当院でできる検査について

①一般撮影(X線検査・レントゲン撮影)

胸部や腹部の状態、骨折の有無、関節の状態などをX線を使って観察する検査です。

 当院では、2017年に富士フィルムメディカルの医用画像情報システム(PACS)、デジタル画像診断システム(FCR CAPSULA-2)を導入し、フィルムレスの運用を開始しました。そのため、レントゲンの現像処理時間を大幅に短縮することができ、患者様をお待たせすること無く、より早い検査が可能となりました。

また、2023年には富士フィルムメディカルの胸部レントゲンAI診断(右下図参照)システムを新たに導入し、

当院での健康診断時にはこのシステムを活用しております。これにより健康診断においても病変の早期発見が

実現可能となりました。当院の健康診断についてご希望の方は、お気軽に町立病院窓口までご相談ください。

※同一の方で胸部レントゲンを施行しました。左が撮影後の写真、右がAI診断を利用した写真です。

このように画像上で赤くなってる部分が病変疑いとして抽出されます。

※AI診断システムを利用しての患者様費用負担はございませんので、ご安心ください。

②骨密度検査(DIP法)

当院ではDIP法という左手と標準物質(アルミスケール)と一緒にX線で撮影し、人差し指の濃度と

アルミスケールの濃度を比較して骨密度を測定しています。骨密度は年齢を重ねる毎に脆くなりがちのため

骨折予防のためには注意が必要です。特に女性の方は骨粗鬆症のリスクが高いとされています。

この検査では結果も直ぐに分かり、患者様に検査結果報告書としてお渡しております。

検査時間も10分程度のため、検査ご希望の方はお気軽に当院窓口までご相談ください。

③マルチスライスCT検査

当院では2017年に東芝製の16列マルチスライスCTを導入しました。このCT検査というのは、

頭部、胸部、腹部、四肢など、あらゆる部位を輪切りにした画像を作る検査のことです。従来のCT装置(2列マルチスライスCT)より8倍性能が良くなり、微細な血管や骨の3D画像作成も可能であるため、レントゲンよりも詳細に観察・検査することができます。

また、造影剤を使った検査も実施していますので、より病変の正確な質的診断も可能となっています。

画像診断の際は、医師、診療放射線技師に加えて、鹿児島県医師会が運営する遠隔読影システムへ依頼し、

放射線科読影専門医による画像診断を行っています。このシステム利用の患者様費用負担はありませんので、ご安心下さい。

※参考までにCT検査でわかる主な病変:脳卒中、肺炎、肺癌、胆のう炎、胆石、肝癌、膵癌、水腎症、

尿管結石、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、極微細な骨折など。

④透視検査

当院では2012年に日立製作所のPOPULUS Soを導入しました。この透視検査では、関節の脱臼時の

骨の整復、皮膚内に入り込んだ異物(金属類など)や飲み込んだ魚の骨の除去などを行っています。その他、胃瘻や腸瘻の造設(胃や腸に直接栄養を供給させるために、お腹に小さな穴を作る医療措置のこと)、嚥下造影検査も行っています。

(当院ではバリウムを使った胃透視検査は行っていません。代わりに4K搭載の胃カメラ検査をしています。)

※捕捉:嚥下造影検査とは?

 食べ物が喉を通るところを透視を使って観察する検査です。これにより、のどに食物が残るのかどうか、誤嚥(誤った飲み込み方)をしているのかどうかを確認します。

⑤胃カメラ・大腸カメラ検査

健康診断で指摘を受けた、胸焼け、胃痛、便秘、下痢等の症状が見られましたら当院で胃カメラ、大腸カメラによる検査が可能です。

当院では2022年12月に最新の内視鏡システムを導入いたしました。病変の検出、鑑別をサポートするAIが搭載されています(大腸カメラのみ)。また、4K画質で従来のカメラと比べ画像も見やすくなりました。

