実践事例5

インパクトのある映像で、

授業に対する生徒の意識を高める

松元直史 Matsumoto Naoshi

福岡県 福岡市立志賀中学校 教諭

Hiroshima:Dropping The Bomb - Hiroshima - BBC

教材名:「伝えたいことがある」(『新訂 新しい道徳3』東京書籍)

ねらい:差別や偏見を許さない断固たる姿勢で闘う大石さんの姿を通して、差別や偏見のない社会の実現に努めようとする道徳的態度を養う。

内容項目:C(11)公正、公平、社会正義

映像で、戦争の悲惨さに対する説得力をもたせる

 私が平和学習や本時の教材で授業をする際、歴史から学ぶことの大切さを頭では分かっていても、説得力に欠けることを痛感することがありました。それを補う手立ての一つが、効果的な映像の活用です。

 この授業は平和学習の後に行いました。映像の役割は前時(平和学習)と本時をつなげるだけでなく、戦争の悲惨さに対する説得力をもたせる役割もあります。また、短いですが強烈な印象を残す内容なので、授業に対する生徒の意識を高めることができます。この意識を本時の教材につなげることが教師の役割となります。

 映像はBBCが制作したもので、広島に原爆が落とされる前後を4分程度にまとめたものです。私はYouTubeで見つけました。日本語が少ないので授業で活用する場合は、教師の解説が必要です。

 映像の内容は、役者のかたが演じる当時の様子、原爆の威力を示すCG映像(解説あり)、実際に被爆した人や原爆投下に関わった人の体験談で構成されています。

 本時の映像に限らず、映像を使用する際は、補助教材なら5分程度、教材として使用するなら15分程度が適当だと考えます。

ポイント

インパクトのある映像と本時の内容をつなげる。教師が点と点をつなぎ、一本の線にして授業を展開する。

②間違った情報や漠然とした不安感等からくる差別や偏見に対して、自分はどういう姿勢で向き合うか考えさせる。