TOP中学校映像を活用した道徳授業実践集アニメ―ション教材を活用した授業の実践を

アニメ―ション教材を活用した授業の実践を

長谷川元洋 Hasegawa Motohiro

金城学院大学 教授

1 情報モラル教育の大切さ

 情報モラル教育は喫緊の課題であるといわれて久しいです。そして、その大切さはますます高まっています。最近は、物理的な空間とインターネット空間の境界がなくなり、どちらも日常的な空間となっています。また、GIGAスクール構想により、一人一台端末環境になったことで、学校内においても同じ状況になっています。さらに、生徒が社会に出る頃には、今以上に情報化が進んでいることが予想されます。 そのため、情報モラル教育をしっかりと行い、適切かつ効果的に情報機器を活用できる生徒を育てることは極めて重要です。

2 道徳科の授業で情報モラルアニメーションを使用することの効果

 情報モラルアニメーションを使用することにより期待される効果は、大きく二つあります。一つは生徒のSNS等の情報サービスの利用経験の差による学習への影響の軽減、もう一つは読解力に課題がある生徒も理解して授業に参加しやすい状況の実現です。GIGAスクール構想によって、全ての生徒がPC端末を使うようになりましたが、情報モラルの教材の中で取り上げられるSNS等の情報サービスの利用経験は生徒間で差があります。

 アニメーションの中で、情報サービスの具体的な利用シーンが描かれることで、利用経験がない生徒も、その機能や特性を理解したり、推測したりしやすくなります。また、読解力に課題がある生徒も、アニメーション教材であれば、話の流れや登場人物の行動、関係性等の理解が容易になります。

3 ぜひ、アニメーション教材の活用を!

 アニメーション教材を活用した授業は、読み物教材の授業と同じ流れで行うことができます。また、情報サービスの誤った使い方によって、問題に発展する前の場面でアニメーションを停止し、生徒に問い作りをさせる「質問作り(QFT)」という活動を通して、探究的な学習に取り組ませることもできます。

 ぜひ、チャレンジしてみてください!

引用文献

ダン・ロススタイン、ルース・サンタナ(著)、吉田新一郎(翻訳)(2015)、『たった一つを変えるだけ クラスも教師も自立する「質問づくり」』、(新評論)

※質問作り(QFT) は、最初に示す題材(問いの焦点:QFOCUS)に対して、児童生徒に質問を作らせ、自分たちが考えた質問を使って思考を深めていく手法です。詳しい解説は、『教室の窓』2021年1月発行のvol.62「1人1台環境下における情報モラル教育」で紹介しています。

情報社会のモラル&リテラシー動画の紹介

東京書籍HPでは、情報モラル&リテラシーを扱ったアニメーション教材の体験版をご用意しています。

2:49

“いいね!”が欲しくて

スマートフォンの普及で、誰でも簡単に動画を撮影できるようになりました。公共の場で撮影する場合は、時間や場所、状況等を考える必要があります。動画撮影にのめり込む主人公の姿を通して、生徒が日頃行っている動画撮影について学習できる教材です。

3:18

メッセージを送る前に

メッセージアプリを使って行われる短文のメッセージのやり取りでは、誤解が生じてトラブルになることがよくあります。メッセージアプリの中で起きてしまったトラブルを通して、気軽な短文コミュニケーションで注意すべきことを学習できる教材です。

2:19

私の情報がまとめられてしまった

芸能人のSNSの投稿のコメント欄で、ファンどうしのトラブルがエスカレートしてしまう可能性があることや、それによって引き起こされる状況を知ることで、SNS上でどのようにコミュニケーションをとるべきかについて学習できる教材です。

体験版はコチラから!→