線なみの高速鉄道が大陸を東西南北に走り、各地の世界遺産を訪ねることができます。中国語を実践しながら気軽に旅をしてみるのもいいですね。


学修のステップ


1年次:中国語独特の音楽的な発音と基本的な文の成り立ちを習得します。漢字を使うことによる錯覚や誤解は少なくありません。中国語への先入観を覆される体験を味わうことになるかもしれません。

〈中国語ⅠA〉 では中国語の基本的なしくみを身につけ、主に文型の習得をめざします。

〈中国語ⅠB〉 では日常会話や自己紹介ができるコミュニケーション力をつけていきます。


2年次:スムーズなレベルアップをはかります。

〈中国語ⅡA〉では短文記事や短編小説を読めるようにします。ネット上の文章が読めるようになると楽しいですね。

〈中国語ⅡB〉では文型を自分のものにして、自己表現ができるように、コミュニケーション能力に磨きをかけます。


3・4年次:隔年で開講する、更なるステップアップのための科目です。少人数制で、より実践的に学びます。

〈中国語講読〉では、中国のホットな話題を編纂した記事や話題の小説を楽しめるような読解力をめざします。

〈中国語コミュニケーションと文化〉では、聞き取る力のアップと、自分の考えを表現でき、同世代の中国の学生と意見交換できるような実践力を養います。

以上は各学科によって選択の仕方が多少異なるので留意してください。(東洋思想文化学科では専門科目として中国語が設定されています)。


アプローチ方法

授業は週に1回~2回という限られた時間しかありません。中国語は語順が重要です。言葉の特徴をつかみ、練習を積んで定着させます。近年のテキストはQRコードで音声をダウンロードしいつでも練習することができます。図書館では定期講読している人民日報などの新聞や月刊誌も言語、文学、歴史、社会学、映画、芸能等豊富にそろえてあり、最新の情報にふれることができます。中国の人が編輯して人気を博している『知日』という日本を知るためのグラビア風シリーズ本もあります。中国語による論文もWEBで検索閲覧ができます。


また、日本中国語検定協会 が毎年3回実施している中国語検定を利用し、自らの学習の習得状況を把握することで意欲も湧きます。基本的には、1年次終了時には4級レベル、2年次終了時には3級レベルの学習内容をマスターできているか試してみましょう。3、4年生でさらに中国語をつづける受講生ならば、2級、1級に挑戦し学習成果を確かめてみましょう。

東洋思想文化学科では、中国留学に有利なHSKを受験することを薦めています。中国の大学で、授業や文化活動を通してキャンパスライフを満喫すれば、学習の刺激になり、また共同生活を通して友情を育むなど貴重な体験を得られるでしょう。

さらに、外部検定試験による単位認定制度もあります。(外部検定試験による単位認定制度 | Toyo University)


中国語の修得は、中国を専門としなくても、多角的な視野や知識を広げてくれるきっかけとなり、同時にまた、将来設計への選択の幅を広げてくれるにちがいありません。