この記事は、2009年文化祭で掲示した貸切列車紹介をホームページ用に再編集したものです。
東洋大学鉄道研究会では、機関誌「キロポスト」が2008年に創刊から40号を迎えたことを記念して、2009年2月12日 島根県の一畑電車においてデハニ50形を使用した貸切列車「キロポスト40号記念号」を運転しました。
一畑電気鉄道(一畑電車)は、島根県の出雲市と松江市を宍道湖に沿って結ぶ、山陰地方唯一のローカル私鉄です。
電鉄出雲市~松江しんじ湖温泉 33.9km[北松江線]
川跡~出雲大社前 8.3km[大社線] により構成されています。
現在、元 京王5000系の2100系・5000系のほか、元 南海21000系(ズームカー)の3000系により運転されていますが、1990年代後半まではデハニ50形やデハ1形、西武から譲渡された60系など、数多くの旧型車両(旧式の吊り掛けモーターを積んだ車両)が活躍していました。
次に、私たちが貸し切らせていただいたデハニ50形をご紹介します。
デハニ50形は1928(昭和3)年から翌年にかけて登場した一畑電気鉄道オリジナルの車両で、北松江線の全線開通・大社線の開業それぞれに合わせて車両が製造されました。
1994(平成6)年の2100系導入により新性能化が始まると、当時現存していたデハニ52・53の2両は定期運用から退いたのち、観光列車・ビール列車として使用できるように、内装が畳敷きに改造されました。その後、日本に残る最後の手動扉車(乗り降りのとき手で扉を開け閉めする電車)として、また全国的にも数少なくなった昭和初期の現役車両として貸切列車で活躍してきましたが、部品の調達が困難となってきたことにより、2009年3月をもって引退することになったのです。
貸切列車の運転に先立ち、2008年末には下見を行い、
ダイヤの検討・ヘッドマークの作成など、様々な準備を行いました。
いよいよ貸切運転当日。青空の下、電鉄出雲市駅にデハニが到着。
現役会員17名、OB・OG20名を乗せ、いざ出発!
駅前で集合して…デハニ53号にヘッドマークを取り付け…準備完了!