 個人差ありますがカメラ挿入により検査時苦痛を伴う場合もあります。当院では鎮静剤を使用し検査中眠っていただくことも可能ですのでご希望があれば検査担当スタッフにお伝えください。

※予約が必要な検査になりますので事前にご相談していただきますようお願いします。

※鎮静剤を使用した当日は車の運転はできませんので送迎を確保していただきますようお願いいたします。

⑥超音波検査(心臓エコー、腹部エコーなど)

当院の超音波検査装置は2023年2月に導入された最新の医療機器(富士フイルムのARIETTA650)です。

従来に比べて格段に性能も良くなり、リアルタイムに高画質での検査が可能となりました。

このエコー検査は痛みが無く体に害も無く、無侵襲で簡便な検査です。

観察をしやすくするために、部屋を暗くして検査を行いますので、ご了承ください。

以下に当院でよく検査される部位別エコーの説明をします。

●腹部超音波検査

肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などを中心に検査します。検査の都合上、朝食は摂らないようお願いしています。これは食事により胆嚢が萎縮してしまい、また胃内に残留物があると観察が困難な時があるからです。

主に分かる病気は胆石、胆嚢ポリープ、腎嚢胞、肝嚢胞、脂肪肝、肝炎などです。

 ●心臓超音波検査

  心エコーの検査の目的は、主に心不全の方の心機能の評価や心臓弁膜症などの心臓疾患の早期発見のために行います。手足のむくみや動悸・息切れなどの症状がある方は、ご相談ください。

⑦検体検査

検査部では主に、血液、尿検査・細菌培養検査・血液ガス・肺機能検査等を行っており、主治医の指示の元に体調管理のために種々の検査を行っています。詳しい検査一覧は以下の通りです。

【抗体検査】

◯血液学的検査

・血液一般

 白血球(WBC)、赤血球(RBC)、血小板(PLT)、血色素(Hb)、ヘマトクリット(Ht)

・白血球分類

 好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球等

・凝固系

 プロトロンビン時間、血中FDP、Dダイマー

・その他

 出血時間、凝固時間


◯一般検査(尿・検便等)

・尿定性

 ウロビリノーゲン,たん白質、pH、潜血、比重、ケトン体、ビリルビン、ブドウ糖、白血球、亜硝酸塩

・尿沈渣

 白血球、赤血球、上皮細胞、円柱、細菌、結晶等

・その他

 便潜血反応、穿刺液検査


◯生化学検査

・肝機能 、脂質腎機能など

 TP,ALB,BUN,CRE,UA,T-Bil,D-Bil,Na,K,Cl,Ca,Fe,TG,T-cho,HDL-C,LDL-c AST、ALT、LD、ALP、 γ-GTP、CHE、CPK、AMY、GLU、総蛋白、アルブミン、、ヘモグロビンA1c、血清鉄、血液ガス、アンモニア


◯免疫・血清検査

・感染症

 HBs抗原(定性)、HCV抗体(定性)、TPHA(定性)

・迅速検査

 インフルエンザ、COVID-19抗原、SARS-Cov-2(PCR)

 マイコプラズマ、レジオネラ、肺炎球菌、溶連菌、ノロウイルス

・その他

 トロポニンT(定性)、BNP


◯輸血検査

・血液型

 ABO型、RH式

・輸血検査

 交差適合試験


◯生理機能検査

 12誘導心電図検査、マスター負荷心電図検査、24時間ホルター心電図検査、肺機能検査

⑧心電図・24時間ホルター心電図

心電図検査は健診の目的や不整脈などの種類の判定のために主に行います。24時間心電図は、担当医が必要と判断した時に、24時間心電図を付けることにより、より正確な不整脈の種類や出現時間などを記録することができます。健診で不整脈等のご指摘を受けた方は一度ご相談下さい。

肝付町立病院

〒893-1207 鹿児島県肝属郡肝付町北方1953番地

電話:0994-67-2721

FAX:0994-67-2741