NEWS 最近のお知らせ
2023年度実施 教育・研究等改善アンケート結果について
2023 年度理工学研究科 教育・研究等改善アンケート調査の結果について
2023年12月下旬から2024年1月上旬にかけて実施した、理工学研究科アンケート結果と理工学研究科長のコメントを掲載します。
1)教育・研究等改善アンケート調査の目的
理工学研究科が実施する「教育・研究等改善アンケート」は、学部学生向けの授業評価とは視点を変え、研究指導等について、学生満足度評価の色彩を強めた設問により、研究指導体制や研究教育環境の改善に資する項目にしている。協力いただいた大学院生には感謝したい。教育・研究等の改善を高めるための自己点検活動・FD活動の一環としてここに公表する。
2)調査方法、調査実施時期
アンケート調査は、従来、教員による配票・回収により実施していたが、今年度は Google フォームを利用した。
調査期間は 2023/12/22~2024/1/31 で実施した。
博士前期課程については、在籍者 225 名(2023/10/1 時点)のうち、135 名(回収率 60%、昨年度83.5%)の回答を得た。
博士後期課程については、在籍者 16 名(2023/10/1 時点)のうち、13 名(回収率 81.3%、昨年度85.7%)の回答を得た。
3)コメントおよび対応
①大学院進学情報提供
博士前期課程への進学理由の第 1 は「研究内容への関心」、第 2 は「就職に役立つ」で、昨年度と順位に変更はない。博士後期課程は「研究内容に対する関心」「担当教員に教わりたい」の順となっている。
「大学院進学を考えるのにどのような情報が一番役立ったか」との問いでは、「研究室教員の紹介」と回答している者が一番多く、博士前期課程 57 名で、教員の影響が大きいことが分かる。
大学院進学決定時期は、学部 3 年次が一番多く、続いて 4 年次で、昨年度と順位が入れ替わっている。今後も研究科・専攻別進学説明会・相談会に加えて、各学科の進級ガイダンス、教員から個別の大学院進学説明会を継続して実施して行く。
学部生に大学院の教育研究活動の魅力を伝えるイベントとして、今年度も理工学フォーラムを対面とオンラインの併用で開催した。主な内容としては、本研究科の若手教員による「大学院の研究活動とキャリア」と題した講演会、OB・OB による「先輩からのメッセージ」として、大学院に進学したことのメリットについて講演をしていただき、現役大学院生からは自身の研究活動に関して紹介があった。今年度も多くの保護者に出席していただき、親子で大学院進学を考える 1 日となった。参加者は全体では 195 名で昨年度と比べって若干減少した。この取り組みは、来年度以降も理工学研究科の教育研究活動の理解を深めてもらうイベントして、参加者アンケート結果を参考に内容を充実させて継続的に開催して行く予定である。
2015 年度から学部と大学院の連携を強化する目的で導入した大学院開講科目履修制度(先行履修)では、2023 年度春学期が 44 名(112 科目)、秋学期が 69 名(157 科目)で、昨年度(春学期:22 名56 科目、秋学期:52 名 104 科目)と比較して申請者が 39 名増加した。これに比例して学内推薦入試の出願者も昨年度(92 名)と比較して 22 名増加した。
②研究指導に関する評価
博士前期課程の研究指導に対する評価では、教員は「たいへん意欲的だった」と回答した者が 95 名おり、知的満足度を得られたとの高い評価である。また、「何を一番身につけることが出来たか」との問いでは、42 名が「プレゼンテーション能力」、続いて 35 名が「専門的知識」と回答している。
博士後期課程の研究指導についても、ほとんどの者が「たいへん意欲的だった」と回答している。
③授業科目に関する評価
授業科目に対する評価は、博士前期課程の 76 名が「たいへん意欲的だった」と回答している。講義の進捗は「適切」との評価が多いが、「非常に早かった」「どちらかといえば早かった」と回答した者も 28 名いた。少人数教育であるため、履修生の状況を確認しながら講義を進めていく必要がある。開講科目数については、「現在の開講科目数で十分」又は「足りている」との回答が多い反面、「少ない」「増やして欲しい」という要望も 18 名いた。
④研究室等の施設環境
研究室・実験室の機器やPCの充実について、「充実している」と「まあ充実している」と回答した者が博士前期課程と博士後期課程で 110 名おり、満足している様子である。また、「どちらかといえば不足している」「不足している」と回答した者も 22 名いた。指導教員が研究室ごとに事情を把握し、適切に対応できるようにしている。
⑤研究発表活動支援
博士前期課程で 86 名(昨年度 115 名)、博士後期課程では 10 名(昨年度 10 名)、が学会発表を行っている。そのうち博士前期課程 33 名(昨年度 60 名)は複数回の学会発表を行っている。昨年度に比べて学会発表者が博士前期課程と博士後期課程で 29 名のマイナスとなったが、アンケートの回答率が昨年度と比べて 20%減少したことが原因と考えられる。
「学会参加費用(交通費・宿泊費)」が研究発表奨励金で賄えなったと回答した者が、博士前期課程と博士後期課程で 43 名いた。また、支援額が少なくて学会参加を辞退した者も 13 名いた。海外での研究発表では円高の影響により費用面で負担が大きくなっているため、奨励金の増額を求めて行く必要がある。
学会発表参加者から、「さまざまなコメントがもらえた」「もっと学会発表したくなった」との感想に対し、今年度は発表を行なっていないと回答した者が博士前期課程と博士後期課程で 66 名いた。
論文採録数は、博士前期課程では 19 名(昨年度 20 名)、博士後期課程では 4 名が「実績あり」と回答している。受賞歴も博士前期課程と博士後期課程で 9 名(昨年度 10 名)であった。
⑥在職やアルバイトについて
在職やアルバイト日数について、博士前期課程では週に 5 日以上が 4 名(昨年: 3 名)、4 日が 8 名で、勤務時間をフルタイムと回答した者が 14 名いた。また博士後期課程でも 10 名がアルバイトを行っており、そのうちフルタイムが 5 名であった。学費や生活費の捻出に必要な対応かどうか確認できていないが、研究活動に支障をきたしていないか詳細を確認する必要がある。
⑦TA について
今年度、博士前期課程の院生で 63 名が TA を担当している実態がある。大学院生数と TA を必要とする授業科目数に若干のアンバランスもあり、6 名がやや負担を感じていると回答している。TA 担当については、依頼する教員と大学院生側の充分な調整が必要である。教育補助を担当することは研究者・教育者としての素養を養うことにも役立つため、前向きに取り組む姿勢を期待している。
⑧総合評価
大学院に在籍していることに対する満足度について、回答者からの評価(とても満足、満足、まあ満足の合計)は 132 名(博士前期・博士後期課程 89.2%)であるが、不満(不満、どちらかというと不満、あまり満足していない)と回答した者も 6 名(博士前期)いた。それぞれ個別の評価内容を踏まえて、今後も出来る限り改善に努めていきたい。
![](https://www.google.com/images/icons/product/drive-32.png)
以上
2024年3月
理工学研究科長 松本 潔