1 LT-R6 仮説明書(概要)

(最新の情報はDownloadページにあるChangelog.txt、及びPDF版マニュアル(試作版)を参照ください。)

LT-R6 の最新版はバージョン0.21(2016/4/10)です。

1.LT-R6(旧ICF-Editor)とは

LT-R6(旧ICF-Editor)は、ICOM IC-R6用クローニングプログラム(CS-R6)が保存する設定データ(拡張子は.icf)を編集するためのプログラムとして開発しました。その特長は、

(1)編集機能

  • メモリーチャネルからバンクチャネルへのDrag&Drop
  • バンクチャネルの上書モード/挿入モードの切り替え
  • メモリーチャネルへの表示フィルタ適用
  • チャネルデータのDrag&Dropの強化
    • ExcelやNotePad等のテキストエディタとの間で相互にDrag&Drop
    • 複数チャネルの同時Drag&Drop
  • オートメモリーライトチャネルの周波数順ソート表示

(2)ファイル

  • フレーム(画面)にICFファイルのDropが可能
  • 編集中のデータとICFファイルの内容の比較(照合)機能を設けた

(3)CI-Vインターフェイスを通じたIC-R6との通信機能

  • CI-VインターフェイスによりIC-R6と直接通信。
  • CI-VとIC-R6の各種メッセージを表示。
  • IC-R6をモニター(リアルタイム表示)するのに、IC-R6にコマンドを送りレスポンスを表示するアクティブモードを設けた。
  • IC-R6のCI-VトランシーブがONになっている場合にIC-R6が勝手に「つぶやく」データを表示する機能(パッシブモード)を設けた。
  • アクティブモードにはパッシブモードの機能を含んでいる。
  • IC-R6が送出するJammerコードを受け、直前の誤データを廃棄する手順を実装
  • パッシブモニターした周波数のサマリーを表示する機能を実装
  • ファンクションキー(F1~F12)でIC-R6を制御する機能を実装

(4)編集機能と通信機能の連携

  • IC-R6がつぶやいた(パッシブモニターした)周波数について、それと一致するメモリーデータ(チャネル番号とメモリーネーム)を併せて表示。
  • パッシブモニターした周波数と一致するメモリーデータを編集画面に色を付けてハイライト表示(同じ周波数がある場合)
  • 編集画面に表示されているメモリーチャネル・バンクチャネルをダブルクリックすることでその周波数をIC-R6にリアルタイムに設定する機能を設けた⇒航空機の追跡が楽!!
  • IC-R6からメモリーをダウンロードして編集機能へ取り込む機能を追加(クローニングという言葉は個人的にピンと来ないので・・・使い慣れた(IC-R6を対象とした)アップロード・ダウンロードを使います。)。
  • 編集中のデータとIC-R6のメモリー内容を比較する照合機能(ベリファイ機能)を設けた

2.制限事項

LT-R6(旧ICF-Editor)は善良な作者が個人的趣味で作成したもので、勉強を兼ねてJAVAで記述しています。LT-R6の著作権は作者に帰属します。無線愛好者はLT-R6を無料で自由に使う事が出来ますが、作者はLT-R6の動作について何ら保証するものではなく、LT-R6を使う事によって生じる如何なる不具合・損害も補償しないので、その旨ご理解のうえ利用をお願いします。

LT-R6は、32ビット版Windows7SP1(初期は XP SP3でした)上のJAVA7環境でテストしています。LT-R6は、JAVAが実行できる環境があればプラットフォームに依存せず動作する筈ですが、これは動作を保証するものではありません。

3.インストール

(1)JAVAの実行環境のインストール

LT-R6はJAVAで記述しており.jar形式のファイルとして配布しますので、別途JAVAの実行環境(JRE)が必要です。JREがインストールされていない場合は、お使いのプラットフォームに適合するバージョン7以降の最新のものをインストールして下さい。JREは例えば次のサイトにあります。

http://java.com/ja/download/index.jsp

なお、64ビット版のWindows7の場合、RXTXライブラリーが32ビットしか対応していないため、JAVAも32ビット版をインストールしてお使いください(ネットをよく探すと64ビット版が見つかりますが、作者の所に64ビット環境がないためテストできていません)。

【注意】JREのインストーラーは、JREと一緒にMcAfee(ウィルス対策ソフト)をインストールしようとしますので、不要な方はMcAfeeのチェックマークを外してから先へ進んで下さい。

(2)LT-R6のインストール

LT-R6は、zip形式のファイルとして配布します。このファイルを解凍してプログラムを含むフォルダをそのまま取り出し、任意の場所に置いて下さい。

(3)jSSCライブラリーのインストール

バージョン0.20以降は通信ライブラリーとしてRXTXに代えてjSSCを使います。

詳しくはPDF版のマニュアルをご参照ください。

(3)RXTXライブラリーのインストール

CIVを通じてIC-R6と通信を行うには別途通信ライブラリーが必要です。フリーのRXTXライブラリー(私の場合、rxtx-2.1-7-bins-r2.zip)をダウンロードします。RXTXライブラリーは、例えば次のサイトにあります。

http://rxtx.qbang.org/wiki/index.php/Download ←現在このサイトはアクセスできません。

http://www.jcontrol.org/download/rxtx_en.html

ファイルを解凍し、中にあるRXTXcomm.jarファイル及びWindowsのフォルダの中にあるrxtxSerial.dllファイルを(1)でインストールしたJREのフォルダーの中に次のように入れます。

