改造方法

ネットで調べて見ると、USBには4つの端子があり、次のような定義(仕様)になっています。

1: 電源 = 5V

2: -DATA

3: +DATA

4: GND = 0V

で、 充電器として使う場合は2番と3番の端子を使って、この充電器から取り出してもよい電流の大きさを機器に教えてやることになっています。 規格 (Battery Charging Specification)的には、2番と3番を浮いた状態でショートすればよいのですが、それだと独自仕様のiPodなどのAppleの機器は充電で きません。 ネットで色々調べて見るとAppleを充電するためには、 例えば次のような回路が必要です。

要するに、次のような電圧を出してやればよいのです。

2: -DATA = 2.7V

3: +DATA = 2.0V

そして写真の右の充電器を計って見たところ、この通りでした・・・しかし、左の4ポートの充電器では、2番と3番の電圧が逆になってました。・・・これでは規格に合わず充電できない。

設計・製造ミスか?

メーカに何度か照会したのですが、結局、規格は決まっていない (Appleの非公開独自仕様が含まれているから?)、専用ケーブルを買えば充電できる、というつれない返事。

・・・オイオイそれでも技術者か。

専用ケーブルって本体より高価・・・そんな後出しのビジネスモデルってアリ? 百均の普通のケーブルを使いたい!!!。

そこで、元祖オタク魂に火がつき、改造することに・・・。

隙間に小さいドライバーを突っ込んで、ペキペキと、意外に簡単に開きました。中を開けると、こんな感じ。

(写真)

ここまでは、よいのですが・・・

問題部分の配線はこんなパターン。

パ ターンを見てみると、5Vを75.3KΩと49.92KΩで分圧して2.0V、43.22KΩと49.22KΩで分圧して2.7Vを作っていました。

やる べき事は単純で、75.3KΩと43.22KΩを入れ替えればよい。即ちR7とR8、R9とR10をそれぞれ入れ替えればOK(2ポートずつパラになった 回路が2つで、計4ポートになっています)

・・・と簡単な筈なのですが、最近の部品は小さすぎて見えない(接写しているので大きく見えていますが 1~2mm程度の大きさ)。老眼の身には眼鏡をかけてもしんどい。

部品を取り外してみると・・・刻印が小さすぎて見えない。

混ざったら分からない。とりあえず場所を変える事で仕分け。

黒い4つの点みたいに見えるのが外したチップ抵抗。強度は結構あり、少々手荒に扱っても壊れませんでした。

場所を入れ替えて再びハンダ付け。

拡大してみたらハンダ付けが下手すぎて・・・写真をアップに出来ない(^_^);;

一応、電圧は正常に出ており、予定した機器は普通のケーブルで同時充電可能に。

な お、注意点が1つ。

4ポートは2ポートずつパラ接続になってます。+DATA、-DATA端子はインピーダンスが高いため、パラになっている機器同士の干 渉でうまく認識できない事があるので、最悪の場合2ポート充電器だと思った方が良いです。・・・私の場合はとりあえずOKでした。

ついでに、カミさんのiPad(大食いで有名、普通の0.5Aの充電器では充電できない)と私のiPodの同時充電も大丈夫でした(iPadの充電電流0.8A=実測値)。

めでたし、めでたし。

(知人は、同じような充電器買ったけど、2番3番に出てくる電圧が違っていたとか。誰でも同じように出来る保証はありません。やりたい人は自分のリスクで、・・・念のため。)