  • RXTXcomm.jar ⇒ ...\jre\lib\ext\
  • rxtxSerial.dll ⇒ ...\jre\bin\

なお、このRXTXライブラリー(バージョン2.1.7)は2006年頃の開発で、Windows7など無かった時代のもので安定性に難があります。インターネットを検索するとバージョン2.2や64bit版など色んなRXTXライブラリーがあります。上記のバージョン2.1.7に不満がある場合は自分のリスクでお試しください。

【注意】RXTXライブラリーはJAVAの実行環境中に置いておく必要があります。もし所定に位置にRXTXライブラリーのファイルが無い場合は起動時に警告をポップアップするようにしました。

JAVAをバージョンアップした場合は、CI-Vが動作しなくなると思いますので、RXTXライブラリーも新しいJAVAに合わせて新しい場所へ移してください。LT-R6が使っているJAVAのバージョンは「その他」⇒「LT-R6について」で表示されるポップアップの一番下に表示しています。

4.実行

(1) LT-R6は、次の何れかの方法で実行することが出来ます。

  • LT-R6のフォルダにあるLT-R6.batファイルをダブルクリックする。
  • LT-R6.batのショートカットを作成し、それをデスクトップなど任意の場所に置き、それをダブルクリックするか、或いはそこに.icfファイルをドロップする(Windowsのみ確認済み)。
  • 64ビット版Windows7の場合は LT-R6.bat の代わりにLT-R6-w7(x86).bat を適宜修正してお使いください。

何れの場合も先ず.batコマンドを実行するためのDOS窓が立ち上がり、splash(写真)が表示された後、LT-R6が立ち上がります。

DOS窓はLT-R6が終了するまで表示されたままですが、任意の時点で右上のクローズボックス(×印)をクリックすることで強制的に閉じる事もできます。DOS窓を閉じてもLT-R6の実行に何の影響もありません。

(2) コマンドラインオプション

LT-R6には、次のコマンドラインオプションがあります。

  • -A :アクティブモニターモード(起動時にアクティブモニターをONとします)
  • -JP : 日本語モード(メッセージを一部日本語化しています(順次対応します))
  • -P<comport> : CI-Vの通信ポート名を指定することで、CI-Vを起動するときポート名を選ぶ必要が無くなります(<comport>には、例えば「COM4」等のポート名を半角文字で指定します)。
  • -Verbose : より多くのメッセージを出すようにします。どんなメッセージを出すかは今後見直していきます。
  • -FK : ファンクションキーの編集画面を表示します。この機能は「表示メニュー」でも変更できます。
  • -Ffff,mm : -Fの後に周波数(単位はMHz)と受信モード(AM,FM,WFMの何れか)をコンマで区切って書く(複数可能)ことで、ファンクションキーに値を設定できます。値はF1から順に設定されます。-Fの後には一切スペースは入れないでください。

コマンドラインオプションは、LT-R6.batファイルをエディタ(メモ帳など)で開き、7行目辺りにある次の行の=の右側に半角スペースで区切って記述します。

set LTR6OPT=-JP

例えば、COM4ポートを指定する場合、次のようにします。

set LTR6OPT=-JP -PCOM4

具体的には、配布フォルダに含まれる「コマンドラインでのCOMポートの指定法.txt」を参照ください。

ファンクションキーの設定は、例えば次のようにしてください。

set LTR6OPT=-JP -FK -F119.1,AM,119.4,AM,118.1,AM

この場合、F1~F3に値が設定されます。

5,既知の問題点・不具合

(1)メモリーダウンロードを契機としてCI-Vの半二重通通信の制御が不正になる現象を確認しています。表示上はモニター機能が止まったり不正値が表示されたりします(内部ではRXTXCommモジュールがいわゆる便秘状態となっています)。このような場合はCI-VメニューでCI-VをON→OFF→ONしてください。

(2)長時間使っていると、(1)と同様の現象が起きます。モニターの動きがぎこちなくなったらCI-VメニューでCI-VをON→OFF→ONしてください。なお、アクティブモニター時にはこの現象を検出してCI-Vを自動で再起動するようにしました。

(3)長時間使っていると、RXTXライブラリーがクラッシュすることがあります(クラッシュした場合はLT-R6は閉じ、LT-R6のフォルダー中に「hs_err_pidxxxx.log」というファイルが出来ています(xxxxはプロセス番号))。そんな場合はLT-R6を再起動してください。

(4) 最近(LT-R6になって以降)、(1)~(3)の不具合は作者のPCでは発生せず、安定して動いています。

6.謝辞

本プログラムを作成に当たり.icfファイルの内部構造についてモリクマノート(http://www2.tokai.or.jp/mrnkmzu/)を参考にさせて頂きました。有用なデータを公開されたモリクマノートの作者に感謝します。